やおぶろ vol.2

スキー大好き、やおりのブログ。

カナダ旅記-17

2007-04-16 | Canada 2007
2月14日/滑走4日目。

どこか不安を感じながらのスタートだったけど、カズキのガイドぶりは
悪くない。むしろナイスガイドだ。
広いゲレンデを縦横無尽に、ムダなく、いいペースで案内してくれる。
スノボで我らを先導するんだけど、すばらしく快速♪

まずは整地をギュ~ンと飛ばして足慣らし。「エメラルド」を上がり、
明日のパウダーに備えてシンフォニー方面のお薦めコースを教わる。
コースのことは、名前を聞けばだいたい分かるというやん様に任せて、
他3名は休めの姿勢で呑気によそ見♪
続いて、距離を稼げるラインを選んで「ハーモニー」まで下りるが、
朝イチからの天候調査が解けず、まだ動いていない。
山頂エリアは荒れ模様らしい。ストームが来ているのね♪

オープン見込みの立たないリフトを待つのは時間のムダだ。
廊下を下り「ガーバンゾー」に乗線。アッパーデイブマーリーを
目指すことにする。ここは2010年冬季オリンピックの男子ダウン
ヒルレースに使用される予定のコースだ。

だが、コース入口では、スタート小屋のおっちゃんに怒られた。
「こら君たち、ダメだ。このコースはクローズだよっ!」

「え~そうなの? ついこないだは滑れたよ?」
カズキが食い下がる。

「こないだは滑れても今日はダメ! 閉鎖のロープがあっただろ!」
我らの後方をおっちゃんが指差す。

振り向くと、

ほんとだ。

オレンジ色のロープが張ってある。

一体いつの間にくぐってしまったのか……。


このコース、今日はどこぞのレーシングチームの練習に充てられる
らしく、一般客は滑走禁止らしい。残念。
それにしても危ない危ない。いくらゲレンデ内とは言え、カズキに
連れられて、また今年もロープをくぐってしまった(笑)


デイブマーリーを諦めクリークサイド方面へ進路変更。2010年の
女子ダウンヒルコースを滑る。
中腹はみぞれ。ガスが濃厚で視界が悪く、あまり間隔を開けると、
前の人の姿がすっかり霞んでしまうほどだ。
他コースと合流して混雑する箇所もあるので注意して滑る。

さらに滑ってガスを抜ける。視界がクリアになりホッとする。
クリークサイドのベースまで、ほぼ一気に駆け下りた。

「少し休憩しますか?」
カズキが4匹の老齢うさぎを気遣い、クリークサイドベースのカフェを
示し提案してくれるが、首を縦に振る者はいない。
もう11:30だし、ゴンドラと「ビッグレッド」を乗り継いでラウンド
ハウスに戻ればちょうどランチタイムじゃん。
ここで休まず、とりあえず乗っちゃおうよ、ゴンドラ。

ガズキが少しがっかりした顔を見せた。
ここで一服したかったのはカズキ本人らしかったが、だめ~!
あんた去年はカオルチーフの待つスタッフミーティングに遅れまいと、
我らをクリークサイドに残してスタコラ帰っちゃったでしょ。

今年はあなたの好きにはさせません(毒)

カナダ旅記-16

2007-04-14 | Canada 2007
2月14日/滑走4日目。


photo: Randy Lincks (www.whistlerblackcomb.com)

今朝のガイド待ち合わせはウィスラーマウンテンのラウンドハウス。

F社は滞在中1回、ブレックファーストクラブ(ラウンドハウスでの
朝食バッフェと、オープン前のゲレンデを、パトロールの許可の下に
滑れるフレッシュトラックのサービス=通称フレトラ)のチケットを
つけてくれる。

チケットをいつ利用するかはお客の自由だけれど、曜日によっては、
F社ガイドも早朝から山に上がってフレトラを案内してくれる。
それが今日、水曜日というわけ。

我らは今夜からストームとの情報をつかんでおり、フレトラに上がる
なら明日と決めている。うひひ。
ってことで、今朝はホテルで朝食をとって出動。

ちょっと早めの行動開始が奏効し、8:00ちょい過ぎにはゴンドラに
乗ることができた。
ゴンドラではドイツから来たという4人組とちょっぴりトーク。
やはり今冬のヨーロッパは雪が少ないという。それでも滑りたくて、
我慢できずにウィスラーに来ちゃったんだって。同じだね。日本も
今年は雪不足なんだよ。
ドイツのスキー馬鹿4人と日本のスキー馬鹿4人がカナダで相乗り。
ただし、やん様のセスの長大さにはドイツ人もびっくり。
というわけで今回は、日本のスキー馬鹿の馬鹿さ加減に軍配♪


集合まで40分ほどある。
「エメラルドエクスプレス」をくぐり「ハーモニーエクスプレス」
へ抜ける林間で遊んでウォーミングアップ。

「ハーモニー」はまだ天候調査中、しばらく動きそうにないため、
廊下をつたって「エメラルド」の乗り場へ戻る。

クワッドリフトに並んで座り、
「明日、激パウだったらどこらへんで滑ろうか?」
「シンフォニーのほうはどう? まだしっかり滑ってないよね」
などと、早くも明日の作戦会議。
まだ今日が始まったばかりだというのに(笑)


集合時間。
ラウンドハウスの1階ロビーでグループ分けとガイドが発表される。
今日のうさぎさんチーム担当ガイドは、カズキ。
今日のうさぎさんは、4人。

4人ってつまり、やん様・はるさん・もんち・あたし。
またしてもプライベートガイドである。
しかし、ガイドはカズキか……。

昨冬の『スキー家族 若手ガイドに連れられ禁止エリア昼抜き腹ペコ
滑走3時間30分』のとき、サンちゃんと一緒にガイドについたのが
この人、カズキ。しかもカズキはボーダーで、かの日は狭い林間で
テールを滑ってヨタヨタになり、「ボードで林間はキツいんです!」
と軽くキレたりなんかして。待て待てカズキ。むしろキレたいのは、
ワケもわからずこんなところを滑らされている我らお客のほうだよ、
分かってる!? 空気緊迫。みんな空腹で目が△△。みたいな。

