落ち穂拾い<キリスト教の説教と講釈>

刈り入れをする人たちの後について麦束の間で落ち穂を拾い集めさせてください。(ルツ記2章7節)

聖霊降臨後第11主日(特定13)説教 見捨てない

2005-07-25 19:56:22 | 説教
2005年 聖霊降臨後第11主日(特定13) (2005.7.31) 見捨てない   ネヘミヤ記9:16-20 1. 悔い改めの祈り 本日の旧約聖書のテキストは、今年の復活節の第4主日に読まれた部分に続く個所で、「仮庵の祭」の最終日に読まれた悔い改めの祈りである。仮庵の祭とはイスラエルの三大祭の一つで、イスラエルの民が出エジプトをした後、「乳と密の流れるカナンの地」に定着するまで40年 . . . 本文を読む

暗誦するにふさわしい聖書の言葉 ヨブ記39:26

2005-07-23 09:15:31 | パン屑
鷹の飛びかけり、その羽翼(つばさ)をのべて南に向かうはあになんぢの智慧によるならんや。(ヨブ記39:26) パレスチナには幾種かの鷹がおり、その多くは渡り鳥だという。(荒井・池田)それはともかく、渡り鳥が季節ごとに渡来しまた飛び去るのはロマンである。彼らから見ると、人間が決めた「国境」とか「国際条約」はどう見えているのだろうか。彼らこそまさにグローバルそのものである。ところが、最近「渡り鳥保護条約 . . . 本文を読む

聖霊降臨後第10主日(特定12)説教 善悪を見分ける

2005-07-21 10:55:39 | 説教
2005年 聖霊降臨後第10主日(特定12) (2005.7.24) 善悪を見分ける   列王記上3:5-12 1. ソロモンの知恵 ソロモン王がとても賢かったということは当時の世界に知れ渡っており、当時もう一人の知恵者として有名であった「シェバの女王」がソロモンと知恵比べをするために沢山の難問を携えてやってきた(列王記上10章)。本日のテキストに続く部分でもソロモン王の知恵というもの . . . 本文を読む

暗誦するのにふさわしい聖書の言葉  詩編103:5

2005-07-16 10:26:04 | パン屑
汝の口を嘉物にてあかしめたもう。かくて汝は壮ぎて鷲のごとく新たなるなり。(詩編103:5) 鷲も老齢化するのだろうか。目も衰えるのだろうか。嘴ももろくなるのだろうか。大空を飛び回ることもできなくなるのだろうか。獲物も十分に確保できなくなるのだろうか。老醜をさらけ出した鷲はもはや鷲ではない、と思うのは鷲の問題ではなく「わし」の問題。などなど、考えながら新共同訳のこの部分を読むと、冒頭に「長らえ . . . 本文を読む

聖霊降臨後第9主日(特定11)説教 心配

2005-07-13 21:53:27 | 説教
2005年 聖霊降臨後第9主日(特定11) (2005.7.17) 心配   知恵の書12:13、16-19 1. 知恵の書 「知恵の書」は本来の旧約聖書(39巻)には含まれず、いわゆる「続編」(聖公会では「旧約聖書外典(アポクリファ)」に属する。一般的には本来の旧約聖書と新約聖書の中間期に書かれたものとされる。「知恵の書」は伝統的には「ソロモンの知恵」と呼ばれてきた作品である。本書の . . . 本文を読む

暗誦するにふさわしい聖書の言葉 創世記8:11

2005-07-09 14:45:11 | パン屑
鴿暮におよびて彼に帰れり。視よ、その口に橄欖の新葉ありき。(創世記8:11) 先日訪れた川上村営ホテル杉の湯は、計画通りにいっていら美しい大滝ダムのほとりにあったはずである。ところが、ご承知のように設計ミスで水が半分ほど溜まった段階で地盤が歪み、近辺の家屋にひびが入り、大惨事になる直前に公示を中止し、排水してしまった。ホテルから見るダムの跡は、そこの方に美しい水が流れており本来の自然に帰ったようで . . . 本文を読む

聖餐論についての私見

2005-07-09 10:48:36 | 説教
改革派の方から、小生への質問がありましたので、コメントでお答えしようといたしましたが、文章があまりにも長くなり、コメントの限界を超えそうなので、新しい記事として掲載することにいたしました。 まず、わたしの立場、理解を明確にしておきます。わたしは聖餐式に関しては、キリスト教会における伝統的な理解を受け入れ、それを実行しております。何か、宗教裁判における宣誓のような文章になってしまいましたが、基本的に . . . 本文を読む

聖霊降臨後第8主日(特定10)説教 祝宴

2005-07-08 12:53:22 | 説教
2005年 聖霊降臨後第8主日(特定10) (2005.7.10) 祝宴   イザヤ書55:1-11 1. 神からの招待状 1節から5節までの文章は、神によって主催される祝宴への正式の招待状である。この招待状によってすべての人が神による救いへと招かれている。この招待に応じる人は誰でも歓迎される。ただ単にお腹がすいていて何か食べ物が得られるならばどこへでも行くという動機であれ、あるいはた . . . 本文を読む

暗誦するのにふさわしい聖書の言葉 詩編102:6

2005-07-02 14:43:03 | パン屑
われは野のおすめどりのごとく、荒れたる跡のふくろうのごとくになりぬ。(詩編102:6) 新共同訳では「(わたしは)荒れ野のみみずく、廃墟のふくろうのようになった」と訳されている。まるで、かつてはゴールドラッシュで華やかであったが、今は人影が全くなく、風がビューと吹くと枯れ葉が舞い上がる、そのような西部の町の風景である。何もかもが「過去」である。現在も、未来もすべてが空しい。詩人は「わたしはパンに代 . . . 本文を読む

聖霊降臨後第7主日(特定9)説教 現実と理想

2005-07-01 21:44:35 | 説教
2005年 聖霊降臨後第7主日(特定9) (2005.7.3) 現実と理想   ゼカリア書9:9-12 1. 大いに踊れ うれしい時、踊って喜ぶことは自然である、とわたしたちは思う。園児たちを見ていると、彼らは本当にうれしいときには踊っている。その踊りは決して習って、練習して身に付けるような形の定まった踊りではない。むしろ、それは不規則な動きであり、必ずしもリズムに乗っているわけでもな . . . 本文を読む