谷沢健一のニューアマチュアリズム

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予告先発/マリーンズ×ファイターズ戦から(その2)

2008-05-03 | プロ野球への独白
 さて、問題なのはスウィーニー投手である。彼はローテーション投手である。試合前のアクシデントが原因だとはいえ、同じローテーション投手を登板させることは妥当だろうか。そしてまたそれを相手チームが受け入れることは妥当だろうか、疑問を感じざるを得ない。
 1995年の西武対オリックス戦で、同じようなことがあった。オリックスの予告先発・佐藤義則君がブルペンで投球練習中、足が痙攣して登板回避となった。仰木監督が東尾監督のもとへきて、代わりに長谷川投手を先発させたいと言ってきた。私はその時西武の打撃コーチで、傍らにいたので、仰木さんにクレームをつけた。「こちらは試合前のミーティングで予告先発の佐藤君対策を十分に練っていたのです。そちらも同じミーティングをしているはずです。それなのにいきなり主力の長谷川君を出してくるのは、道理に反していませんか」「ローテに入っていない中継ぎ投手なら了承しますよ」
 仰木監督は凄い形相で、私を睨みつけてきた。球界の先輩にあたる仰木監督であっても、いうべき事は言わねばならない。こういうやり方をすると仰木マジックではなく仰木トリックと勘ぐられますよ、と喉まで出かかったが抑えた。おそらく私もまた不快感を露わにした顔をしていたに違いない。(ファンにはあまり知られていないが、グランドやベンチでは選手も監督もコーチも喜怒哀楽はひじょうにはっきりと表す。テレビでは、特定の選手や監督の、特定の表情しか画面に映し出さないが、それが大きな誤解を生んでいる。)
 しかし、残念ながら、試合時間が迫っていたせいもあってか、東尾監督が仰木要請を受け入れてしまった。