やはり反省文を書かされたクチだが、カオルなき(死んでないけど)
今は、なんとこのカズキがチーフ職を任されているんだって。
大丈夫か、カズキ。

「今年はへんなとこ連れてかないでよねん♪」

挨拶がわりにチクリと釘を刺すと、

「あ、そしたら今日はクリークサイドのず~っと向こうのほうへ
 行きましょか。カイバーっていう、えぇコースがあるんスよ♪」

カズキはケロッと応じてみせた。


ぐぁ~っ! 去年のあの禁止エリアが『カイバー』だろっ(怒)


カオルくんの大目玉も反省文も、この人には懲りていないのか。
空は曇天。冷え込みは弱く、ガスが濃くなりそうだ。
なんとなく不安な一日が始まる。

カナダ旅記-15

2007-04-13 | Canada 2007
2月13日/滑走3日目・午後の部。

ウィスラーマウンテンに上がり、ラウンドハウス内の公衆電話から
カオル携帯に、昨日のイタ電(→ 旅記-12)のお返しをする。
ラウンドハウスには、相手先の携帯へ無料でかけられる電話がある。
国内大手の携帯会社のサービスらしい。太っ腹だねぇ。

「あ~~もしもし? 327号室のやおりですが。
 スミスさんねぇ、うちの騒音で眠れないっておっしゃいますけど、
 言い掛かりはよしていただきたいわ~!」

とかなんとか。みんなで順番に好き放題吹き込んで、ガチャッ♪


留守電返しを済ませて気分スッキリ♪


午後の部、降雪は期待したほど長続きしなかったけれど、それでも
好コンディションで遊ぶことができた。

林間でフカフカ雪を探しながら「ビッグレッド」を目指して滑り、
途中でいや~な凹みにハマってみんなでヨボヨボになったり、
「ハーモニー」のオープンバーンを快適に滑りながらも、やん様が
セスに“持ってかれ気味”に飛ばす姿がおかしかったり。

やん様にはこの頃“ガツ男”という新しいニックネームがついた。
あとの3人はそれぞれ“ザザエ姉さん”“ダラちゃん”“バカメ”

こうして書き起こすと全然だけど、その時の当人たちにはこれが
おかしくて笑いが止まらず、笑い過ぎて泣きながら滑ってたりする。
4人とも、そろそろネジが緩んできてるのかも。


今日も“スタミナ温存”を心がけて下山。
あたしはお医者さまからの「ヘトヘトになるまで滑っちゃダメ」と
いう言いつけがあるからだけど、
それにしても今回の我ら、ほんとオトナだ♪


ホテル着。
もんちはこの日、ツアーデスクの一角でウト先生のスポーツ整体を
受診することになっている。
やん様はゲレンデで元気を使い切ってしまったのか、部屋に戻ると
ぐったりしてしまう。やっぱり風邪っぽいのか。

あたしは借りていたB3を返却に行き、その足ではるさんと一緒に
ビレッジ内の他のレンタルショップを見て歩く。
あたしはK2ロッタラブか、パブリックエネミーあたりを。
はるさんはアトミックのスヌープ・ダディを試したい意向だ。

「アフィニティ」というレンタルショップで、上記モデルの在庫と
他にお薦めの板がないか尋ねてみる。
パブエネとダディは置いておらず、ロッタラブは貸出中だという。

「でも、パブエネタイプの板が好みなら、コレなんかどう?
 パウダーをガンガン行くのにぴったりの板よ♪」

そう言って、なんとオネエちゃんがK2ナンシーを出してきた。
やん議長の「ナンスィー ナンスィ~♪」が耳に蘇る。

う~ん、でもこれ、あたしにはちょっとゴツすぎるかなぁ。
渋るとオネエちゃんは、


「確かにパワーのある板だからね。
 だけど予報じゃ明日の夜からストームらしいわよ♪
 パウダーだったら絶対ナンシーがお薦めだから。
 気が向いたら、明日の夕方にでもまた来てみたら?」


明日の夜からストームっ!? まじ?
それじゃあナンシー履いちゃう? 借りちゃう?
いや待て。
こんな太いの、やっぱり大変そうだ。
揺れるココロ。

でも、オネエちゃんの言うとおりパウダーが期待できるなら、
何を履くにしてもレンタルは明後日ってことにして、明日は自前で
滑ることにするか。

その後も数軒を見て歩いたが、「これは」という在庫を抱えた店は
なかなかない。今日はここまでとし、ゴンドラステーション近くの
チョコレート屋さんでアイスクリームを買い食いする。

支払いの段、店の女の子のドンブリ勘定(2、3セントの端数なんか
いいわよ。おまけしちゃう♪)と、財布の小銭を減らしたいはるさん
との会話がどこまでも平行線なのがおかしかった。

さぁ、(アイス食べた直後だけど)部屋に戻って夕飯にしよう♪


今夜は、
・肉汁たっぷりジューシーソーセージと野菜の炒め
・ラビオリの明太子パスタソース和え
・とき卵とワカメの味噌汁
・サトウのごはん
・コカニー♪


食後、明日に備えてスキーの手入れをしようと思ったら、あたしの
ワックスが見当たらない。
ねぇ誰か知らない? ペーストタイプのワックスと、コルク。
ムラサキスポーツのビニール袋に入れて持ってきたはずだけど…。

