原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

道東の冬を楽しむ

2011年11月22日 08時34分01秒 | 地域/北海道

 冬将軍の足音が聞こえる季節となった。故郷に帰ってから今年で8度目の冬を迎える。最初の5年は仕事を抱え、特に年末から3月頃までは家に閉じこもりの日々。あまり冬を楽しむという気分ではなかった。外に出ないことが基本であった。仕事から解放されて、ようやく道東の冬を真正面から見るようになった。すると冬の楽しみも少しずつ増えてくる。きっかけとなったのは霧氷。立ち上る川霧が樹木について結氷する、その独特の世界を見てから、冬を楽しむことができるようになった。冬しかない風景や冬にしか出会えない野鳥もいる。道東を知るなら、やはり冬が一番であると、今は思う。

子どもの頃の冬と言えばスキーがありスケートがあった。さすがにそれを楽しむ余裕は精神的にも体力的にもない。

正直言うと、私は夏型人間で、暑いのは摂氏50度近くても(実際に体験)大丈夫の体質である。反面、寒さには弱い。身を切るような寒さや冷たさは、体質的に受け付けない、と思っていた。北海道の冬には恐怖感さえ覚えていた。ところが、慣れとは恐ろしい。寒さに対する抵抗感が生まれたようだ。とくにカメラを持つとそうなる。不思議と寒さが怖くない。かくして冬の写真が徐々に増えていった。

冬にしか見れないものがたくさんあることも知った。オジロやオオワシのような渡り鳥はもちろんだが、タンチョウだって夏場より冬の方が頻繁に見ることができる。ハクチョウもそうだ。塘路湖の御神渡り、流氷、湿原の雪景色も忘れ難い。

先日、これまで写した冬の写真を整理してみた。想像していたより量がより少ない。撮っていたと思っていた写真がない。タンチョウはそれなりにあるのだが、ハクチョウなどはあまりストックがない。オジロワシは結構あるがオオワシはほとんどない。目で見た記憶だけで、写真にはあまりないことを知った。道東の冬景色の写真も意外にない。釧路湿原の冬景色も少ない。凍えるような冬の夕焼けもまだだ。年ごとに変わる風景もある。取り残している道東の冬がたくさんあった。

この冬の目標ができたようだ。オオワシやタンチョウ、そしてハクチョウをターゲットに今年は動いてみるか。冬のキタキツネも狙い目。忙しくなりそうだ。目の前に迫った冬に身構えている。


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2 コメント

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写真、キレイですね! (numapy)
2011-11-22 08:56:33
いやぁ、随分沢山ありますね。
道東の凛とした冬がクッキリと映し出されてます。
今年の目標も決まったようで、何よりです。
元気で乗り超える活発な姿が目に浮かんできます。
道新俳壇、今週の秀句
・雪虫に出会ひて覚悟のやうなもの(島田章雄)
秀句の常連です。
オイラはまた冬篭りしそうです。
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これもまた覚悟です。 (原野人)
2011-11-22 09:36:57
寒い冬に対して気持ちを高ぶらせるというのも、ある種の覚悟。北海道の人はそう考えないと厳しい季節に向かえない。それをさらに前向きにしたのが目標設定。どっちにしても、この冬を生きるわけですから、楽しみを増やさないと、生活できない性が私にはあるようです。
雪にまみれて遊ぶ体力はもうないですからね。ただし、冬籠りもまた寒さをしのぐ、確かな一手段であります。野生たちは皆そうします。これも自然の知恵の一つです。
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