goo blog サービス終了のお知らせ 

遊漁船業情報センター

遊漁船(沖釣り船・瀬渡船・海上タクシー)にかかわる様々な情報を適宜発信します。

遊漁船業の<適正化>はどうあるべきか?

2009-06-21 06:44:10 | Weblog

 遊漁船業の適正化に関する基本法律<遊漁船業の適正化に関する法律>第26条に【政府の援助】として、次のように定めています。

  =政府は、利用者の安全の確保及び利益の保護並びに漁場の安定的な利用関係の確保の見地から遊漁船業の健全な発達を図るため必要な援助に努めるものとする。=

 最近の出来事として、所管の行政庁<水産庁>は、政府の推進する【緊急保証制度】において<指定業種>に認定される手続きに奮闘され、過日、遊漁船業は認定の承認を受け金融機関からの資金の導入への道を開いていただきました。
遊漁船業が<水産庁>の努力によって世間的な認知を受けたのは、日本産業分類に登載される手続きと、今回の認定への手続きの二つは画期的なことでした。
それでも、遊漁船業者は国民の余暇活動の一端を担う重要な役割を担っていることは言うまでもありません。
ゆえに、国は事業の適正化及び活性化に関する取組のために必要となる情報の収集、整理、分析及び提供、助言その他の支援を行うよう努めていただきたいと思います。

 すなわち、遊漁船業の健全な発達のための需給は、漁業を専業とする兼業者に漁場が占拠され、専業の遊漁船業者の操業が圧迫されている現実を直視しなければなりません。
さらに、遊漁船業の<登録>を怠慢したプレージャーボートが右往左往し、海難事故の誘発を伴う航行を行っており、現実に新潟県では同日にして2隻のボートが転覆し6人の尊い命が海に沈んでいくという事態が発生しました。
現実に、専業遊漁船業者を巡る諸問題の現実は、
①収益の悪化による業容近代化の遅速
②業者の操業労働条件の悪化
③違法・不適切な事業運営の横行(無保険・定員超過・航行区域の超過)
④操業海域における漁場の取り合い(漁船・PB等)
⑤利用者へのサービスが不十分
⑥過度な遊漁料金の値下げ競争
⑦原油高騰による経営の圧迫
等々、様々な問題が山積しており操業区域のテリトリー制、遊漁料金の適正化、遊漁船船長の資質の確保、事業者団体の育成強化支援、業者検査の徹底、行政処分の強化、新規参入の登録要件の強化、業者への定期的な研修等については早急に講じられることを望みます。

 


野放し規制法の<カヌー遊び>で4人が漂流

2009-05-28 09:37:38 | Weblog

 昨日(27日)正午ごろ鹿児島県垂水市の新城海岸で、中学生の宿泊学習の体験学習中、全員が救命胴衣を着用して<カヌー>に乗船していましたが、風にあおられ流されたり転覆したりして一時4人が行方不明になる海難事故が発生しました。 

カヌーは19隻で生と53人と指導教諭1人が乗船しましたが、そのうちの二隻に乗船した女子生徒3人と男性教諭一人が午後2時ごろ、沖合から3.5キロ付近で鹿児島海上保安部の巡視艇に救助されました。 

ほかにも転覆したカヌーもありましたが、岸から50mほど離れた消波ブロックなどにつかまっているところを助けられたり岸まで泳ぐなどして無事救出されました。

当時の気象は、鹿児島地方気象台によると現場海域には強風・波浪・雷注意報が出されており、保安部の現場海域の観測では波の高さは約3㍍で、風速は15㍍あったといいます。 

現在、カヌーによる海域での利用については安全利用の法的規制はなく野放し状態でありました。


平成16年(2004)の<瀬渡船>事故で、船長に判決!!

2009-05-23 11:22:49 | Weblog

 平成16年12月4日に鹿児島県の離島、トカラ列島沖で乗客作業員5人を乗せて口之島から中之島へ向かう途中、悪天候により転覆沈没、乗客全員が死亡し、船長は救助された海難事故がありました。
 船長は、業務上過失傷害に問われ、鹿児島地方裁判所で刑事事件の審理が行われていましたが、22日に判決がありました。
判決は、禁固3年、執行猶予5年を言い渡されましたが、検察側の救刑は<実刑>で禁固3年を望んでいました。
 裁判長は、判決理由で、船長には悪天候による転覆の恐れを十分予見でき、救命胴衣を着用させるなどの安全措置を講じていれば、死亡という結果を回避することが可能であった。人命を預かる船長として、基本的な注意義務を怠った過失は大きい。
 しかしながら、天候悪化という不幸な海難事故という側面も否定できない。と、言い渡しました。
最後に、裁判長は<実刑>に処することはいささか酷に過ぎるとして量刑に執行猶予5年をつけました。


まだ続きます!!