もんちのを借りて今夜をしのぐ。

春の別れ。

2007-04-13 | calculus(唾石症)


「今日で終わりにしよう」

彼はいつもと変わらない調子で、静かに言った。

「……」

わたしは思わず言葉を失う。
黙って椅子に腰かけるわたしをじっと見つめて、彼が続ける。

「もう、ここには来なくていいから」


いつまでも続く付き合いでないことは分かっていた。
けれど、
こんなにもあっけなく別れがやってくるのは、
春だからだろうか。


「それじゃあ……、今まで、ありがとうございました」


そう返すのが精一杯だった。
ゆっくりと席を立ち、やけに丁寧に、深々と頭を下げる。


わたしが辛く苦しいとき、救ってくれたのが彼だった。
旅に出たいというわがままを、笑って許してくれたのも彼だった。
ありがとう。
さようなら。
わたしは冷静を装って、彼の部屋をあとにした。



   *   *   *   *



なんちゃって。
診察室の話だよ。


13日、唾石を摘出して以来2度目の診察に行ってきました。
ベロビリはまだしつこく残るものの、手術跡はすっかりキレイ。
経過良好につき、これにて通院終了となります。

「今日でおしまい」「もう来なくていい」ってさ~♪

サイトウ先生ありがとう。
いつか、もしもまた石ができちゃったら、その時は会いに行きます。

ちなみに今日の診察代は170円。激安。交通費のほうがよっぽど高い。

カナダ旅記-14

2007-04-12 | Canada 2007
2月13日/滑走3日目・その2。

「ガーネットボウル」を無事に滑りきり、「エクセルレイター」へ
至る長~~い廊下を走る。
ゲレンデサイドに戻ると、天候が不安定になっていた。下のほうは
みぞれ。でも「ジャージークリーム」に乗り継ぐと、雪になった♪

リフト上、帽子やウェアにどんどん積もっていく雪にニヤけながら、
今後の滑走について作戦会議を開く。
議長はやん様、書記はもんち。


議題【滑走エリアの確定】
提案者:議長
今日のブラッコムは、セブンスヘブンがオープンしそうにない。
しかし雪はこれだけ降ってきている。
どうだろう、ここはひとつ4人だけで滑っている身軽さを生かして、
両山制覇というのは。
いいあんばいで腹も減っているし、 一旦ベースへ降りて昼食をとり、
その後、パウダーを期待してウィスラーマウンテンに上がろう。


→ 賛成です、議長。



続いての議題は【レンタルスキー】
発言者:やおり
ロシB3は今日まで。やおりは次に何をレンタルするか検討中です。
やん議長、何かお薦めの板はありますでしょうか。
と尋ねたら、

「ナンスィー ナンスィ~♪」

やん議長はひどく調子っぱずれの節回しで1フレーズだけ唄った。
この雪にご機嫌で、ちょっとおかしくなっているようだ。
笑い過ぎて、もんちがリフトから落ちそうになる。

「ナンシー無理ですっ」
せっかくの議長の提案だが、ほぼ即答で否決。


おかしくなってきた議長

だってナンシーって、K2レディースの中で一番のファットだよ。
議長が履いてる「セス」の彼女的格付けにあるファットツインで、
プロポーションは上から128/95/118。
要は、ヘリスキーの時に借りるような板なのだ。
そんなの体力減退中のあたしが、ゲレンデで回せるとは思えない。

はるさんも自前は比較的 細身のスキーであり、せっかくの機会
なのでレンタルをしてみようかと言う。
それを聞いてまたしても議長が唄う。

「セス セス~~♪」
「パブエネ パブエネ~♪」(=K2 パブリックエネミー)


もんち書記、議長のこの不適切発言は記録から削除してください。
はるさん、議長の言うことはあまり参考にしないで、今日の夕方、
あたしと一緒にレンタル屋さんを覗いて歩きましょう♪
議長は帰国後、ヤマハ音楽教室にでも行って音感を養ってください。



会議場(ジャージークリーム)を後にし、ビレッジを目指す。
選んだルートは「NINTENDO パーク」横の、キャットスキナー。
昨年やん様が負傷した、因縁のコースだ。

ここがまさに現場と思われるあたりで一旦停止。
今回の旅を安全に、ケガなく滑りきれますようにと4人で祈願。

気持ちも新たに滑走再開。
ほんと、ケガなく滑りきろうね……。

落とし物のゴーグルを拾得しリフトスタッフに届けるなど、小さな
オコナイもカウントしつつ、ブラッコムマウンテンを下りる。



ロングホーン・パブ店内は撮ったけど…

ランチはゲレンデベースの正面に建つ『ロングホーン・パブ』で、
看板メニューのロングホーン・バーガーをいただいた。
巨大ビーフパテにチーズ、ベーコン、マッシュルーム、オニオンが
乗ったバーガーに、ありえないくらい山盛りのポテトが付く。

すごいボリュームで、大迫力のひと皿だったのに、我らときたら
あまりの空腹ですぐに手をつけちゃって、撮りそびれ。
悔やまれる……。


カナダ旅記-13

2007-04-12 | Canada 2007
2月13日/滑走3日目。

火曜日。
今日は毎週恒例で開催されるF社主催のタイムレースの日なので、
ガイドサービスはない。
レースにまるで興味のない我ら、今日はフリーで滑ることにする。

この広大な山のコースレイアウトが、概ね頭に入っているという
やん様をリーダーとあがめ、ブラッコムへ上がる。
昨日のパウダーが湿り気を帯び、やや重たい雪になってはいるが、
滑りにくくはない。今日もあたしはB3をお試し中だ。

ちょっと流して身体を温めたところで、リーダーが言った。
「ブラッコムグレイシャーに行ってみよう」


ブラッコムグレイシャーといえば、初日に心臓がバクバクしちゃった
あの小さな登りか。体力的にちょっと気が引けるが、昨日も一昨日も
なんとか担ぎ上げできたんだし、どうにかなるだろう。

「うん、行こう♪」

って答えたら、やん様は「グレイシャーエクスプレス」のリフトから
へんなほうを指差し、「あそこから行ってみよう」と言った。


やん様の指差すその先にあったのは、
スパンキーズ・ラダー(SPANKY'S LADDER ◆◆)





聞いたことはあるけど、行ったことはない。

スパンキーズ・ラダー。
直訳すると「スパンキーさんのはしご」(?)
スパンキーさんって誰?


