谷沢健一のニューアマチュアリズム

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2008年の12の? バファローズとホークス(その3)

2008-03-01 | プロ野球への独白
 私も、バファローズ側にシンパシーを強く感じ、ますますこの問題をきちんと考えなければと思った。それで、いろいろ取材をし、あれこれ考えてみた。それらを整理すると、
1.バファローズは、従来通りのやり方でパウエル側と交渉した。
2.それは、これまで慣行として球界で(とくにパリーグでは)認められてきている。
3.パウエル側は、これまで近鉄ーオリックスー巨人と契約交渉をして入団してきて、1と2を十分に理解している。
4.プロ野球協約に照らし合わせると、ホークスの契約書は正当である。
が判断条件になる事実である。
 それだけを基に、一連の流れを推測してみると、
5.バファローズのやり方には付け入る隙があると考えた者(または者たち)がおり、それがパウエル側の代理人か、ホークス球団の誰かかである。
6.ホークスとパウエル側の代理人のいずれかが、バファローズを上回る契約条件を相手に提示し、契約が交わされた。
7.パウエル側は、もしバファローズが異を唱えてプロ野球機構やパリーグの裁定によってホークス入りが不可能になったら、「年俸など、稼げるはずだった報酬の損害賠償を請求して、バファローズやNBLに訴訟を起こす」また「米国の選手会に訴え出て、日米間の問題として提起する」と、事情聴取などで明言した。
8.ホークスもプロ野球協約に加えて、パウエル側の〈脅しあるいは交渉技術〉を知って、強気だった。
9.小池会長はバファローズに同情しながらも、〈脅しあるいは交渉技術〉への対処法が思いつかず、ホークス入団を認める「強い勧告」を提示した。
10.根来コミッショナー代行は、小池勧告でも、訴訟を起こされればパウエル側が勝訴すると判断し、いったん小池勧告を無にして、「強い要望」を提示した。
11.根来代行の言う「パウエルの同意」とは暗に〈脅しあるいは交渉技術〉への敗北を意味する。
12.この根来要望の真意によって、バファローズは涙を呑むしかなかった。
というふうに考えてくると、根来代行の「両球団、選手にどういう問題があったかを求めても、解決にはならない。追及する気はない」という言葉の含意が理解できるし、「問題があると思ったことは、実行委員会で言う」という「問題」は、従来の慣行の問題点及びプロ野球協約の問題点を意味するだろう。