谷沢健一のニューアマチュアリズム

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ダルビッシュ・藤川・岩瀬不在のNPB(その1)

2008-08-12 | プロ野球への独白
 8月8日の夜8時8分、私は長野市篠ノ井のホテルにいた。長野五輪の開会式・閉会式が行われた長野オリンピックスタジアムで、翌日、中日本クラブカップ大会が開催されるからである。そのベッドでウトウトしながら、北京オリンピックの開会式を4時間も見てしまった。
 プロローグの論語の「有朋自遠方来、不亦楽乎」から始まる中国4千年の歴史が絵巻物のように繰り広げられた。酔眼ならぬ半睡眼には、黄河流域に発芽した文明が世界へ伝播していったことを中華民族のこの上ない誇りとしてアピールしていたように映った。その迫力が私を眠りの世界から引っ張り出すのだが、人と時と金をかけすぎではないかなぁと感じると、また睡魔に囚われてしまう。五輪祭典は、前回のアテネで五輪の原点に戻るかと思ったが、商業主義と政治性はこれまでに負けぬほど強まってしまった。
 その商業主義と政治性を知ってか知らでか、星野ジャパンは(選手たちの意識は宮本ジャパンらしいが)、13日第1戦を迎える。キューバ、台湾、オランダ、韓国、カナダ、中国、アメリカの7ヶ国の順で、予選ラウンドが始まる。NPBが総力を挙げて態勢を整えただけに、選ばれたメンバーのレベルは、他国の陣容と比較して群を抜いている。順当にいけば金メダルは間違いない。
 難敵は他チームの選手・戦力ではなく、自らに内に潜んでいる。高温多湿に対処しきれぬ体調不良、故障個所の悪化、寄せられる期待の重圧、国旗を背負っているという責任感の過剰、情報の収集と解析の不足、戦略戦術の不統一と不適切などが、万に一つも生じれば、晴れ舞台が悪夢の舞台になる。