落ち穂拾い<キリスト教の説教と講釈>

刈り入れをする人たちの後について麦束の間で落ち穂を拾い集めさせてください。(ルツ記2章7節)

大斎節第1主日説教 試み

2006-02-27 20:45:01 | 説教
2006年 大斎節第1主日 (2006.3.5) 試み   マルコ1:9-13 1. 大斎第1主日は「荒野での誘惑」から学ぶ これは毎年繰り返されることであり、「荒野での誘惑」と言えば、すぐにその情景が頭に浮かぶほどである。しかし、今年は少し視点を変えて、先ず頭に浮かぶ情景を取り払って欲しい。なぜなら、マルコによる福音書にはその様な情景は述べられていないからである。ただ、マルコは主イエ . . . 本文を読む

<講釈>試み

2006-02-27 20:42:59 | 講釈
2006年 大斎節第1主日 (2006.3.5) <講釈>試み   マルコ1:9-13 1. 試み この福音書の1:12-13は、確かにマルコ福音書全体に対して一つの部分である。しかし、この部分はこれ以外の他の全体に対して異質な佇まいを示している。このテキストを無視して、読み過ごしても全体を理解する上で何の支障もない。気付かない者は気付かなくてもいい、とでも言うかのようである。まさに . . . 本文を読む

大斎節前主日 これに聞け

2006-02-20 16:25:40 | 説教
2006年 大斎節前主日 (2006.2.26) これに聞け   マルコ9:2-9 1. 変容の出来事の意味 大斎節前主日の福音書に、A年、B年、C年ともに「主イエスの変貌の出来事」が読まれる。それはいったいなぜか。8月6日「主イエス変容日」との関係はどうなっているのか。そのことの一つの答は、福音書における「主イエス変貌の出来事」が置かれている位置、つまり福音書自体はこの出来事をどうい . . . 本文を読む

<講釈>変容

2006-02-20 16:23:26 | 講釈
2006年 大斎節前主日 (2006.2.26) <講釈>変容   マルコ9:2-9 1. 変容の出来事の意味 まず始めに、簡単にあらすじを確認しておく。前の出来事の 六日の後、イエスはペトロ、ヤコブ、ヨハネの3人だけを連れて、高い山に登られた。彼ら3人より少し前を歩いておられたイエスの姿が突然変わり、服は真っ白に輝き、この世のどんなさらし職人の腕も及ばぬほど白くなった。よく見るとイエ . . . 本文を読む

顕現後第7主日説教 赦し

2006-02-14 17:40:45 | 説教
2006年 顕現後第7主日 (2006.2.19) 赦し   マルコ2:1-12 1. 病気と罪 なぜ主イエスは病気を癒してもらうために、ただそのためにだけ万難を排してやってきた中風患者に向かって「あなたの罪は赦される」という場違いなことを言ったのだろうか。その直後に「『あなたの罪は赦された』というのと、『起きて、床を担いで歩け』と言うのと、どちらが易しいか」と問いかけ、「起きて、床を . . . 本文を読む

<講釈>赦し

2006-02-14 16:27:31 | 講釈
2006年 顕現後第7主日 (2006.2.19) <講釈>赦し   マルコ2:1-12 1. マルコ2:1-12論争集 マルコによる福音書の2:1から3:6までの部分に律法学者やファリサイ派の人々とイエスとの5つの論争が集められており「論争集」と呼ばれている。マルコによる福音書にはもう一箇所(11:27-12:39)「論争集」がある。非常に興味深い点は、マルコは「イエスの教え」と . . . 本文を読む

顕現後第6主日説教 宣教とは

2006-02-10 09:13:41 | 説教
2006年 顕現後第6主日 (2006.2.12) 宣教とは   マルコ1:40-45 1. 教会の伝承 初代教会において主イエスがなされたいくつかの奇跡物語が言い伝えられていた。その中でも、特に人々の関心を引いた出来事が、本日のテキストのもとになっている事件である、と思われる。 ある重い皮膚病の人が、主イエスのもとに来て「癒してくれ」と頼んだところ、主イエスは彼に手を差し . . . 本文を読む

<講釈>宣教とは

2006-02-07 20:57:52 | 講釈
2006年 顕現後第6主日 (2006.2.12) <講釈>宣教とは   マルコ1:40-45 1. 福音書編集者の編集方法 福音書記者は決して著者ではなく、編集者である。と言っても、現代の雑誌や論文集の編集者ともかなり異なる。マルコ福音書が最初の書かれた福音書であることには現在ではほとんど異論がない。そして、マルコこそが「福音書」と呼ばれる文学類型を創作したのであり、その意味から . . . 本文を読む

顕現後第5主日説教 宣教と祈り

2006-02-02 20:37:59 | 説教
2006年 顕現後第5主日 (2006.2.5) 宣教と祈り   マルコ1:29-39 1. 悪霊追放 使徒言行録に興味深い事件が記録されている。キリスト教が初めて現在のヨーロッパに伝えられた頃の出来事である。使徒パウロがフィリピで開拓伝道をはじめた頃、使徒パウロたちにしつこくつきまとう「占いの霊に取り憑かれた女奴隷」が現れる。彼女は使徒パウロたちの後ろについてきて離れず「この人たちは . . . 本文を読む

<講釈>宣教と祈り

2006-02-01 18:53:07 | 講釈
2006年 顕現後第5主日 (2006.2.5) <講釈>宣教と祈り   マルコ1:29-39 1. 主イエスの活動 ここには主イエスの最初期の活動が総括的に述べられている。特に、この部分では「宣教」と「悪霊追放」が主イエスの活動の両輪として強調されている。当時の人々はすべての病気の原因は悪霊によるものと考えていたようなので、この悪霊追放ということには病気の癒しも含まれている。 . . . 本文を読む