落ち穂拾い<キリスト教の説教と講釈>

刈り入れをする人たちの後について麦束の間で落ち穂を拾い集めさせてください。(ルツ記2章7節)

黙示録22:17

2004-12-31 16:40:09 | パン屑
命の水が欲しいものは者は、価なしに飲むがいい。(黙示録22:17) 現在、日本が国際的に貢献している一つがイラクにおいて水を供給していることであろう。これは決して小さなことではない。このために日本が支払っている金は莫大である。おそらく、イラクの人々は世界中で最も高価な水を飲んでいることになる。しかし、このことによる国際的経済効果はほとんどゼロに近い。資本の環流ということもなければ、波及効果も殆ど . . . 本文を読む

フィリピ書4:4

2004-12-30 16:57:11 | パン屑
汝ら常に主にありて喜べ。 喜びというものは命令されたからとて喜べるものではない。むしろ、本当にうれしいときには、その喜びを隠す方が難しい。この文脈において「主にありて」という言葉は一体どういう働き、意味を持っているのだろうか。 先日、地震のために生き埋めにされた母子が10日ぶりに救出されたという記事があった。飢えと寒さ、孤独と不安の中で、母親は子どもに美味しかった食べ物や楽しかった出来事を語りか . . . 本文を読む

元旦礼拝説教

2004-12-29 10:36:08 | 説教
2005年 元旦礼拝 (2005.1.1)  空の鳥  マタイ6:27 1. ノア物語において 酉年の元旦にちなみ、聖書における「鳥」を学びたいと思う。聖書を初めから読んでいって、まず最初に現れる印象的な鳥はノア物語におけるカラスと鳩である。神はノアに洪水を予告する。それは神が創造した世界に罪がはびこり、神は地の全面を水で洗い直し、世界と歴史とを新しく創り直そうと思われたからである。水は世界の全面 . . . 本文を読む

降誕後第2主日説教 叫べ

2004-12-29 10:26:53 | 説教
2005年 降誕後第2主日 (2005.1.2)  叫べ  エレミヤ31:7-14 1. チョー気持ちいい 昨年度の流行語大賞にアテネオリンピックの平泳ぎで2冠に輝いた北島康介選手の「チョー気持ちいい」という言葉が選ばれた。わたしもあの場面を見ていたが、北島選手の率直な喜びがこちらにも伝わり、非常に好感を持った。日本人が国際舞台で、とくに勝負事において、こんなに率直に喜びを表現したことは珍しい。そ . . . 本文を読む

降誕後第1主日

2004-12-24 08:05:28 | 説教
2004年 降誕後第1主日 (2004.12.26)  輝く冠  イザヤ61:10-62:3 1. 神にとって「わたし」とは何か わたしにとって主イエスとは何か、という質問に対して、主イエスとは「インマヌエル(共におられる神)」である、と答えることができる。(降臨節第4主日説教参照)同じように、わたしにとって「神とは何か」ということについて、人間は考えることができる。たとえば、わたしの創造主である . . . 本文を読む

降誕日説教 美しい足

2004-12-20 07:17:10 | 説教
2004年 降誕日 (2004.12.25)  美しい足  イザヤ52:7-10 1. クリスマスの行事 クリスマスの季節を迎えると様々な行事がある。一つは昨日持たれたキャンドルサービスである。なぜ、クリスマスの前夜にキャンドルサービスが行われるのか。専門家はいろいろと起源や歴史を説明するであろうが、わたしは一口で言って、クリスマス前夜のキャンドルサービスは「待ちきれない礼拝」である、と思う。 そ . . . 本文を読む

降誕日前夜説教 ベツレヘムの星

2004-12-19 15:51:57 | 説教
2004年 降誕日前夜 (2004.12.24)  ベツレヘムの星  マタイ2:10 1. アガサ・クリスティ ヨーロッパやアメリカなどキリスト教国といわれる国々では、クリスマスのシーズンになると、大人も子どもも、それぞれの家庭や教会などで、クリスマスの歌(キャロル)を歌ったり、クリスマスの話をしたり、聞いたりする習慣があります。クリスマスの話と言っても、大体同じ話の繰り返しなので当然、だんだん飽 . . . 本文を読む

