弁護士法人四谷麹町法律事務所のブログ

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債務の本旨に従った労務提供ができるかどうかは,どの業務について検討すればいいのですか。

2014-08-06 | 日記

債務の本旨に従った労務提供ができるかどうかは,どの業務について検討すればいいのですか。

 職種や業務内容を特定して労働契約が締結された場合は,債務の本旨に従った労務提供ができるかどうかは,当該職種等について検討します。
 職種や業務内容を特定せずに労働契約が締結されている場合も,基本的には現に就業を命じた業務について債務の本旨に従った労務提供ができるかどうかを判断することになりますが,現に就業を命じた業務について労務の提供が十分にできないとしても,当該社員が配置される現実的可能性があると認められる他の業務について労務の提供ができ,かつ,本人がその労務の提供を申し出ているのであれば,債務の本旨に従った履行の提供があると評価されるため(片山組事件最高裁平成10年4月9日第一小法廷判決),当該社員が配置される現実的可能性があると認められる他の業務について本人が労務の提供を申し出ているのであれば,当該業務についても債務の本旨に従った労務の提供ができるかどうかを検討する必要があります。


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精神疾患の発症が強く疑われる社員が出社してきたものの,債務の本旨に従った労務提供ができない場合

2014-08-06 | 日記

精神疾患の発症が強く疑われる社員が出社してきたものの,債務の本旨に従った労務提供ができない場合は,どのように対応すればいいでしょうか。

 精神疾患 の発症が強く疑われる社員が出社してきたものの,債務の本旨に従った労務提供ができない場合は,就労を拒絶して帰宅させ,欠勤扱いにするのが原則です。


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精神疾患の発症が強く疑われるが精神疾患の発症を否定する社員に対しても,何らかの配慮が必要ですか。

2014-08-06 | 日記

精神疾患の発症が強く疑われるにもかかわらず精神疾患の発症を否定する社員に対しても,何らかの配慮が必要ですか。

 精神疾患 の発症が強く疑われるにもかかわらず社員本人が精神疾患の発症を否定して就労を希望した場合,漫然と就労を認めてはいけません。就労を認めた結果,精神疾患の症状が悪化した場合,安全配慮義務違反を問われて損害賠償義務を負うことになりかねません。


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私傷病に関する休職制度は,必ず設ける必要がありますか?

2014-08-06 | 日記

私傷病に関する休職制度は,必ず設ける必要がありますか?

 私傷病に関する休職制度は普通解雇 を猶予する趣旨の制度であり,必ずしも就業規則に規定しなければならない制度ではありません。休職制度を設けずに,精神疾患 を発症して働けなくなった社員にはいったん退職してもらい,精神疾患が治癒して債務の本旨に従った労務提供ができるようになったら再就職を認めるといった制度設計も考えられます。


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精神疾患を発症した社員が長期間にわたって所定労働時間の勤務さえできない場合

2014-08-06 | 日記

精神疾患を発症した社員が長期間にわたって所定労働時間の勤務さえできない場合は,どのように対応すればいいですか?

 長期間にわたって所定労働時間の勤務さえできない場合は,原則として,私傷病に関する休職制度がある場合は休職を検討し,私傷病に関する休職制度がない場合は普通解雇 を検討することになります。


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精神疾患が通常業務であれば行える程度の症状である場合は,どのように対応すればいいですか?

2014-08-06 | 日記

精神疾患を発症したものの,所定労働時間内の通常業務であれば問題なく行える程度の症状である場合は,どのように対応すればいいですか?

 所定労働時間内の通常業務であれば問題なく行える程度の症状である場合は,時間外労働や出張等,負担の重い業務を免除する等して対処します。


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精神疾患発症が疑われる社員本人からの申告がなくても,何らかの配慮が必要ですか。

2014-08-06 | 日記

精神疾患発症が疑われる社員本人からの申告がなくても,何らかの配慮が必要ですか。

 使用者は,必ずしも社員からの申告がなくても,その健康に関わる労働環境等に十分な注意を払うべき安全配慮義務を負っていますので,社員にとって過重な業務が続く中でその体調の悪化が看取される場合には,メンタルヘルスに関する情報については社員本人からの積極的な申告が期待し難いことを前提とした上で,必要に応じてその業務を軽減するなど社員の心身の健康への配慮に努める必要があります(東芝(うつ病・解雇)事件最高裁平成26年3月24日第二小法廷判決参照)。


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精神疾患発症が疑われる社員がいる場合,どのように対応すればよろしいでしょうか。

2014-08-06 | 日記

遅刻や欠勤が急に増えたり,集中力や判断力が低下して単純ミスが増えたりするなど,精神疾患発症が疑われる社員がいる場合,どのように対応すればよろしいでしょうか。

 使用者は,社員の健康に対して安全配慮義務を負っていますので(労契法5条),遅刻や欠勤が急に増えたり,集中力や判断力が低下して単純ミスが増えたりするなど,精神疾患 発症が疑われる社員については,上司から具体的問題点を指摘した上で,医療機関での受診や産業医への面談を勧めるなどする必要があります。


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