遊漁船業情報センター

遊漁船(沖釣り船・瀬渡船・海上タクシー)にかかわる様々な情報を適宜発信します。

イージス艦<あたご>への【勧告書】の要旨

2009-01-31 15:01:18 | 遊漁船業者
 横浜海難審判所より、イージス艦<あたご>と漁船<清徳丸>の衝突沈没事件でに海難審判による【勧告】の要旨が発表されました。
ここに、複製のうえ掲載します。

■勧告書の要旨
 本件は、平成20年2月19日04時07分少し前、千葉県野島埼南方沖合において、北上中の<あたご>と西行中の<清徳丸>が互いに進路を横切り衝突のおそれがある態勢で接近する状況となった際、避行船である<あたご>が、保持船である<清徳丸>に対する動静監視不十分で、その進路を避けなかったことが主たる原因となって両船が衝突し、<清徳丸>は船体が分断されて廃船とされ、同船の乗組員2人が行方不明のまま、後、いずれも死亡と認定された事件である。
 これは、第3護衛隊が、<あたご>の乗組員の教育訓練にあたり、艦橋と戦闘情報センター間の連絡・報告体制並びに艦橋及び戦闘情報センターにおける見張り不十分に構築していなかったことから<あたご>に艦全体としての安全運航を阻害する複合的な要因が存在していたことによるものである。
 本件発生後<あたご>においては、艦橋と戦闘情報センターのおけるレーダー情報共有体制の改善、戦闘情報センターにおける航行補佐機能の活用及び乗組員に対する再教育など、再発防止対策が講じられたほか、同種海難の再発防止対策が取りまとめられたものの、これらによって艦全体としての安全運航を阻害する複合的な要因が除去されたものとは認められない。
 以上のことから、第3護衛隊に対し、導入した再発防止対策の実効性を検証したうえで、対策の見直しと検証の過程を繰り返すことにより、艦橋と戦闘情報センター間の連絡・報告体制並びに艦橋及び情報センターのおける見張り体制をそれぞれ構築し、所属艦船の安全運航を確保するよう【勧告】する。

釣りで<ボート>から転落して水死。

2009-01-30 09:24:43 | 遊漁船業者
 ■1月28日午前7時ごろ、山口県周防大島町久賀の弁天ふ頭沖で男性二人が浮いているのを釣りに来た人が発見、近くの警察署に届け出たそうです。
警察官は、二人を引き揚げましたがすでに<水死>していたそうです。死亡した男性は71歳と58歳の広島から来た人ということです。
二人は、岸壁から約10㍍沖に約100㍍間隔で浮いていたといいますが、近くに無人のボートが放流されていました。
警察では、二人は誤って海に転落したのではないかとみています。
ご注意ください。

 ■28日ぎ然6時頃、山形県の鶴岡市加茂の加茂漁港沖24㌔の海上で、小型底引き網船(7.9㌧)の右舷にカニかご漁船(122㌧)が衝突、底引き網船が転覆しました。
双方ともケガ人はいなかったが、海上保安部では<業務上過失往来罪>の疑いで双方の船長から事情聴取しています。

 ■27日午前0時30分頃、横浜市鶴見区の大黒ふ頭から東に7㌔の沖合で、操業中のアナゴ漁船(5㌧)が付近を航行していた船舶と衝突し118通報がありました。
アナゴ漁船は、その場所で転覆しましたが、衝突した船舶は現在逃走中とのことです
こんなことってあってよいものでしょうか?

横浜地方海難審判所は<二審請求しない>ことに決定。

2009-01-29 16:15:23 | 遊漁船業者
 昨年6月の海上自衛隊イージス艦<あたご>と漁船<清徳丸>の衝突沈没事故のおける事故の原因を究明していましたが、22日のあった<採決>で確定し、海上自衛隊の組織に初めて勧告が発令されることになりました。

 海上自衛隊組織への【勧告】は、1988年7月21日に発生した東京湾横須賀沖の潜水艦<なだしお>と遊漁船<第一富士丸>の海難事故でも発令されましたが、当時の横浜海難審判庁は<裁決>で【勧告】が出されましたが、二審の高等海難審判庁では『改善がとられている。』として【勧告】が見送られる経緯があり、今回が初めてとなります。

 大型船と小型船あるいは、官有船と民間船の海難事故の場合は、これまでの審判を掘り起こすとどちらかといえば民間船で小型船に厳しい<採決>があったように思えます。
今回のように、徹底した調査を推進して欲しいものです。

 これで行政事件が終了し、後は<業務上過失致死傷罪>としての刑事事件と、民事賠償責任が残りの身となりました。

イージス艦<あたご>は、【勧告】を受け入れるか?