スパンキーズ・ラダーは、ブラッコムの山の稜線上のポイントだ。
稜線の手前がゲレンデ、超えればブラッコムグレイシャーとなる。
でもこの登り、昨日、一昨日のそれとはちょっと違う。
「岩壁をよじ登る」感じだ。

リフトから様子をうかがうと、
ガッチガチの岩場に貼り付いている人たちが見えた。
板を担いだ人が、ズルッと足を滑らせているのも見える。
足場が凍ってんのか……(怖)



リフトを降りてスタートポイントへ向かう。

「ここを超えたら、ええ斜面があるんやで~♪」

やん様が力強い足取りでスパンキーズ・ラダーを登り始める。
ちなみにスパンキーズ・ラダーの向こうには、サファイヤ、ルビー、
ガーネット、ダイヤモンドなど、宝石の名を冠した、いずれも◆◆
レベルのボウルが展開している。

もんちが2番手(さすがはサル。こちらも足取りは軽い)
その後ろをあたしが続き、
はるさんがテ-ルについてくれる。


凍り付いた足場にスキーブーツの先端をぶつけ、つま先を突き立て
ながら登るが、最後の何歩かは、わずかな距離なのにほとんど壁。
立った姿勢のままでは登れない。

すでに登り終えたやん様がストックを受け取ってくれて、あたしは
水平に倒したスキーを両手で握り、板のエッジ全体をガツンガツンと
壁に押し当てて支えにしながら、四つ這いのようにしてよじ登る。

足を滑らせませんように足を滑らせませんように……! 心で祈る。



「スパンキーさんのはしご」よじ登り中
(イラストはイメージです)


この登り方、ツェルマットの沢から生還するために、カオルくんが
教えてくれたっけ……。

こうやってスキーを押し当てた跡がハシゴみたいに見えるから、
それでここは「LADDER」って名前なの……?


冷静を装って考えごとをしてみるが、あまり余裕はない。

最後の一歩をやん様に引っ張り上げてもらい、どうにか登頂。
制したり、スパンキーズ・ラダー!(疲)


呼吸を整え、スキーを履く。
登り始めは曇っていたのに、ガスが晴れて視界が開け始める。
やん様を先頭にして選んだ斜面は「ガーネットボウル」。
途中、ゴツい岩が飛び出てたりして慎重を要するが、雪は軽いし
斜面はデカい。
「あ~、あたしったら今 ◆◆滑ってんだ……カッコいいねぇ♪」
チャレンジングな急斜にテンションも上がる♪

途中、振り返ってテールのはるさんを待つ。
すぐ近くに、やはり後方からの友人を待つらしいカナディアンの
ボーダーが止まったので、

「いい日だね♪」と声をかけたら、

「同感だね。雪もいいしね。キミらもオレらもツイてるね♪」

笑顔で答えてくれた。

カナダ旅記-12

2007-04-11 | Canada 2007
2月12日/夕刻。

部屋に戻ると、電話の、留守番メッセージの預かりを示すランプが
点滅していた。

メッセージを再生していたやん様が、ロフトに上がっていたあたしを
呼ぶ。「やおり、ちょっとこれ聞いてみて…」

黙って受話器をよこすやん様。
どうかしたの?
なんかグッタリしてるようだけど。

一体なんだろうと受話器を耳に当て、再生ボタンを押すと、
カオルくんの声がした。


「もしもしぃ、
 あの~、403号室のスミスですけどぉ……、
 お宅の部屋の騒音がひどくって、困っちゃってるんですよぉ~。
 眠れなくて参っているんで、あんまり夜遅くまで騒ぐのやめて
 ください。お願いしますよまったくもぉ~。……(ガチャ)」





イタ電かよ。

集合住宅のご近所トラブルを演じているらしいが、
まるで面白くない(いや、ちょっとは面白い)

何か用事があってかけてきたんじゃないのか?
仕事がよほどヒマだったのか?
っていうかこの建物、403号室ないんだけど。


洗濯機を回して戻ってきた もんちとはるさんにも聞いてもらうが、
あまりのくだらなさに2人ともゲンナリしている。

カオルくん、我らをこんなにがっかりさせているとも知らないで、
今ごろバンクーバーでこちらからの電話を待っているんだろうか。

やん様 「しばらく放っておこう」
もんち 「そうだね。知らんぷりしておこう」
はるさん「少し反省してもらわないとね」
やおり 「放置プレイだね」


さぁさ、ヘンな電話のことは忘れて、夕飯にしようぜ(笑)




今夜は、
・エビやホタテなど魚介を入れたホワイトシチュー
・サラダ
・朝食バッフェで多めにもらってきたベーグル
・キャベツを昆布塩で揉んだ浅漬け
・コカニー♪

カナダ旅記-11

2007-04-11 | Canada 2007
2月12日/午後の部。

昼ご飯はF社サービスの「サーモンランチ」。
ラウンドハウス2階のレストランで、サーモンのソテーをいただく。


2007年版サーモンランチ。アスパラは嫌いだ

ソテーは去年よりも、ずっと美味しくなっていた。
去年は「いくらカナダだからってやり過ぎだ」とツッコミたくなる
濃厚なメープルシロップ味のソテーで、鮭といえば塩焼き&醤油で
いただきたい日本人にはちょっと難しいひと皿だったけど、今年は
シロップ控え目で、ちゃんとサーモンの味がした。

