落ち穂拾い<キリスト教の説教と講釈>

刈り入れをする人たちの後について麦束の間で落ち穂を拾い集めさせてください。(ルツ記2章7節)

聖霊降臨後第15主日(特定17)説教 涙の預言者

2005-08-24 20:31:23 | 説教
2005年 聖霊降臨後第15主日(特定17) (2005.8.28) 涙の預言者   エレミヤ書 15:15-21 1. 預言者エレミア エレミア書という預言書は非常に乱雑である。詩歌もあれば散文もあり、非常に個人的な伝記的な叙述もあれば、国家的政治的な発言もある。しかも、文体やその歴史的背景も乱雑で、とうていひとりの預言者の発言や伝記的な文書とは思われない、と言われる。専門的な学者が . . . 本文を読む

聖霊降臨後14主日(特定16)説教 エデンの園とする

2005-08-19 22:14:35 | 説教
2005年 聖霊降臨後第14主日(特定16) (2005.8.21) エデンの園とする   イザヤ書 51:1-6 1. エデンの園 本日の旧約聖書のテキストを読んでいて、3節の「荒れ野をエデンの園とし」という言葉で、わたしの目は止まる。この「エデンの園」という言葉の響きに何とも言えない懐かしさを感じる。「エデンの園」については、皆さんもよくご存じだと思う。神が最初の人間アダムとエヴァ . . . 本文を読む

暗誦するのにふさわしい聖書の言葉 列王記上4:33

2005-08-06 16:31:56 | パン屑
彼亦獣と鳥と匐行物(はうもの)と魚の事を論じたり。(列王記上4:33) 大学のことを英語ではユニバシティという。そう、あのユニバース(宇宙)と同じ言葉である。要するに大学というところは全宇宙のことを学ぶところである。もちろん、宇宙のこと全部を一人でカバーできるわけがないので、部分部分に分けて研究する。学問とは分類と体系化である、と言える。優れた学者はそのことがよく分かっている。ところが、馬鹿な学者 . . . 本文を読む

暗誦するにふさわしい聖書の言葉 ホゼア書9:11

2005-08-06 16:29:34 | パン屑
エフライムの栄光は鳥のごとく飛びさらん。(ホセア書9:11) 子どもたちがまだ幼かった頃、町のお祭りに出かけ、水素入りのゴム風船をねだられて買い与えたことがある。子どもたちは大喜びではしゃいでいた。あまりはしゃぎすぎて、ゴム風船が子どもの手から離れ、空高く飛んでいってしまった。子どもはベソをかいていたが、さすがにもう一つ買ってくれとは言えなかったようである。わたしも父親として、もう一つ買ってやろう . . . 本文を読む

暗誦するのにふさわしい聖書の言葉 詩編102:7

2005-08-06 16:28:06 | パン屑
われは醒めてねぶらず、ただ友なくして屋根におる雀の如くなれり。(詩編102:7) スイスの哲学者カール・ヒルティの名著「眠られぬ夜のために」から、あなたに一言。「時には敵の方が正しいこともある。というのは、人間のこころは生まれつきはなはだ利己的であって、どんな論難攻撃をすべて自分に対する侮辱だと感じるからである。」ついでに、もう一言。「人間は他人の嘘には容易く気づくものものであって、ただその嘘が自 . . . 本文を読む

聖霊降臨後第13主日(特定15)説教 祈りの家

2005-08-06 16:24:17 | 説教
2005年 聖霊降臨後第13主日(特定15) (2005.8.14) 祈りの家   イザヤ書 56:1-7 1. 神殿が祈りの家であること 本日の旧約聖書のテキストの中で、「わたしの家は、すべての民の祈りの家と呼ばれる」という言葉が目を引く。この言葉が語ろうとしているポイントは、二つある。一つは神殿はすべての人に開かれた場所であるということ、もう一つは祈りの家ということである。「誰でも . . . 本文を読む

聖霊降臨後第12主日(特定14)説教 神からの逃走

2005-08-03 20:48:19 | 説教
2005年 聖霊降臨後第12主日(特定14) (2005.8.7) 神からの逃走   ヨナ書2:1-9 1. ヨナ書 ヨナ書はわずか4章しかない短い文書である。預言書というよりも、神と預言者との戦いを語る文学と言う方がふさわしいと思う。全体は前半と後半とに分かれ、主題もそれぞれ異なる。前半は神の命を受けた預言者が神から逃走する物語であり、後半は神の心変わりが主題となっている。 . . . 本文を読む