いーちんたん

北京ときどき歴史随筆

西安回民街1、緑豆の涼粉炒め、河魚の丸揚げ

2011年09月01日 12時32分11秒 | 陕西省西安・佳県などへの旅

2月末にアメブロが中国で見れなくなって2ヶ月余り。
仕事が急に忙しくなったこともあり、ずっと放置していました。
今回、日本に帰省し、時間的に余裕ができたところで、
やっとこうして整理しております。

本日より2月に行った西安ときょう西省の旅シリーズです。
(漢字が文字化けしてしまう。きょう西の「きょう」は、こざとへん+夾み)

アメブロですでに発表していた胡同物語のトイレ編については、
やや思考が乱れ気味でまだまとまっていないという気がしているため、
もう少し時間をかけて整理します。

その間に写真中心の旅日記です。

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西安の回民街に行った。


回民街は通りの固有名詞ではなく、鼓楼の西北一帯の界隈を指すのだという。
具体的な通りの名前でいけば、北院門、化覚巷、西羊市、大皮院の4通りの周辺。

  


この界隈は隋・唐時代は皇城エリアになり、庶民の住める場所ではなかったが、
北宋時代に入ってから次第に回教徒のコミュニティーが形成されるようになったという。

現在、この界隈で暮らす回教徒は6万人。狭いエリアに10個もの清真寺(モスク)がひしめき合う。

車行き交う西大街からまずは北広済街に入った。まず目に飛び込んできたのは、清真寺。

   


   

まさに中国とイスラムの折衷。典型的な中国風の[石+専(Zhuan)]刻の壁にアラビア文字が書かれている。
ほかの清真寺では、あまり見かけないスタイル。


   

賑やかな繁華街の中にあって、入り口らしきものがわかりにくい。
かろうじて、ここだろうか、と思える門。

あとで調べると、これは回民街でも規模の大きい化覚巷清真大寺。
化覚巷はやや北に行ったところにある狭い路地なので、北側に入り口があったのだろう。

ここから先に続く食べ物屋さんのオンパレードに夢中になり、入り口を見つけ損ねて通り過ぎてしまった。
残念・・・。

次に西安を訪れた時の楽しみに取っておくと考えて自らを慰めるよりほかなし。


   

その清真寺の前に陣取るお菓子屋さん。


   

ドライフルーツの量り売り。
ナツメ、アンズ、緑のは最近出回るようになったキウウィのドライフルーツ。

キウウィはニュージーランドなどの自国より物価の高い国からの輸入品となるため、中国では高級フルーツ。
それをドライフルーツにしたものもナツメやアンズよりはかなり高い。

でもあざやかな緑は、テーブルの並べたときにアクセントとなっていいところが受けている気がする。
漢族の家でもムスリムの家でも家に招待されると、
まずはこのドライフルーツ、味付け種のオードブルが色とりどりに出され、もてなしを受ける。

自宅で客を迎えるには欠かせないアイテム。


   

西安とその周辺の名物の緑豆のお菓子。
ぽそぽそとした食感が私は思いっきり苦手ですが、よくお土産にもらいます。





   

緑豆のでんぷんで固めた「涼粉」の炒め物。


   

お椀をひっくり返した盛りつけが個性的。


   

巨大な釜が目を引く軒先。
足元に無造作に転がる石炭。

北京ではオリンピックに向けて2007年ごろから市内で石炭の使用は禁止されたため、
市街地で石炭を見かけることはめったにない。そ

ういう意味では同じ国とはいえ、すでに外国に来たがごとき、風俗の差がある。


   

結局、上がってくる蒸気がすさまじく、中身を撮影することに失敗。
中で煮ていたのは麺。

 
  

スカーフをかぶり、労働にいそしむ回族の女性たち


   

「安家の蒸碗の店」の看板。
ムスリムの姓は馬、安、丁、康など聞けばすぐにわかるものが多い。

「安」姓といえば、唐代の「安禄山の乱」の安禄山も「胡人」。
ムスリムとは伝わらないが、一説には「アレキサンドル」の中国語音訳ではないかという説もあると、
うろ覚えながら宮崎市定の本に載っていた。

何はともあれ、西から来た人の姓なのだろう。

「蒸碗」は、すでに出来上がった料理をせいろの中に入れて保温状態にしておくことらしい。
炒め物が中心の中国で、この方法が使われるのは、
冠婚葬祭、春節・祭日などで一度に大量の来客をさばかなければならない時、
事前に料理を作っておき、いっぺんに暖かく出したい時くらいだ。

どうやらこの「蒸碗」は、西安「小喫(軽食)」の名物らしいのだが、
正月や冠婚葬祭の手法がどうして西安だけで日常的に屋台料理になっているのか、ネットで調べたが、よくわからなかった。



回民街の通りは、正面から見ると一見、何気ない普通の通り。

   


しかしよく見ると、道行く人は白い帽子をかぶった回民の人が目立つ。

   


左に見えてきたのは、河魚の丸揚げを売るお店。
そういえば、新彊ではバーベキュー風の大きな魚を食べたのを思い出した。
あんかけを主流とする中華料理とは、あきらかに違う系統。

   


   


   


   


さらに進むと、西安では返って少数派になるウィグル族スタイルの食堂。
「カシュガル美食レストラン」の看板。

   


シシカバブのグリル台。
北京ではみかけたことがないようなデザイン性の高いおしゃれな、イスラム色の強いものだ。

 


私は手抓飯(ショウジュワーファンshouzhuafan)には眼がない。
にんじんと羊肉を一緒に煮込んだピラフ。

どうやら作り方が難しいらしく、北京ではかなり本格的な新彊レストランにいかないと、
名前は手抓飯とはいっても実は羊とにんじんのチャーハンでしかないことが多い。
大鍋で煮込んだものは、やはり味が違う。

   


上に羊肉の塊を乗せるのが、ポイント。
でも肉なしというチョイスもある。

値段が格段に安くなる。

ウィグル族の間では、祝い事には必ず砂漠の地面に穴を掘り、釜を作り、巨大な鍋を据えて作り、客人に振る舞う。
客人の重要度で上に乗る肉の数が変わる。

地元の役所のおえらいさんが来れば2-3個大きな塊が乗せられるし、
ただの近所さんであれば、1つも乗らないただのピラフだけとなる。

   


食べたいのは山々だったが、すでに100mも歩かないうちにあれこれと味見しつつ、
買い食いしつつのろのろ進んできたので、さすがに入らない。泣く泣くあきらめた。

   





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