信州生坂村「山紫水明 食と文化癒しの郷!」

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平成30年度 北陸地区治水大会及び記念講演会

2018年10月17日 | 私の活動報告
 17日(水)は日差しが届いて穏やかな秋空が広がり、昼間は秋の装いで快適に過ごせました。でも風が吹くと少しヒンヤリと感じられました。


 午後1時10分からは、北陸地区治水大会の記念講演会として、東北大学特任教授・前気象庁長官 西出則武氏から「気候変動と気象現象の激化」と題して講演をしていただきました。


 温室効果ガスの増加と気候変動として、右肩上がりの二酸化炭素濃度の変化(1750年頃に比べて45%増加)と世界(100年あたり0.73℃)と日本(同約1.2℃)の気温の上昇で、雨の降り方に変化があり、大雨の発生頻度は増加して、極端な大雨の強さが増大し、大気中の水蒸気量も増加して、気温が上がると極端な降水がより強く頻繁になるとのことでした。
 日本のこれからの気候変化として、21世紀末には、3.3~4.8℃上昇し、全国的に短時間強雨の発生回数が増加すると予測され、年間無降水日数は全国的に増加し、年降雪量は全国的に減少すると予測されるが、現在と同程度の降雪となる年もあるとのことで、熱帯低気圧の発生数は減少するが、平均強度が増加して発生位置がずれると予測されるとのことでした。


 平成23年台風第12号、平成27年関東・東北豪雨、平成29年7月九州北部豪雨の発生要因や平成30年度7月豪雨の災害概要と防災気象情報の発表状況も説明していただきました。
 大雨の監視、予測、気象情報の充実として、数値予報の改善や防災気象情報を充実強化するために「特別警報」を創設し、特別警報の対象となる現象から新たなステージに対応した防災・減災のあり方、平成29年度に改善した防災気象情報、大雨特別警報の発表対象区域の改善などを説明され、最後に正常性バイアスの罠として「自分は大丈夫と思う(思いたい)」ことは、科学的根拠のない判断に命をかけているという自覚がないことであるなどと多岐にわたりご講演をされました。

 午後2時5分からは北陸地区治水大会が行われ、私が長野県河川協会長として、当大会の実行委員会副会長になり壇上に登り、石川県治水協会長 白山市長 山田憲明氏の開会のことばで始まりました。


 そして、石川県知事 谷本正憲氏代理副知事 中西良明氏、全国治水期成同盟会連合会長 岩井國臣氏、金沢市長 山野之義氏からそれぞれの立場からのご挨拶を頂戴しました。


 大会座長推挙では、石川県治水協会長 山田憲明氏が恒例により推挙され、来賓祝辞として、北陸地方整備局長 吉岡幹夫氏と石川県議会議長 作野広昭氏からそれぞれの立場からお祝いの挨拶を頂戴しました。


▽ 治水・水防功労者表彰では、長野県からは、上田市の西組河川愛護会、中野市の間山河川愛護会、元長野県河川協会長 佐々木定男氏がそれぞれのご功績により表彰されました。




▽ 治水事業の現状説明として、最初に、国土交通省 水管理・国土保全局治水課長 井上智夫氏から「治水事業を取り巻く現状と課題」として、平成30年7月豪雨による被害状況、近年、水害が激甚化・頻発化の現状、全国各地で2012年以降約3割の地点で観測史上最大の降雨を更新している現状、また近年は全国各地で水害が発生し、将来の降雨はさらに激化して、水害に対し社会が脆弱化していること、治水対策の整備効果と「事前防災」として、被害が発生する前に治水対策を実施すること、再度災害防止のため、集中的な整備を実施しなければならないこと、治水関係予算はピーク時の約6割で予算確保が必須であり、今後は「事前防災」の強化が必要であることなどを説明していただきました。


▽ 次に、北陸地方整備局河川部長 松原誠氏から「北陸地方の治水行政に関する最近の動向」として、河川・砂防・ダム・海岸(直轄)事業の概要、河川の特性と災害発生状況、降雨状況と自然災害、平成30年の出水の発生状況、TEC-FORCEによる災害対策応援活動、信濃川大河津分水路改修事業、庄川利賀ダム建設事業、大町ダム等再編事業、梯川緊急治水対策プロジェクトのハード事業の説明の後、「水防災意識社会」の再構築に向けた緊急行動計画の主な取組、危機管理型水位計の設置、緊急速報メール(プッシュ型配信)の取組、梯川の引堤等による治水効果、信濃川(下流)の本川と支川一体的治水対策の効果、北陸地方整備局の治水関係(直轄事業)予算の状況は微減していることなどの説明を受けました。




▽ 次は、意見発表として、金沢市土木局内水整備課長 市村達也氏から「金沢市における総合治水対策の取り組み実績と課題について~浅野川水害から10年~」と題して説明をしていただきました。金沢市の特徴、金沢市総合治水対策と現行の実施計画の概要、治水対策、流域対策、土地利用対策、減災・水防対策等各対策の取り組み実績と課題の整理、次期「金沢市総合治水対策実施計画」の骨子(案)などについて説明していただきました。




 最後は石川県治水協会副会長 七尾市長 不嶋豊和氏から朗読していただき、「頻発する災害から国民の生命と財産を守り、安全で安心な社会を実現するため、平成30年補正予算、平成31年度予算をはじめ、治水事業費を今後飛躍的に増額させ、堤防整備、河道掘削、ダム、放水路等予防的な治水対策を計画的かつ協力に推進すること」など9項目を大会決議として満場の拍手で承認されました。
 そして、次期2020年度開催県予定の新潟県が決定され、平成30年度 北陸地区治水大会が閉会となりました。

▽ 朝の写真は小立野上空からの風景です。


 


 その他生坂村では、小学校で自主研修の日、なのはなで歌であそぼう・親子ヨガ、児童館でのらのら青空塾、いくさか歩こう部、行政相談、一星邸登録有形文化財指定打合せなどが行われました。

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