2009-01-28 10:51:31 | 遊漁船業者
 22日に横浜海難審判所で行われたイージス艦<あたご>都漁船<清徳丸>との衝突事故における海難審判での【裁決】横浜海難審判理事所の理事官は、29日にの上告期限への2審(高騰審判所)請求を見送ることのようです。
 この上告の見送りが決まると、横浜海難審判所の<採決>が確定することになり海上自衛隊側に初めて<勧告>が発令されることになります。
これにより、採決の中で見張りが不十分とされていた事故当時の当直士官であった水雷長が業務上過失致死などの罪で刑事事件として<起訴>されることになりそうです。
明日の理事官の判断を待ちたいと思います。

日本海<島根・隠岐沖>で、木材700本が海中に流出!!

2009-01-27 09:18:14 | 遊漁船業者
 23日午後6時半ごろ、カンボジア船籍の木材運搬貨物船(1798㌧)から島根県隠岐の島沖約36㎞を航行中、積んでいた木材(直径20~25㌢・長さ約4㍍)約700本が海中に流出しました。
この海域を航行する<遊漁船>は厳重に注意して航行してください。
 原因は、船上に山積みされた木材の一部がシケのため荷崩れを起こした模様です。貨物船の乗組員は全員がロシア人で、ウラジオストックから境港へ木材を運搬する途中だったとかで、今回の木材転落で境港に着岸せず、宮津港に緊急避難したといいます。
 付近を航行中の船舶は、十分ご注意ください。

ベトナムで<渡し船>が沈没、39人が死亡!!

2009-01-26 13:19:14 | 遊漁船業者
 ベトナムの中部<クアンビン省>に流れる川の岸の近くで25日の朝、定員を大幅に超える乗客を乗せた<渡し船>が少なくとも39人が死亡したという共同通信社の外電が時日本に送られいてきました。
他に2人が行方不明とのことですが、事故当時は同じ船に定員12人のところ、77人が乗船していたといいます。
 どうして、こんなことになったのでしょうか?この川の川幅は広く、イカダのような<渡し船>が何台も利用され多くの人達が<渡し船>を利用しています。
事故を起こした<渡し船>は、岸に近づいた際にバランスを崩し、船内に水が入ってきたのではないかとみられ、死亡したのは女性や子供が大半だったといいます。
77人のうち、36人は救助されたといいますから、引き算から見て39人の死亡ということになりますが、外電ですからはっきりとしたことは判りません。


 一般的に、後悔している船には強い風やウネリ、三角波が襲ってくるときがあります。どうして、船は転覆しないのでしょうか?
それは、船に【復元力】というのが働き、船が傾いた時元に戻ろうとする力が働くからです。
皆さんも教室で学習したことがあると思いますが、水の浮かんでいるものには<重力>と<浮力>の二つが働いていることはご存知の通りです。
このうち<重力>は、船の重量の大きさで、鉛直下向き方向に作用し、<重心>は船体内の決まった位置でよほどのことがない限り移動することはありません。
<浮力>は、船の排除した水の重量とおなじように、鉛直上向き方向に作用し、浮心は水面下の船体の体積の中心で、船の傾き具合によって常に動きます。
 つまり、船はこの<重力>と<浮力>の作用を利用して、傾いた時に<浮心>が動いて傾きを戻そうとする【復元力】が常に生じるように、重心の位置と船底の形状を十分考えて造られているのです。
よって、大きな波が襲ってきても、余程のことがない限り船は転覆することはありません。

 今回のベトナムの<渡し船>の事故は、定員12人という<重力>があった時に<浮力>が出るようになっていたのに定員加重によってバランスを崩したのでしょう。余程のことがあったのです。
遊漁船の決められた乗船定員は絶対に厳守いたしましょう。



<ポートワインダー>をご存じですか?

2009-01-25 11:09:04 | 遊漁船業者
 遊漁船を浄化する際の手際の悪さから、土台に設置した途端に真中からポッキリと折れて大変なことになったことがあります。
造船所で<保険>を担保していなかったので大損をくらった船長がいらっしゃいました。
そこで、今日は長崎県佐世保市の造船所が開発した電動式船体転倒防止装置【ポートワインダー】を紹介します。
構造面は、上記に掲載した写真の通りですが、この台車の長所は以下の通りです。
①誰にでも使える簡単な操作及び作業の安全性
②作業員の削減及び作業時間の短縮
③盤木及び砂袋等の試合の削減
④船体の誘導並びに位置決めの自動化
⑤既存の台車へ取り付け可能
と、なっています。
 これまでの上架方法は、船舶の建造・修繕を目的とした<船体の上架作業>は、船体形状にあわせ、盤木及び砂袋を組み換え、ロープ張り操作で船体の位置を確認しながら上架していました。
現在のところ、各種船舶の船体形状は、多種多様であり熟練者でも<船体の横転事故>や<人的損害>が一向に減りません。
 本日紹介した【ポートワインダー】は、開発した造船所自体が建造・修理・検査等の工事に伴う<船体の上架作業>を頻繁に行うことから【作業の安全性の確保】から生まれたものです。
その結果この造船所は、作業時間の短縮とそれによる経費の縮小で4分の1も削減することに成功したそうです。
 この【ポートワインダー】は特許がとってあるそうで、他人が真似をすることはできません。
関心がある方は、本ブログのコメント欄にご記入ください。ご紹介します。

海難事故の捜査は、どこまでやるの?