もんちとやん様が、嬉しそうに食べている。
去年はもらったクーポン券を使う前に負傷してしまった2人。
それでも負傷後に、ブレックファーストクラブの朝食バッフェから
サーモンランチまで一気に平らげるというヘンな根性を見せていた
けれど、今年はちゃんと滑って食べるサーモンランチ。嬉しいね♪



午後もパウダーを求めて滑りまくる。
記憶が曖昧だけど、確か午後も「ハーモニー」「シンフォニー」を
中心に回した。たぶんね。


「今度はあっちのボウルに行ってみましょう♪」
「うぉぅっ! 柔らかいっ♪ いい雪ですね~~♪」

ミエコちゃんはとても楽しそうに滑る。
キャッキャ言いながらガンガン滑る。
今、一緒に滑っているこの5人の中で一番スキーを楽しんでいるのは、
間違いなくあなたです。リフトでそう告げると、照れ笑いで答えた。

「こんなにいい雪の日に、
 こんなにテンポよく滑れることも少ないもので。えへへ♪」


このごろ多忙で、ちょっと疲れが溜まっているというミエコちゃん。
休日はどう過ごしているのか尋ねると、滑るという。

滑るのが仕事で、それで疲れているというのに、まだ滑るの!?
そう驚く向きもあろうが、わかる気はする。
仕事で滑るのと、自分のためだけに滑るのでは、全然違うだろう。
やっぱりスキーが好きなんだね。

もちろん今日の彼女は、仕事として我らをガイドするために滑って
いるわけだけど、それでもガイドさんが気持ちよさそうに滑る姿を
見るのは、お客としても嬉しいものだ♪
なお、カオルくんの場合は自分が楽しすぎてお客を置いてけぼりに
する傾向があるので(シャモ実績)注意されたし。びしっ。



楽しい時間はあっという間に過ぎる。
「ハーモニーエクスプレス」を上ったところでちょうど2:00。

今日は天気もいいし、雪もいい。我らはもう少し滑ることにし、
ナイスなゲレンデガイドのお礼を言って、ここで解散となった。

で、ミエコちゃんは、ハーモニーリッジをつたって下山を開始。
我らは、リフトをくぐってリトルウィスラーに滑り込もうかと少し
迷って、結局、彼女と同じハーモニーリッジを選択した。

「まだミエコちゃんに追いくかな?」と滑り出したら、すぐ先で
ミエコちゃんが、轢かれたカエルのように潰れていた。



(イラストはイメージです)


どうすればこうまで潰れるのか。
「大丈夫~~~っ !?」
追いついて声をかけると、

雪に埋まっていた顔をガパッと上げ、ゴーグルの鼻カーブに雪を
くっつけたまま、目を真ん丸にして、彼女は言った。

「あいたたた……。いや~、一体何が起こったのか、気付いたら
 倒れてました~~(笑)
 あ、どうぞ私のことは気になさらず、さぁ、行ってください!」

でも、どこか痛んだりしてない? と、なおも立ち尽くす我らに、

「ほんっと大丈夫なんで。恥ずかしいんで!
 どうぞ行ってくださいっ! あ~もぉ~カッコ悪ぅ~~~!」


やっぱり疲れが溜まっているんだね。ミエコちゃん。
彼女の自尊心を尊重し、「気をつけて。夕方、ツアーデスクで♪」
そう言葉をかけてその場を離れた。


まだまだパウダーの残るウィスラーマウンテン、
浮かんで沈んで浮遊感、
滑って遊んで楽しんで、
後ろ髪引かれるなぁ…ってところで滑走終了。

『あと一本、そこがスキーのやめどころ』

何しろ先の長い旅、ほどほどが大事よ。

カナダ旅記-10

2007-04-10 | Canada 2007
2月12日/滑走2日目。

今日はビレッジから見上げて右側、ウィスラーマウンテンを滑る。
今日のうさぎさんチーム担当ガイドは、ミエコちゃん。
今日のうさぎさんは、4人。

4人ってつまり、やん様・はるさん・もんち・あたし。

プライベートガイドじゃん♪
ミエコちゃん、去年も駐在していたけれど、ガイドしてもらうのは
これが初めてだ。よろしくね。

ゴンドラで上がりながら、ミエコちゃんと改めて自己紹介。
彼女は我らを覚えていた。
「去年はカオルチーフのお客さんってことで、大人数のグループで
 いらしてくださいましたよね?
 それで確か、立て続けにケガ人が出ちゃって……」

「2日目のケガ人はわたしです」 やん様即答。
「3日目のケガ人はわたしです」 もんち即答。


「まぁ~~、そうだったんですかぁ!(驚) それじゃあ今回は、
 去年滑れなかった分までガツッと滑りましょうね!」

ミエコちゃん、張り切る。

山の上は期待どおり、いや、期待以上に積もっていた。しかも今は
晴れている。ビューティフル・パウダーDay♪
ラウンドハウスから板を担ぎ、PIKA'S トラバースをしばし登る。
昨日の酸欠体験がトラウマだが、パウダーのためと自分を励ます。

道すがら、ミエコちゃんから、昨冬の『スキー家族 若手ガイドに
連れられ禁止エリア昼抜き腹ペコ滑走3時間30分』(?)の節は、
なんとサンちゃんら当該ガイドだけでなく、カオルチーフ下の若手
全員が反省文を書かされた旨、激白を受ける。
鬼チーフ、カオル。