降臨節第4主日説教 インマヌエル

2004-12-13 07:19:45 | 説教
2004年 降臨節第4主日 (2004.12.19)  インマヌエル  イザヤ7:10-17 1. 処女降誕について 本日のイザヤの預言はいわゆる「処女降誕」の預言として有名である。ここで言われている「おとめ」(14節)いう表現が処女を意味するのか、そうではないのかということについては、古来よりいろいろな解釈があり、正しい答えはない、というのが最も正しい答えであろう。あの有名なマルチン・ルターは、 . . . 本文を読む

ヨハネ第1書4:7

2004-12-08 19:07:24 | パン屑
愛する者よ、我ら互いに相愛すべし。愛は神より出ず。 「汝ら」で始まる命令文ではない。「我ら」である。従って、これは命令文であるというよりも呼びかけの言葉である。新約聖書において「愛」を意味する言葉がいくつかあり、特にアガペーという言葉とエロースという言葉を区別して、神の愛と人間の愛とを対比する「知ったかぶり」をする人がいる。ヨハネはわたしたち相互の人間的な愛も神から出ていることを強調している。(2 . . . 本文を読む

コリント前書10:13

2004-12-07 21:18:14 | パン屑
神は真実なれば、汝らを耐え忍ぶこと能わざるほどの試練に遭わせ給わず。 試験の季節である。入学を目前にしている受験生たちにとってはクリスマスも正月もない、と思われる。ヒョッとするとヤキモキしているのは親たちだけで、本人はそれ程深刻でないのかも知れないが。 学校における試験というものは受ける人のレベルに合わせて、それよりほんの少しだけ難しい問題が出題されるものである。実社会における試練というものはそん . . . 本文を読む

ロマ書13:8

2004-12-07 10:51:58 | パン屑
汝ら互いに愛を負うのほか、何をも人に負うな。 貸し借りは愛だけにしておけ。金銭を貸した人は、たとえ借りた人が忘れても決して忘れない。愛は貸すことはできないが、借りることはできる。愛は貸した瞬間に忘れるものである。なぜなら、愛は与えるものであって貸すものではない。(2004.11.28) . . . 本文を読む

マタイ伝21:3

2004-12-07 10:47:57 | パン屑
主の用なり。 短い、実に短い。この短い言葉が一人の人間の人生を決定する。この言葉を分析すると、「主はあなたを必要とされている」という意味である。ここで重要なことは「あなた」である。誰とも交換できない「あなた」を主は必要とされている。 むかし、「赤紙」というものがあった。国家が個人に向かって発行する公文書である。これを受け取ると、すべての個人的・家庭的事情や思想・感情は否定され、従わざるを得なかった . . . 本文を読む

コリント後書12:9

2004-12-07 10:36:34 | パン屑
わが恩恵なんじに足れり。 この言葉は信仰の父アブラハムの、あるいは偉大な指導者モーセの、さらには苦難を乗り越えたヨブの言葉でさえもない。過去のどの聖人の言葉の引用でもない。だからこそ、神が今わたしに語られた言葉であるとしか言いようがない。しかも、3回も同じ祈りを繰り返したにもかかわらず、その祈りは聞き入れられず、その代わりに語られた言葉である。語られたと言うより、わたし自身の中から産み出された言葉 . . . 本文を読む

降臨節第3主日説教 歓迎

2004-12-06 19:47:59 | 説教
2004年 降臨節第3主日 (2004.12.12)  歓迎  イザヤ35:1-10 1. まず始めに まず始めに、本日の特祷から考えたい。祈りの中心部は「わたしたちは罪に妨げられて、苦しんでいますので、豊かな恵みをもって速やかに助け、お救いください」となっている。この祈りを単純に理解すると、わたしたちの苦労の原因は罪にある、言い換えるとわたしたち自身が悪いことをしたので苦しんでいるのだというこ . . . 本文を読む

降臨節第2主日説教 平和への新芽

2004-12-05 21:46:34 | 説教
2004年 降臨節第2主日 (2004.12.5)  平和への新芽  イザヤ11:1-10 1. クリスマスの聖歌 第19番 「エサイの根より」 エサイの根よりおいいでたる、くすしき花はさめそめけり。 わが主イエスの生まれたまいし、このよき日よ。 イザヤの告げし救い主は、今日母より生まれましぬ。 主の誓いの今しもなれる、このよき日よ。 たえに尊きイエスの御名の、香りは遠く、世にあまねし。 いざや、 . . . 本文を読む