蛇のごとく慧く、鴿のごとく素直なれ。(マタイ伝10:17)
鳩は本当に素直な鳥なのか。そんなことが問題なのではない。蛇は賢い生き物なのか。そんなことが問題なのではない。賢くて素直なことが重要なのだ。どんなに賢くても頑固な人は賢さが災いするし、どんなに素直でも状況判断のできない馬鹿では道を過つ。しかし、素直さは賢さを倍加するし、賢さは素直さを美しくする。(2005.5.1)
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2005年 復活節第6主日 (2005.5.1)
わたしが答えよう イザヤ書41:17-20
1. 水
かつて、イザヤ・ベンダサン(山本七平訳)という正体不明の自称ユダヤ人が「日本人とユダヤ人」(山本書店,1971)という本を出し、当時大変な反響をよんだ。この本で論じられていることがどれほど学問的に正確であるか、どうかということは問題にしない。むしろ、当時の日本人の「盲点」ともいう . . . 本文を読む
その家を離れてさまよう人は、その巣を離れてさまよう鳥のごとし。(箴言27:8)
すべての鳥が鳩のように帰巣本能を持っているわけではなかろうが、多少は本能的に巣の在処を知っている。鳥が巣を離れるときは、古い巣を捨てて新しい巣を作るときである。従って、鳥が巣を離れてさまようということはほとんどない。ところが、人間は本質的にさまよう存在である。自分は本当はどこにいるべきなのか、迷っている。
アウグスチ . . . 本文を読む
2005年 復活節第5主日 (2005.4.24)
信仰の継承 申命記6:20-25
1. イスラエルにおける信仰の継承
本日の旧約聖書のテキストは、イスラエルにおける信仰の継承ということが語られている。このテーマはわたしにとっても非常に重要なテーマである。ハッキリ言うと、わたしたちの信仰というものは、「継承されるべきものとして」わたし自身にも与えられたものである。そういう観点から . . . 本文を読む
2005年 復活節第4主日 (2005.4.17)
わたしの祈りの歩み(平佐巴都子)
1. マリア平佐巴都子姉について
平佐姉は、この礼拝堂ができる少し前、平成11年(1999)4月5日(月)午前10時30分、肺癌により、牧師の祈りの中で、眠るように逝去されました。享年71歳。亡くなられる直前、3月18日、入院しておられた県立奈良病院から一時退院され、身辺整理をされました。彼女の死への . . . 本文を読む
鴉(からす)、朝にパンと肉、また夕にパンと肉を運べり。(列王記上17:6)
人間とカラスとの関係は難しい。カラスは人間に最も近い野鳥である。この近さは距離的な関係だけではなく食生活と生活空間と活動時間帯がほとんど重なっている野生動物であるという意味でもある。従って、日本人はカラスを最も忌み嫌うかと思うと、古事記によれば熊野三山では神の使いとされるなど、結構敬意を示している。人間がいかに野生(自然) . . . 本文を読む
2005年 復活節第3主日 (2005.4.10)
水の中を通るときも イザヤ書43:1-12a
1. 人生苦
ロマン・ローラン(1866-1944)という20世紀の前半に活躍したフランスの小説家がいる。彼は「ジャン・クリストファ」、「魅せられた魂」という作品を書いたが、同時に平和運動家としても知られている。何も、本日はローランのことを語ろうと思っているわけでもないが、本日は彼の次の . . . 本文を読む
すずめは窩をえ、燕子はその雛をいるる巣をえたり。(詩編84:3)
古い文語訳では文章の切り方によって隠れているが、すずめや燕が巣を作っている場所は「汝の祭壇」である。祭壇にクモの巣という組み合わせならば想像がつくが、祭壇と鳥が巣を作るという光景は想像しにくい。むしろ、神殿の軒の下という方がリアルである。
近くに天理教本部がある。本殿を囲んで沢山の宿泊施設がある。ほとんど日本全国の各県の建物があると . . . 本文を読む