PIKA'S トラバースの左手には「バックボウル」という名の斜面が
広がっている。スト~ンと落ちていて斜度もそこそこ。パウダーを
滑るには最適だ。
飛び込むのによさそうなポイントを決めて板を下ろし。少し休憩。

「まずは私が様子を見てきますね」

そう言ってミエコちゃんが滑り出した。
偵察部隊を標榜してのスタートだったけど、その背中はどう見ても
ものすごく楽しそう。キャッキャと声もあがっている(笑)
我らもこうしちゃいられない。

それっ! とボウルに飛び込むと、
フレッシュパウダーが舞い上がった。


ソフトパウダーをたっぷり味わい「ハーモニーエクスプレス」へ。
いや~、最高の朝ごはんだったね~♪ なんて、みんなご機嫌だ。
次いで、新設リフトの「シンフォニーエクスプレス」を目指したが、
アバランチコントロールが終わらず、まだオープンしていない。

もう一度、ハーモニーエクスプレスを目指すことにして、今度は
ハーモニーリッジから雪庇ダイブに挑戦!……は、ムリ。
一応、滑走エリア内で正規に解放された場所なんだけど、雪庇から
斜面に飛び込むなんて怖いよ。スタートしてすぐのところなんか、
えぐれちゃってて足場がないじゃん。



雪庇 せっぴ: 読んで字のごとく「雪の庇(ひさし)」
吹きつける風が雪を稜線から徐々に押し出してできる
(イラストはイメージです)



結局、数カ所あるスタートポイントのうち、一番小さくて、すでに
大勢の人に踏まれて滑りやすくなっている、ジャンプの必要がない
箇所を選んで、それでもへっぴり腰でドロップイン。
ちょっと怖かったけど、おかげでパウダーがたっぷり残った斜面に
アクセスすることができた♪

滑っても、
滑っても、
パウダー♪

見渡せば、
まだまだ、
パウダー♪

4人+ガイド。わずか5人の少数部隊は、滑りのペースも快適だ。


B3の乗り心地もいい。
軽い板なのに安定がよくて、ブレたり、フラついたりしないね。
ふんふんなるほど。こういう板か(言うほど分かっちゃいない)


充実の午前中を過ごして、あっという間にランチタイムだ。

カナダ旅記-9

2007-04-09 | Canada 2007
2月12日/滑走2日目。

1日遅れの時差ボケか、朝5:00に目が覚める。外はまだ暗い。
起床時間まで1時間半あるが、目が冴えて二度寝は無理そうだ。

みんなはまだ寝息を立てているし、自分もムチ打ち症状が進んで
首がガッチガチだ。もうしばらくベッドでおとなしく時間を潰す。

部屋は最上階で、もんちとあたしが使うロフトには天窓がある。
ベッドで静かにしていると、雨が、けっこうな勢いで天窓を叩く
音がした。山では雪になっていますように……(祈)

もんちの眠りも浅かったらしく、雨音で目覚めたようだ。
起床時間6:30には少し早かったが、行動を開始することにした。

冷蔵庫に残っている生姜を刻み、レトルト味噌汁をあけた鍋に
加えてひと煮立ちさせる。「即席 わかめと生姜のあさげ」。

実は昨日から、やん様の体調がやや下降気味なのだ。
大阪から持ち込んだ風邪を発症しつつあるらしい。
風邪に負けるな、頑張れやん様。旅はまだ始まったばかりだよ。
というわけで、生姜パワーで温まってもらうことにする。
やおりの母ゴコロ。

とか言いつつ、味噌汁を用意する間、はるさんとやん様をロビー階へ
お遣いにやり、バッフェから朝食を調達してきてもらったりして。
さんきゅう2人。

ベーグル、胚芽パン、味噌汁、バナナ、オレンジジュース。
朝食を終えて出発準備を整える。



雨はあがり、ビレッジは曇り空。
ホテルからSpirit of North まで、はるさんを先頭に歩いてみた。
今回がウィスラーデビューのはるさん。ビレッジのレイアウトが
まだつかめておらず、我らを導く足取りはかなり怪しい。
視線もどこそこ泳ぎ気味で、わずか2、3分のあの距離で、角を一つ
曲がるのもギャンブルだったに違いない…。

はるさん、後ろでクスクス面白がっちゃって、ごめんね(笑)

カナダ旅記-8

2007-04-09 | Canada 2007
2月11日、晩。

・鶏モモ肉の生姜焼き
・パストラミハムとマーブルチーズのサラダ
・粉ふきいもの醤油バター仕立て
・サトウのごはん


ごはんを器に盛り付けないところが“男の料理”っぽい


鶏肉の生姜焼きは、やおり家の定番メニュー。
前夜、
やん様がホットワックスをかけてくれている間に鶏モモ肉を刻み、
もんちがたっぷりの生姜と合わせてくれた醤油ダレに漬け込んだ。
一晩寝かせて味がよ~く染みて、上出来よ♪(自我絶賛)



ウィスラービレッジでは夕方から弱い雨が降っており、夜になって
それがときどき雪に変わったりしている。
ビレッジでこの調子なら、山の上はいい感じで降ってるんじゃない?
327号室一同、期待がふくらむ。

明日のやおりは、ロシニョール・B3。

この日の夕方、スパイシースポーツで借りてきた。
来季そろそろスキーを新調しようと検討中なので、レンタル充実の
ウィスラーで気になるモデルを試乗しようと決めていた。

もんち、つ●こ、エーデル、つばきちゃん、パパちゃんなどなど、
周囲にB3派は多い。
「軽くて取り回しやすい」と、絶大な人気を博している板だ。
これまでロシニョールって履いたことないけど、みんながそんなに
絶賛するなら、よほどいい板なのだろう。
あたしにもフィットしてくれるだろうか?