2009-01-24 09:29:10 | 遊漁船業者
 このブログで何回も掲載している昨年6月の千葉県犬吠崎沖の巻き網漁船(135㌧)が転覆沈没した海難事故で、事故原因の究明を求めて行方不明になった家族が『事故原因を知りたい。』との理由から【潜水調査】の実施を強く求めています。
 18日で掲載しましたが、<要望書>の提出を関係各所に行ったようです。
一般的に、船舶の転覆沈没は自然現象による場合・操縦の過失・他物との接触に分別されますが、前者の二点が考えられられないとすれば、後者の一点でもという観念にとらわれるのは人情です。
 ところが、今回の沈没位置が水深6000メートルという深海で、船体を確認する技術は民間には無く、現在では海洋研究開発機構の<深海調査船>を援用するほかない状態といいます。
果たして、行政庁の【民事不介入の原則】からいって、費用面との見計らいから実現の見通しは不明ですが、過去の海難事故の類例から見てどのような措置を講じられるのか気になるところです。

イージス艦<あたご>へ【勧告】を裁決

2009-01-23 08:41:01 | 遊漁船業者
 海上自衛隊のイージス艦<あたご>と漁船<清徳丸>の千葉県野島崎沖での衝突沈没海難事故で、横浜海難審判庁は昨日【勧告】の裁決を下しました。
事故の発生は、昨年2月19日午前4時ごろのこと、採決まで一年余りで5回の審理を経ての裁決でした。
 事故の原因と採決の内容については、今朝の新聞各紙で報道していますので、このブログでは異なった観点から検証してみたいと思います。
まず、<海難審判>とは陸上の交通事故の処分と同じように【行政処分】なのですが、陸上の処分は県の公安委員会が行い、免許停止等の処分を行います。
海難事故では海難審判庁が行いますが(昨年の9月末までの事故)、ここでは、海難審判庁法という法規が適用されます。
 この法規の第五条には【懲戒】というのがあり、
①免許の取り消し
②業務の停止
③戒告
の三つの懲戒を行うことになっています。この軽重は、海難事故の所為の軽重に従って処分されることになります。

 今回行われた【勧告】という処分は別に定めてあり後述しますが、読んで字の如く<勧め説くこと>ですから、『今後事故を起こさないように説き伏せ、その改善状況を観察(?)する。』ということになりますか?
次に、同法第62条には
<①審判長は、勧告する旨の裁決があったときは、勧告書を作成して、これを理事官に交付しなければならない。>
<②理事官は、前項の勧告書を裁決書の謄本とともに勧告を受くべき者の送付しなければならない。>
<③理事官は、国土交通省令の定めるところにより、勧告する旨の裁決の内容を公示しなければならない。>
と定め、弟3条には、
<勧告を受けた者は、その勧告を尊重し、努めてその趣旨に従い必要な措置を執らなければならない。>

 このような海難審判庁からの【裁決】がでたら、事務手続きとして<省令>に、
第75条で<理事官は、勧告書の全文又はその趣旨を官報及び高等海難審判庁長官の指定する新聞紙に掲載してこれを公示しなければならない。>
第76条で<理事官は、勧告書の写しを必要と認めるものに送付する。>
第77条で<①勧告を受けた指定海難関係人は、採決言い渡しの日から一ヶ月以内に理事官に弁明書を差し出すことができる。>
②理事官は、裁決確定の後、前項の指定海難関係人の請求があった時は、その弁明書を公示しなければならない。但し、その費用は、請求人の負担とする。>
③前項の公示については、第75条の規定を準用する。
第78条で<国土交通大臣は、理事官をして勧告を受けた者が如何なる措置を執ったかを調べさせることができる。>

 以上、前記したように一旦海難事故が発生すると多くの手間暇がかかり、多くの財産が散財することになります。
海難事故を未然に防ぐ物理的、心理的予防の作業を日頃から訓練しておきたいものです。



海上保安庁が海域監視機能を強化します。

2009-01-22 08:42:31 | 遊漁船業者
 海上保安庁は、船舶交通が混雑する東京湾や伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海、関門海峡などで海難事故が相次ぐため、<海上交通センター>に航行する船舶へ【勧告】する権限を強化するための海上交通安全法の改正案をまとま、現在開会されている国会に提出し成立を目指すといいます。
 これらの海域は年間2600隻程度が被害に遭遇する海難事故のうち20海里未満の海峡で、100㌧以上の船舶の座礁や衝突事故は2006年で448隻、損害額で1820億円を超えました。
 昨年もイージス艦ト漁船の衝突事故のほか明石海峡でも貨物船が沈没しており海上保安庁では法の整備を急ぎ安全対策を検討することになりました。