13日(木)は雲が主役でしたが、穏やかな天気で、昼間は過ごしやすく感じられました。
生坂農業未来創りプロジェクト会議視察研修は、朝8時30分に生坂村を出発して、3年ぶりに県外視察として静岡県に向かいました。
途中で昼食を取り、午後2時前に「NPO法人 せんがまち棚田倶楽部」に伺いました。
当倶楽部の事務局長 堀延弘さん、静岡県経済産業部農地局農地保全課農村整備班 友寄孝裕主査、静岡県中遠農林事務所農村整備課 塚本美佳主査と関係者にご対応いただきました。
せんがまち棚田は、牧之原台地の西斜面、田んぼが階段状に連なり、面積10.1ヘクタール、最盛期にはその数3,000枚以上で、毎年500俵余の米を生産していました。
1枚1枚の面積が小さく、生産効率の悪さ、後継者不足、減反政策など悪条件が重なり、昭和50年代には、その数が激減してしまいました。
そして、我々の祖先が、汗と涙で、何代にもわたって守ってきた貴重な財産だと気づいた時には、すでに9割近くが葦原と化し、子どもの頃に遊んだ昔の面影はほとんど残っていませんでした。
そういう中、日本の原風景棚田を守り、先人の苦労を肌で感じ、子ども達に伝えていこうと、平成6年に「千枚田を考える会」を設立したのが活動の始まりとのことでした。
平成11年には県の「棚田等十選」に認定され、平成22年2月からはNPO法人「せんがまち棚田倶楽部」とし、法人化とともに、オーナー制を取り入れ、ホームページを開設して頑張ってこられました。
棚田は農業生産だけではなく、国土保全、美しい景観、生き物の生息環境など、私たちに多くのものをもたらしており、貴重な地域資源、国民の宝であり、このような状況に鑑み、「せんがまち棚田倶楽部」は、せんがまちの名前の由来となっている多数の棚田の復活及び保全活動を行うとともに、この活動を通じて、社会教育、環境教育、棚田文化の伝承、地域振興に関する活動を目的としていました。
「せんがまち棚田」と「茶草場」の保全には、NPO法人せんがまち棚田倶楽部をはじめ、多数の人々が係っていて、静岡大学棚田研究会は、棚田と茶草場の保全活動や無農薬野菜栽培、オーナー農業の指導や補助などをしていて、東京農業大学地域環境科学部は、棚田と茶草場の水質調査などをし、棚田女性部は棚田で収穫したお米と地元で取れた無農薬野菜を中心にお弁当づくりをし、一社一村静岡運動により、保全活動の協力やホームページ制作と管理などをする民間会社が多く関わっていました。
地元小学校である河城小学校の総合学習として、小学生が棚田と周辺の茶草場を訪れ、貴重な生き物と直接触れる体験学習を行っています。田植え、稲刈り体験だけでなく、棚田と茶草場の大切さを伝える学習も行っていました。
オーナーの皆さんは、一年を通しての農作業「春の田植え準備・田植え・草刈り・稲刈り」に協力していただいている他にも、生きもの教室、親子向けイベントなども行っていました
ススキやヨシを茂らせている半自然の草地を「茶草場」といい、お茶づくりでは伝統的な農法で、他県ではほとんど見られない中で、せんがまちは茶草場と棚田が隣接する珍しい地域であり、平成25年には、このお茶づくりの方法が、世界農業遺産「静岡の茶草場農法」として認定を受けられました。
平成23年「静岡県コミュニティー活動優秀賞」を受賞し、平成29年11月20日に行われた地方自治法施行70周年記念式典において、総務大臣表彰を授与され、令和2年10月、様々な活動が認められ農水省の「豊かなむらづくり全国表彰事業」において農林水産大臣賞を受賞し、令和4年4月、「つなぐ棚田遺産」認定をいただくなど、数々の受賞に輝いており、これからも多くの出会いを大切に「せんがまち」の棚田を守っていきたいとのことでした。
「NPO法人 せんがまち棚田倶楽部」の皆さんは、多くの活動をされていて感心させられましたし、その活動には多くの方々が協力や支援をされていて、棚田と茶草場の保全活動、農業体験、自然環境の保全と教育等々の活動に共感されたことであり、自然豊かな当村でも、多くの協力者を募って活動していくことも大切だと感じました。
ご対応いただき、詳細に親切にご説明いただきました堀延弘事務局長さんはじめ関係の皆さんに御礼を申し上げます。
▽ 毎朝出勤前恒例の撮影は、草尾の犀川対岸の高台に行き、雲が多めの上空からの風景を撮影しました。
草尾上空からの風景
本日生坂村では、小学校で楽器運び・金管練習、中学校で瀧澤先生来校、集団検診結果返却、文化財保護委員会、教育支援会議などが行われました。