明日を楽しみに、そろそろ休もう。


岩からスッ飛んだドジな我が身に、むち打ちの症状が出始めている。
ナイチンゲールもんちの介助を受け、首と肩に、湿布をベタベタと
貼りつけ、就寝。

カナダ旅記-7

2007-04-06 | Canada 2007
2月11日、午後の部。

ランチを終えて午後の部スタート。
天気は明らかに下り坂で、山を覆うガスはさらに濃く、視界は相当
限られた状態になっている。

それでもガイドのサンちゃんは、
「ではあちらへ♪」「次はこちらへ♪」「ついて来てくださ~い♪」
と、我らお客を楽しませようと元気いっぱいだ。立派になったなぁ。

ガスから逃げ、ブラッコムならではの林間コースでコブに挑む。


はるさん vs コブ


もんち vs コブ


やん様 vs コブ



続いて「7th ヘブン」へ上がったのだけど、ここはもう視界劣悪。
あたり一面まっちろけっけのホワイトアウト。少し先も見えない。
それでもサンちゃんの元気なガイドは続く。
一行はバウンダリーすれすれの◆コース「レイクサイドボウル」を
ずんずん進む。

トラバースを続け、かなり狭い岩場も抜ける。
「ここで踏み外すとガケに落ちます」みたいなところも多々ある。
視界が悪いためにどの程度のガケなのかが見えないのと、
近くに「接近戦」のおじさんがいるせいで、怖さ倍増だ。

しばらくして、広々としたバーンにたどり着いた。
晴れてりゃバキュ~ンと大回りでもしたいところだけれど、今日は
少しずつ、安全第一で行きましょう。斜面見えないからね。


と、思っていたのに、

あたしったらドジ。


先を滑っていったやん様が「もっとあっち、もっとあっち!」と、
大きなジェスチャーで教えてくれたのに、
あたしったら「もっとあっち」じゃなくて、「ちょっとあっち」
くらいのラインを滑ってしまった。
視界真っ白、行く手はどこまでもペッタリした斜面に見えたのよ…。





「あっ!」



気付いたときには、身体が宙に浮いていた。

そこにあるとは思いもよらず、雪をかぶった岩をジャンプ台にして、
躊躇なく飛び出してしまったのだ。
『トムとジェリー』とか、マンガであるでしょ。獲物を追い掛けて
夢中で突っ走り、そのままの勢いで崖から駆け出して最後に落ちる。
あんな感じ。
やん様の「もっとあっち」は、この岩を回避させるためだったのね。



空中、やばいと身構えて腰が引ける。

すごく高く、すごく長く飛んでるように感じられて、ビビる。


安全な着地のためには“空中でも重心はスキーの真ん中、手は前”
ってのが鉄則だと言うけど、そんなの最初からそのつもりで飛んだ
人ができることであって、気付いたら飛んでた場合はムリよ。

一応、足から着地はしたけど、ド後傾のためすぐに尻餅をつく。
おケツ、背中、後頭部を高速で雪面に打ちつけ、撃沈(痛)

この衝撃で唾石がズレませんように! と強く祈る。


「大丈夫か~~~!?」
みんなが慌てて寄ってきてくれる。


うぅ……。


手オッケー、
足オッケー、
頭オッケー、

唾石も……オッケー、たぶんズレてない♪

着地点が柔らかい雪でホントよかった。



頭を打った弾みで帽子とゴーグルがすっ飛んでしまった。
ゴーグルは内側に雪が入ってしまい、しばらく使い物にならない。
準備悪くスペアのゴーグルはホテルの部屋だ。
はるさんが自分のスペアを貸してくれた。ありがとう。

現場を離れてサンちゃんたちの待つポイントへ。
無事を伝えて滑走再開。
といっても、
流して滑ってグレイシャークリークに戻ったところで、もう2時。
ガイド終了時刻となった。


今日はもう天気の回復は見込めない。
じきに雪になりそうだし、明日に期待することにして、今日は我らも
早上がり。

(あたしはともかく、もんちとやん様が早上がりって信じられる?)

しかも下山前には、美味と評判のワッフル屋さん(クリスタルチェアの
降り場に建つカフェ)で「おやつ休憩」までしてしまった。

早上がり……、
休憩……、
我らもオトナになったのね(?)



ワッフルのかけらをかざしてやるとヒラリとやってくる
食いしん坊の鳥「ウィスキージャック」。手モデ:やん様

カナダ旅記-6

2007-04-05 | Canada 2007
2月11日、滑走初日。ブラッコムマウンテン。

まずは「エクスカリバーゴンドラ」「エクセルレイターチェア」を
乗り継ぎ、グレイシャークリークへ。
あまり寒くないせいか、上のほうはかなりガスっていて視界が悪い。
「ジャージークリームエクスプレス」を上がり、慣らしの一本。

1ヶ月ぶりのスキー。足元の感覚を確かめながら滑る。
この1ヶ月間、唾石にやられて散々だったし、薬も飲み続けていて、
体力は間違いなく落ちている……。

「へっぴり腰の自分」を覚悟して滑りだしたけれど、思ったよりも
スムーズに乗れて安心した。
やん様のホットワックスのおかげで、板の走りもすこぶる快調だ♪



再びグレイシャークリーク。
準備中だった「グレイシャーエクスプレス」が動き始めたので乗線し、
T-barを乗り継いでブラッコムグレイシャーを目指す。

ブラッコムグレイシャーの入口は、わずかに登りの傾斜があるので
板を担いで歩いていく必要がある。登るのがキライなあたしだって、
さすがにこれくらいの登りはへっちゃらだ。


と思ったら、
全然へっちゃらじゃなかった。


担ぎ始めてほんの数歩で、たちまち息が上がってしまった。
昨年、負傷前のやん様が見事な滑りを披露した◆◆(最難関コース)
「ブロウホール」の入口を過ぎる頃には、心臓はありえないほどの
高速で脈打ち、呼吸はさらに乱れて酸欠の一歩手前。
足にもまったく力が入らない。ここはツェルマットか?(疲)

