いーちんたん

北京ときどき歴史随筆

マンジュの森ーーヌルハチの家族の物語51、タイシャンを太子に

2019年03月04日 18時49分31秒 | マンジュの森 --ヌルハチの家族の物語
チュインの廃嫡後は、次に年長の同母弟タイシャン(代善)が、太子に立てられた。

タイシャンは生まれも嫡夫人である一人目の大福金を生母に持ち、
そして何よりも戦いで勇猛果敢、人々を納得させるだけの素質は十分にあった。

何度も登場する戦いだが、ウラ部から帰順するという五百戸を出迎えに行き、
ウラ部の酋長プジャンタイに阻止された時の戦いでは、
チュインとタイシャンが主力になり、戦いを勝利に導いた。

この戦功を称え、ヌルハチはタイシャンに「グエン・バトゥール(古英巴図魯)」の称号を与えた。
グエンは満州語で刀の柄にかぶせてある鉄カバーを指し、バトゥールは英明かつ勇敢の意である。
鉄の如く硬く勇敢なり、と。

この称号は清朝一代でタイシャンのみにつけられた称号であり、ヌルハチの寵愛のほどが知れる。


明の万暦四十一年(一六一三)、ヌルハチは三万の兵を率い、ウラを攻撃し、
ウラ部の酋長プジャンタイがこれを三万の兵力で迎え撃った。

諸ベイレ、大臣らは積極的に攻撃をかけようとするが、
ヌルハチは血気逸る皆を戒めた。

ウラは吾らと同等の大国なり、巨大な樹の如き相手をいきなり打ち倒せるものではない、
少しずつ枝を切り落としてように各城・塞を取っていくしかない、と説得した。


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遼寧省の撫順市新賓満族自治県永陵鎮

ホトアラ城




前述のとおり、ホトアラ城は、ヌルハチが先祖代々暮らしてきた土地に建てられた。
ここでは、その跡地にタクシの家を再現している。

つまりはヌルハチの生家である。


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