2009-05-06 09:47:01 | Weblog

 釣りに行く場合は渓流もあるし、岸壁もありますが、何といっても釣りの醍醐味海釣りです。
海釣りの体系として、沖釣りもあれば磯釣りもありますが、そのための必要条件は<遊漁船>に乗船することです。
しかしながら、<遊漁船>というのは、陸上のバスと同じように貸切バスもあれば路線バスもあります。しかしながら、これらの<交通乗用具>には交通事故のように不可抗力の【海難事故】が発生します。
 この【海難事故】の始末がなかなか大変です。それはナゼか?釣り客は船長に信頼して体ごと委ねているのはどの<交通乗用具>とは異なり、釣果の是非が上乗せされる条件がついています。(すなわち、お土産です)
ゆえに遊漁船には、一見の釣り客よりも常連の釣り客の乗船が多くなりますが、ここに、双方(船長と釣り客の間)で人情が芽生えることになります。 
ところが、これが曲者(くせもの)で一旦海難事故が発生すると双方が、加害者と被害者の関係になり険悪なムードが漂うことになります。
こうなると一筋縄では収まらない雰囲気が芽生え、双方が真っ向から対立する糧になるようです。 
   ここに潤滑油として登場するのが【損害賠償保険】が登場することになります。昨日までのブログでは、海難事故の法律的な面からの事故の究明を論じましたが、明日からは前述した加害者と被害者の間に漂う<損害賠償保険>に委ねる構造的因果関係を紹介したいと思います。
  昨年発生した海難事故<新潟県・佐渡ヶ島沖の転覆事件>における双方訴訟にならないための入知恵を論じてみたいと思います。


昨日の続きです!!

2009-05-05 10:23:11 | Weblog

 <遊漁船>の海難事故が発生し、乗船していた釣り客に損傷した客がありました。

  これは、昨日のブログの<例題>でした。  さて、この海難事故に操縦していた<船長>に故意又は過失があったことを釣り客に証明できることができたでしょうか?
これには、なかなか難しい問題が発生します。 
操縦者が居眠りをしていて、岩礁に衝突したとか岸壁に衝突したとかであれば何となくわかるのですが、双方の事故原因がはっきりしないときは所管の海上保安庁(部)の事故原因の救命に頼らざるをえないのが本質です。
海上保安庁(部)は、事故現場及び関係者である操縦者、損傷した乗船客からの事情を聴取して事件性があると判断されれば、海難審判理事所へ審判の申し立て及び徴戒のための所轄の検察庁に送致されることになります。
その後は、海難審判理事所が判断を審判に委ねるとすれば審判庁で審理されることになるでしょう。 
 ここまできて始めて操縦者の操縦に対する態様が<故意であったのか?過失であったのか?>の結果が出てくるわけです。
これらのことの結果が出てきて【行政処分】の判断が出てきます。


<釣り船>の海難事故の後始末。

2009-05-04 10:26:04 | Weblog

今日は連休ですから、後学のため勉強します。

 例題=<釣り船(遊漁船)>に乗船して海難事故が発生しました。

このような海難事故の原因について、事故の原因に船長の操縦による故意なのか?過失によるものなのかを判断する必要があります。

仮に、故意・過失による発生原因がある場合は<不法行為責任>という損害賠償責任が船長に発生することになります。 この<不法行為責任>が認められるには、
①加害者(船長)に故意又は過失が認められること
②他人(釣り客)の権利ないし利益(身体・生命と財産)を違法に侵害したこと
③その行為(故意又は過失)により損害(身体・生命と財産)が生じたこと
④加害者(船長)に責任能力が認められることの4つの条件が必要とされます。(民法809・710・713条)  
 この4つの条件を満たすためには、被害者(釣り客)側が主張し、その主張を裏付ける<証拠>を提出しなければなりません。
この場合、主張あるいは立証が困難な場合は請求することができません。
 すなわち、身体・生命の損害を生じた場合は、医師の診断書が必要ですし、釣り道具が船長の故意又は過失によって折損した場合は、折損した釣り道具の提出とその道具の修理見積書が必要ですが、この場合以前に使用していた期間の減価償却が適用され減損する場合がありますます

