落ち穂拾い<キリスト教の説教と講釈>

刈り入れをする人たちの後について麦束の間で落ち穂を拾い集めさせてください。(ルツ記2章7節)

小説風再話「ルツ物語」(2)

2007-10-12 21:20:24 | 説教
<承前>        婚約 それから半年も過ぎた頃のことでしょうか。ある日のことナオミはルツに真剣な顔をして話しかけてきた。 「ルツさん、今日はね、これからのわたしたちの生活のことを相談したいの。いろいろ、考えたのだけど。このままでは二人とも何か中途半端で将来が見えてこないと思うの。それでね。そのことで、わたしにいい考えがあるの。聞いてくれる」 「マンマ  . . . 本文を読む

小説風再話「ルツ物語」(1)

2007-10-12 21:15:35 | 説教
小説風再話「ルツ物語」 前書き 旧約聖書のルツ記は本来文学作品として書かれた。ところが、聖書の中に組み込まれたために、あたかも「歴史書」であるかのように、さらには聖書の一部として聖典風の読み方をされるのが通常である。それはルツ記にとって不幸なことである。それで、今回思い切って、現代風の小説の文体に書き改めた。内容的にはできるだけ忠実に原文に従ったが、時代背景や、物語の背景の設定には、工夫を凝らした . . . 本文を読む

<講釈>民族差別

2007-10-11 15:39:20 | 講釈
2007年 聖霊降臨後第20主日(特定23) 2007.10.14 <講釈>民族差別   ルツ記(1:1-7a)、7b-19a 1. 聖書の読み方 ルツ記について論じる前に一言。わたしたち、特にキリスト者が聖書を読む場合、一つの書を始から終わりまで「一つの書」として通読することは稀である。たいていの場合、聖書日課などに従って、選び出された聖書の個所を読むのが普通である。毎日聖書を読む . . . 本文を読む

聖霊降臨後第19主日説教 信仰によって生きる

2007-10-03 21:07:36 | 説教
2007年 聖霊降臨後第19主日(特定22) 2007.10.7  延岡聖ステパノ教会 信仰によって生きる   ハバクク書1:1-6、12-13,2:1-4 1. 預言者ハバクク 預言者ハバククについては、ハバクク書の内容からエルサレムの神殿に所属する職業預言者であったであろうと推測される。彼が生きた時代は、バビロニア帝国が興り、それまで地中海世界を席巻していたアッシリア帝国を破り、破 . . . 本文を読む

<講釈>信仰によって生きる

2007-10-02 21:30:18 | 講釈
2007年 聖霊降臨後第19主日(特定22) 2007.10.7 <講釈>信仰によって生きる   ハバクク書1:1-6、12-13,2:1-4 1. 預言者ハバククと預言者エレミヤ 預言者ハバククについては、ハバクク書の内容から彼がエレミヤと同時代の預言者で、おそらくエレミヤと同じようにエルサレムの神殿に所属する職業預言者であったであろうと推測される以外に信頼すべき資料はほとんどない。 . . . 本文を読む