いーちんたん

北京ときどき歴史随筆

『紫禁城の月』と陳廷敬6、時代背景の理解に

2016年09月06日 07時58分39秒 | 『紫禁城の月』と陳廷敬
『紫禁城の月 --大清相国 清の宰相 陳廷敬』にまつわる連載が続いていますが、
本書の理解の参考になるのではないか、と思われる本ブログの過去記事を紹介したいと思いますー。


1、河北・定州2、貢院
 
 本書では、科挙受験の描写が詳しく登場しますが、
 地方の貢院がそのまま保存されている貴重な場所です。

 本書の本体の表紙に採用された貢院の写真もここで撮影しましたー。

 本書の中でもたびたび登場する「考藍」(受験生が試験場に持ち込む食糧や文物四宝を入れる竹籠)、
 カンニング・チョッキ(!!)、当時の受験生の実際の試験答案、答案を学政が採点した後の様子、
 史書の中の科挙合格者のページ(ずらりと見事に浙江、江南、江西の長江デルタ地帯の出身者が上位を占める!)
 などの実物があります。

 本書に出てくる科挙受験シーンを読む時、その光景を想像するための一助になれば、と思いますー。


2、清代、轎(かご)のお話

 これはこのシリーズ全体を読んでいただきたいですねー。
 本書を訳している途中、轎の話がよく登場するので、それを踏まえて調べ始めたものなので。

 特に「1、正陽門前の大渋滞」は、陳廷敬が毎日、出仕する時の様子を連想できるものかと思います。
 実際に引用している王士禎は、陳廷敬と完全に同時代の人。

 陳廷敬と詩才を争ったといわれる人物です。
 同じ漢族の科挙出身の進士キャリア組でもありますし。

 つまり、出勤の風景は、よく似たようなものだったと思われます。

  
3、清の西陵2、西陵と雍正帝の兄弟争い、康熙帝の皇子らのそれぞれの末路

 本書の後半に出てくる康熙帝の太子と康熙帝の微妙な関係・・・。
 康熙帝の皇子らによるガチンコの後継者争いを踏まえた内容ですな・・・。

 その30人近くいた康熙帝の息子たちは、最終的にどうなったのか・・・・。
 その気になるところを一挙にまとめてみましたー。


4、和[王申]少年物語

 まだ連載途中ですが、和[王申]の生い立ちの時代背景を探るシリーズ。
 和[王申]は、本書よりやや時代の下った、乾隆帝(康熙帝の孫)の時代の人ですが、
 それでも清朝という時代の理解には、いくらかは役に立つのではないか、と思われます。

 満州族の中堅世襲家系の若者、満州族の通婚関係など。。。





『紫禁城の月 --大清相国 清の宰相 陳廷敬』  上下巻 メディア総合研究所








山西晋城・皇城相府。陳廷敬の生家。