 不法行為責任の損害賠償の請求権には、被害者が損害を知った時から3年、又は、不法行為を知った時から20年で時効が消滅します。(民法724条)
 

 


5年前(2004)の瀬渡し船転覆事件の公判で禁固3年を求刑。

2009-04-22 14:59:40 | Weblog

 平成16年(2004)12月、鹿児島県十島村口之島沖で発生した瀬渡し船(4.39㌧)で乗客5人が死亡した事故で、業務上過失往来危険罪に問われた元=船長(58歳)の初公判が21日か鹿児島地方裁判所で開かれました。

 被告である瀬渡し船の船長は<起訴事実>を認め、検察側は冒頭陳述で事故当時は波が高く、転覆の恐れがあったのもかかわらず、船長は転覆会日野措置や救命胴衣着用の指示などを怠ったとして禁固3年を求刑し、即日で結審しました。判決は、5月22日に行われる予定です。


長崎県・平戸沖の巻き網漁船沈没の引き揚げ?

2009-04-20 14:02:04 | Weblog

 今月1日に長崎県・平戸沖で転覆沈没した巻き網漁船<第11大栄丸>の引き揚げ調査が21~24日まで下記海域で行われることになりました。付近を航行する船舶は十分ご注意くださるとともに、海域への入域はご遠慮ください。

 【日本測地系】 
    北緯 33°17´16″   東経  129°16´40″ 

 ★調査地点を中心とした半径1000㍍以内への入域制限が行われ、警戒船が出動しています。


<ブローチング現象>の考察。

2009-04-19 09:47:01 | Weblog

 <三角波>とか<追い波>とか<向かい波>などが海難事故の場合に出てくる言葉ですが、今回の長崎県・平戸沖の事故ではどのような減少だったのでしょうか?再度、検証してみたいと思います。

  海を見ていると限りなく続く波が岸に砂浜に押し寄せてきますが、波の山と波の山の間隔が50~100㍍の規模が襲ってきたのが今回の事故のようですが、135㍍の船の全長がすっぽりはまってしまったのですから、波の高さは3㍍以上あったことは確かなようです。

  今回の場合は、右後方から襲ってきた大きな波が船体にのし上がって舵が利かなくなったといいますから、【ブローチング現象】が起きたといわれています。【ブローチング現象】の発生条件は、 ①波の山と波の山の頂上との波長が船の長さの1.25倍~3倍程度といわれています。 ②船の速度が波の速度と同じかやや遅い速度といわれています。 ③高い波を斜め後ろ10~40度の角度から受ける場合といわれています。

  この発生条件を検証すると、船が母港を出港する場合は自船の船長と波の波長・波高を熟知して、海象・気象状況を把握していることが海難事故を防ぐ最大の条件のようです。そうすれば、出漁の場所とその現場までの航路の状況は事前に把握する必要があるでしょう。

  まして、乗船した乗り組合員の家族又は、遊漁船に乗船した釣り客の家族のことを一身に委ねた船長の責任は相当に重い宿命を背負っているのは当然の責務です。


新潟の<遊漁船>が6000万円の賠償提訴されました。

2009-04-17 08:55:10 | Weblog

 昨年9月、新潟県佐渡ヶ島沖で発生した遊漁船(3.2㌧)が沈没した海難事故で、乗船していた釣り人の遺族二人が遊漁船の船長を相手取り、約6000万円の損害賠償を求めて新潟地方裁判所に提訴することがわかりました。

 遺族側によると、遊漁船の船長が船の適切な管理を怠り、海難事故を発生させたとし、また、遊漁船の営業を営むために義務とされている【損害賠償保険】の加入が義務付けられているのもかかわらず、一昨年10月で期限切れになり継続手続きを怠っていたものです。

 この海難事故では、遊漁船の船長は死亡しており船長の親族が被告になって損害賠償請求の相手側になるものと思われます。
さらに、遺族は新潟県の遊漁船担当部署では、遊漁船業の実質営業許可にあたる<登録業務>を扱っているにもかかわらず、保険の加入状況を監督する立場にありながら、無保険状態のまま放置し、登録の取り消しなどの必要な措置を取らなかったとして、新潟県にも損害賠償責任を提訴する予定だそうです。

 海難事故は、平成20年9月20日の午後4時ごろ、事故を起こした遊漁船は釣り客10人と船長の1人を乗せて網代港から佐渡ヶ島沖に出港、翌日の午前に沈没したもので、3人が死亡、7人が救助されました。