2006年 聖霊降臨後第4主日（特定8） （2006.7.2）
ただ信じる マルコ5:22-24,35b-43
1. ヤイロの娘の癒し
イエスは湖のほとりにおられた。そこに、ユダヤ教の会堂長の一人でヤイロという名の人物がやってきて来て、イエスの足下にひれ伏し、「わたしの幼い娘が死にそうです。どうか、おいでになって手を置いてやってください。そうすれば、きっと娘は助かる」と言う。その頃 . . . 本文を読む
2006年 聖霊降臨後第4主日（特定8） （2006.7.2）
＜講釈＞ただ信じる マルコ5:22-24,35b-43
1. マルコにおけるサンドイッチ構造
事件や奇跡物語を語る際に、マルコはしばしば2つの伝承を組み合わせて、一方が他方をサンドイッチのようにはさむ形式で叙述をする。それを一応「マルコのサンドイッチ形式」と呼ぶ。典型的な例は3章20節以下の部分に見られる。20節～21 . . . 本文を読む
2006年 聖霊降臨後第3主日（特定7） （2006.6.25）
嵐を静める マルコ4:35-41
1. 物語のあらすじ
その日も、イエスは多くの群衆に追いかけ回され、忙しく過ごされた。イエスは群衆と共に過ごす時間はとても楽しく、決して苦痛ではなかったが、さすがに夕方になると疲れを感じたのか、「向こう岸に渡ろう」と弟子たちに言われた。向こう岸は、人も少なくゆっくりできる所である。そ . . . 本文を読む
2006年 聖霊降臨後第3主日（特定7） （2006.6.25）
＜講釈＞嵐を静める マルコ4:35-41
1. 第2奇跡集
第1奇跡集（1:21-2:12）においては、カファルナウムの会堂での癒やし（1:21-28）、シモンの姑の癒やし（1:29-34）、重い皮膚病の人の癒やし（1:40-45）、中風の人の癒やし（2:1-12）等、4つの病気の癒しという奇跡が述べられており、その . . . 本文を読む
2006年 聖霊降臨後第2主日 （2006.6.18）
からし種の譬え マルコ4:26-34
1. 「成長する種」の譬え
本日は、種についての2つの譬え話しが読まれた。話の筋は易しい。農夫が種を蒔き、「夜昼、寝起きしているうちに」、つまり単純に農夫は何もせず、ただ日数が過ぎれば、種は自ずから芽を出して成長し、豊かに実を実らせるので、それを収穫する。しかし、農夫はどうしてあの小さな種 . . . 本文を読む
2006年 聖霊降臨後第2主日 （2006.6.18）
＜講釈＞成長する種の譬え マルコ4:26-34
1. 譬えについて
マルコによる福音書における譬え論は非常に複雑である。この議論に立ち入るためにはかなり専門的な知識が必要で、マルコ福音書の著者の主張をどう捉えるのかということによって、解釈が変わってくる。ちなみに、4章10節から13節までの部分の矛盾点をどう解釈するのか。「あな . . . 本文を読む
2006年 三位一体主日 （2006.6.11）
新たに生まれる ヨハネ3:1-16
1. 「地上のこと」
本日は12節の「わたしが地上のことを話しても信じないとすれば、天上のことを話したところで、どうして信じるだろう」という言葉を中心に考えたいと思う。要するに、この部分でのイエスとニコデモとの対話がちぐはぐなのは、イエスは「地上のこと」を語っているのに、ニコデモは「天上のこと」を . . . 本文を読む
2006年 三位一体主日 （2006.6.11）
＜講釈＞新たに生まれる ヨハネ3:1-16
1. 三位一体主日について
先ずはじめに、三位一体主日のことについて述べておく。
三位一体主日というのは英国教会から始まったとされる。しかし、この日を祝日として祝う習慣はかなり古くからあり、4世紀のヒエロニムスの礼拝書では本日の福音書のテキストが用いられており、特祷は6世紀のグ . . . 本文を読む
2006年 聖霊降臨日 （2006.6.4）
聖霊経験 ヨハネ20:19-23
1. 本日のテキスト──権威の問題
本日のテキストでは、主イエスは弟子たちに息を吹きかけ、「聖霊を受けなさい」と語っておられる。つまり、この場で聖霊を授けておられる。その上で、聖霊を受けたら、どうなるということについて、ただ一つのことだけを述べている。「誰の罪でも、あなたがたが赦せば、その罪は赦される」 . . . 本文を読む