谷沢健一のニューアマチュアリズム

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野球場の雑草刈り(その3)

2007-11-06 | YBC前進
 「本日の整備はこれで打ち切りだ。みんな練習したいだろう。整備のすんだ部分でやろう」と言うと、大学の「ナントカ治療」レポートの作成で一睡もしていない武岡君が真っ先に「やるぞー、うまくなるぞー、サー行こうぜ!」さすがチーム一のムードメーカーである。私も「キャッチボールが済んだら何時でも合図してこい。内野ノックをやるぞ」と言ったものの、それにはノックのスペースだけは整えねばならない。「上村!そんな悠長な整備では間に合わんぞ。大学の野球部で教わったんだろう」「僕は外野の整備しかやったことないんですよ」「こうやるんだ!見てろ!」このような機会は選手やスタッフの性格や行動が自ずと露わになる。
 翌4日も10時集合だった。この日は昨日のメンバーに加えて、遠藤、渡辺、瀬尾、永島、瀧沢の面々が参加した。11月は練習場所が確保しにくい。千葉熱血チームの中村代表も、加藤副部長へ電話をかけてきて、同じ悩みと苦労を話したという。しかし、秋の練習量が来シーズンへの確実なステップとなるし、常にモチベーションを維持するために、夕方から都内へ移動して神宮外苑室内球技場で2時間の練習メニューを組んだ。(神宮室内では我々の直後に、武蔵野クの練習が控えていて、オーナーと久々に歓談できた。)
 このグランドは関係者のご配慮で使用が許された。何度も何度も挫折したが諦めずに(おそらく内心で「しつこいな」と嫌悪していた方もおられただろう)、タイミングを見計らいながら交渉に挑んできた。とにかく3月までは使用可能となった。有難いことである。それから先は不透明ではあるが、3年目を迎えるYBCにとって、また一つ逞しさを養う場所が確保できたことは、私にはこのうえなく嬉しいし、硬式野球に熱中している人たちの下支えの一端に在ることを実感している。

野球場の雑草刈り(その2)

2007-11-06 | YBC前進
 センター後方にも物置が大小2つ並んでいた。扉が半開きである。「監督!扉が歪んでいて閉まりません。」と小松マネージャーが言う。「小松君、柏の葉(故父の旧宅)に購入したばかりの物置があるので、それを運んでくれないか」小松君は有名輸送会社の中堅管理職である。「はい!承知しました」と答えながら、草刈りに精を出している皆の姿を携帯のカメラで撮っている。
 旧宅の物置というのは父がYBCの道具入れとして用意してくれていた。10m四方のネット8枚を納めておいたのだが、これは全て7月にオール沼南グランドに移動して使用していた。明日にでも道具車担当の樫田君に何枚か取りに行ってもらおう。
 トンボやレーキも蔦と長く伸びた雑草の中にから10本程出てきた。鉄の柄や枠が腐って半分欠けており、タイヤもパンクしたリヤカーを発見してからは、刈った草や不要物の移動がスムーズになり、大掃除はどんどん捗っていった。3時間は費やしただろうか。「おーい!休憩にしよう」、副部長が樫田君を呼んで「貧しいが1人500円の予算で昼飯を買ってきてくれ」と離れた場所にあるコンビニへ行かせた。
 錦秋(というには「紅葉は未だし」だが)の日差しは心地良かった。農作業が一段落する時のように(雑草取りは腰に極度の疲労を与える)車座になっては、みんな冗談を飛ばし、年齢や職責を超えて、大きな笑い声はグランド一杯に広がった。今日は、4人の選手(金沢、瀬尾、川村、伊藤康)が千葉県クラブ選抜チームのメンバーとして千葉県大学選抜軍(2部・3部)との交流試合に臨んでいる。久保田コーチも帯同してベンチ入りしているので張り切っていることだろう。

野球場の雑草刈り(その1)

2007-11-06 | YBC前進
 日本シリーズ第5戦の(山井投手の交代劇についての)私の発言が物議を醸し、その翌日のTV番組での出演依頼もあったが断った(電話インタビューには答えたが)。というのは、この日(3日)はYBC待望の練習場の整備日だったからである。関係者の方々のご努力とご理解で、ようやく使用できるようになったグランドである。たとえ、来年3月までという期限付きであれ、1年近くも放置されて荒れ放題のグランドであれ、野球場と言うには変形で打撃練習も手加減しなければいけないのであれ、とにかく思い通りに使用できる初めてのグランドである。
 朝10時に集合した有志8名(小松マネ以下、上村、高木、樫田、武岡、小野寺、鈴木俊、新入部の菅谷)と仕事の都合で遅れた加藤副部長と合わせてちょうど10名だった。YBCがお世話になっているスポーツ店・ベースマンの佐々木君もわざわざ足を運んでくれて、稼動するための用具や備品をチェックしてくれた。
 あちこちに苔が生え、ぶかぶかの地面、石コロだらけで雑草も伸び放題、草木が根を張り、蔓がネットに絡んでいる。特に酷いのはブルペンで、大げさに言えば密林のごとく、廃屋の庭のごとく、シートは垂れ下がり、壊れた椅子や机やゴミ箱などが取り残されていた。
 「監督!こんな所に鎌が落ちてました。錆付いてるけど蔓が切れますよ!」「監督!草むらにL字ネットが埋もれていました!」「監督!物置にベースやラインカンや巻尺が残ってます!」という声々を聞きながら、「佐々木君、何とか使えそうなものが出てくるよ。でも、ホームベースは無いな。君にお願いするよ」と言っているところへ、「監督!3塁ベースが穴に入りません!」上村君の声であった。