Yoga ~precious moment~

″いま、ここ″ を大切に

バンダ♪

2022-12-14 17:59:00 | yoga
今日は、先日クラスでお話ししたバンダ(bandha)についてもう少し詳しく書こうと思います。


まず、バンダとは何か?ということですが、「締めつけ」とか「弁」という意味のサンスクリット語です。
向井田みお先生は、ヨガの教典:『ゴーラクシャシャタカ』の解説本の中で、バンダをこう定義しています、「ハタヨーガには"ムドラー"と呼ばれる、体の特定の場所を締め付け、体内の圧力を変えることで、内臓の圧力を変え、神経の流れを操作するテクニックがあります。(中略)特に、呼吸法をする時に使われる印(ムドラー)はバンダと呼ばれます」と、粗大な体への働きかけから説明しています。
微細な体に対する働きかけから説明するならば、「体内の風を制御する方法」とでも言うのでしょうか。体内には5つの風が吹いているとされています。呼吸や神経の伝達を司り心臓から上に上がろうとする風・プラーナ(宇宙に満ちている生命力を意味するプラーナとはまた別です)、声を出す、魂が抜ける時に吹く風・ウダーナ、消化して同化させる風・サマーナ、循環させる風・ヴィアーナ、そして排泄など下へ向かう風・アパーナです。バンダによってこれらの風を制御していくのです。


今回、ご紹介したバンダは4つ。

〈ジフヴァー(舌)バンダ〉
舌を上顎に付けておきます。奥歯は軽く離し噛み締めないようにします。首が安定し、地に足がつき背筋が伸びやすくなるので、意識がある間は常に行っておきます。スシュムナー※を真っ直ぐにし、通りやすくする役割があると思われます。また、舌が落ちたままでいると舌裏に静脈瘤ができる可能性もあるそうです。

〈ジャーランダラ(網持ち)バンダ〉
元々は、額の奥から喉を通って滴り落ちているアムリタ(甘露)を保持する役割からこう呼ばれているのではないかと思われます。
顎を引き喉を締めて呼吸を止め、プラーナをカンダ(臍下丹田にある鳥の卵の形をした空間。体内に張り巡らされたエネルギーの通り道の起点)へと下ろします。

〈ムーラ(根)バンダ〉
骨盤底筋群を収縮させて、アパーナをカンダへと上げます。

〈ウディヤナ(飛翔)バンダ〉
おへそを後ろへ引く。カンダに圧を加えることで上下から集まった体内エネルギーは大鳥となってスシュムナー※を飛翔する。("卵から大鳥が孵って飛翔する"マジ、このゴーラクシャの表現、絶妙じゃないですか!?)

※スシュムナーとは、体中に張り巡らされたエネルギーの通り道(ナーディ)の中でもカンダから背骨に沿って頭頂へと抜ける中央脈管であり、死ぬ時に魂がこのスシュムナーから頭頂へと抜けた者は天国へ行くとされています。
ただ、私たちのナーディはもつれ、汚れて詰まっています。それを浄化する為にプラーナヤーマ(呼吸法)があるのです。


冬のクラスでは、これらのバンダを取り入れた、アンタールクンバカやスーリヤベーダナというプラーナヤーマを行なっていきます。