谷沢健一のニューアマチュアリズム

新ドメインに移行しました。

専修大松戸高

2006-09-07 | YBC始動
 YBCの練習場所がまた一つ増えた。6月にこのブログで書いたように、柏市の利根運動広場を使用することが決まり、YBCの選手たちの見学会も実施した。7月の長雨と溢水でグランドに溜まった水が引かず、仮設トイレや物置小屋の設置が遅れていたが、それも今は設置されているので、利根広場を利用している軟式野球チームにはずいぶん使い勝手が良くなっただろうと思う。
 そうは言っても、硬式野球の練習場としては、まだまだ適格とはいえない。クラブチームとして最低限行わなければならない練習の30%くらいしかできない。ファールグランドは全面に葦が群生していて、打球が飛んでいけばそれを探すのに打撃練習の何倍もの時間が取られる。散水設備がないのでグランドの土は荒れきっていて、強い打球で行う守備練習は危険だし、走塁も気を付けなければならない。それを少しでも緩和するためにグランドを整備するとしても、その用具は富勢総合グランド(車で10分ほど)まで取りに行かねばならない。
 交通も便利だとは言えない。我孫子駅が一番近いと聞いて、バスに乗ったが、最寄りのバス停から1.5キロも行軍するはめに陥った。車を利用するにしても、柏・我孫子近辺に居住している選手やスタッフばかりではないので、行き来の時間も大変だ。
 YBCは今のところ弱小チームである。試合の勝率は昨年の楽天並みである。「臙脂系のチームカラーも似ているぞ」と、先日、ある知人に冷やかされた(彼は口は悪いが、強力にバックアップしてくれている)。そういう弱小チームだから、地元・柏市への貢献度が低いと考えられているのだろうか。
 困窮している時に援助してもらえると、どれほど心にその厚意がしみこむか、昨年の9月以来、痛切に体験し続けている。それがまた生じた。
 8月中旬、夏の地区予選を終えた各高校は新チームとしてスタートを切る。柏日体高の林コーチとは常に連絡を取り合って、グランド借用の日程を相談している。新チームに移行する時は、グランドも空きにくくなるが(それも想定して8月末に旭市飯岡合宿を計画した)、柏日体高も例外でない。8月末から9月にかけてはYBCにとって練習予定を決めるのに困った時期である。
 先日も、林コーチに「困ったな・・またよろしく頼むねー」と、極端にトーンダウンした声で電話を切った。10分もしないうちに携帯音が鳴った。林コーチからである。「谷沢さん、専大松戸高の岡安監督が、9月3日の練習をYBCに工面してくれました」「本当にありがたい!感謝します!」すぐに、面識も無い岡安宗仁先生に連絡をとった。岡安先生は「当日は、ブロック予選で試合に出ていますので、どうぞ、一日使ってください」「学校からグランドは離れていますので、後ほど地図を送付しますから」と言ってくださった。
 9月3日の練習は充実したプログラムを組めた。グランド周辺は梨や葡萄畑が広がる田園風景の中、思う存分練習ができた。練習中、専大松戸高野球部のバスが試合を終えて帰ってきた。岡安監督とすぐに挨拶を交わした。「ブロック予選はいかがでした」「市川高に負けました。新チームは、まだ投手が弱いので仕方ありません」たぶん、負けた悔しさをこのまま練習にぶつけたい気分であろう。敗戦直後の練習は効果が高い。そんな気持ちをおくびにも出さず、「今月の24日は試合に出ますので、使ってください」「(YBCの)五十嵐君の弟が、今うちのキャプテンですよ」
 様々なところに縁はあるものと感じながら、今後もお世話になることになった。そう言えば、「宗」とは『(一族団結の)中心』であり、「仁」とは『自分と同じ仲間としてすべての人に接する心』つまり『思いやり』という意味である。