ガイドのサンちゃんを先頭に、うさぎさんチーム御一行はずいずい
登って行くが、あたしはもはや限界だっ。
ボウルをトラバースしながら登り続ける一行の数十メートル下方を
並走するかたちで、よりマイルドなラインをひーこら進む。

この数十メートルの差で、一行は3ターン分のパウダーを手に入れ、
あたしはそれを、ポカンと口を開けたアホ面で見上げた。


呼吸を整え、気を取り直してブラッコムグレイシャーを滑る。
ひどい曇天で斜面が見づらいが、ここは大きく開けたバーンだし、
岩が出ている場所もない。まずまずの滑り心地だ♪

途中、うさぎさん一行の構成員、他グループで参加のおじさんに
煩わされた。この広いゲレンデで、人の近くばかりを滑るのだ。
けっこうな飛ばし屋で、イヤらしいことに人のすぐ脇をかすめる
ように追い越してゆき、最後には自分で自分のスピードに負けて
自爆するというパターンを繰り返している。危険すぎる。

はるさんが煩わされていた。
あたしも後ろから接触された。
他の誰かも巻き添えをくって転ばされていた。
おじさんを「接近戦」と命名し、車間距離を保って滑走続行。


やがて、
ボウルを抜け、長い廊下を滑り、
「エクセルレイター」に乗線。リフトを降りるともうお昼だ。
1本の滑走距離の長さを実感する。


グレイシャークリークで昼食をとり、午後に備える。

カナダ旅記-5

2007-04-03 | Canada 2007
2月11日/滑走1日目。

初日はF社ガイドにゲレンデ案内をしてもらいながら滑るので、
指定された時間の5分前、8:25に、Spirit of North 前へ行く。
ちなみに Spirit of North は撤退して空き店鋪になっていた。


左から)トリうさぎ、イノシシうさぎ、サルうさぎ
2週間滑り続けることを計算して遊びましょう



8:30になると他のお客さんも大勢集まってきた。
F社ガイド陣も登場し、昨日のうちに申し込んでおいたレベル別の
グループと担当ガイドを発表してくれる。我ら“やん様一行”は
「うさぎさんチーム」。今日のうさぎさんは総勢12名、ガイドは
サンちゃん……。


昨年の『スキー家族で行くウィスラー』で、
あろうことかガイド本人も行ったことのないゲレンデ外の滑走禁止
区域に我らお客を連れ出し、いつ果てるとも知れない、長く険しい
林間を延々3時間30分(なんと昼メシ抜き)滑らせ、最後はお客も
ガイドも無言&ヨレヨレになりながら、やっとこさ下山したという、
とんでもない一日があった。
そのとき2人いたガイドの一方が、サンちゃん。

しかもサンちゃん、
このロングランが原因でスタッフミーティングに遅刻してしまい、
カオル主任(当時)に禁止エリア滑走がバレるに至って逆鱗に触れ、
めたくそに怒られた上に反省文の提出を課され、この反省文作りが
よほど辛かったのか発熱(知恵熱?)しちゃって翌日欠勤。

そんなサンちゃん。
今年はよろしく頼むわよ。


……と、


「おい、ちょっと! グループ分けなんて話、聞いてないぞ!」


穏やかな朝の空気をこわす、怒気をはらんだ声があがる。
単身参加らしい、基礎系バリバリふうの頑固そうなおっさんだ。

曰く、
昨日の夕方ツアーデスクには行ったがグループ分けのことは誰も
案内してくれなかったぞ。ずいぶんひどい扱いだな(怒)

なに? うさぎが上級、ねずみが中級、かめが初級……? じゃあ
私は当然うさぎだ。なんだって? うさぎは定員オーバー?(怒)

じゃ何か? この私に中級レベルのグループで滑れと、キミらは
そう言うのかっ(怒)



おっさん語気荒くF社ガイド陣に詰め寄る。
若手中心のF社ガイド陣、おっさんの剣幕に押されてやや劣勢だ。
と、赤いウェアの男性がどこからともなく現れ、おっさんの肩を
そっと叩いて言った。

「○○さん、集合場所はあちらです」

F社ガイド陣に軽く会釈し、おっさんを連れて立ち去る男性。
赤いウェア、その背中には業界大手「L●●K J●B」のロゴ。


…。

……。

………。


おっさんよ~。
しっかりしろよな~~。
利用ツアーも集合場所も、間違いだらけじゃんかよ~(呆)




気を取り直して出発だ。
初日の今日はベースから見て左側のお山、
ブラッコムマウンテンを滑るってさー♪

カナダ旅記-4

2007-04-02 | Canada 2007
16:00頃(だったかな)、ウィスラー到着。

滞在先は「ウィスラービレッジイン」。
ドライバーさん(日本人)が曲がる信号を間違えて、高級ホテルの
「デルタウィスラー」に横付けしちゃったけど、なんとか到着。

ビレッジインでは、後に我らが
「お稚児さん」だの「歌舞伎界のプリンス」だのと呼ぶことになる、
童顔だけど涼しい目元がチャーミングな新人ガイド・イトウくんが
チェックインと各種案内をしてくれた。


今回の滞在はロフトタイプのコンドミニアムで、4人同室。
自炊を絡めることで滞在費を安くあげる算段だ。

通されたのは、327号室。
ここはずばり昨年1月『スキー家族で行くウィスラー2006』で
隊長・たつ兄・やん様・ふっしーが利用した部屋である。
「突撃となりの晩ご飯」と称して各室からここへ手料理を持ち寄り
みんなで宴会をした楽しい時間は、今も記憶に鮮やかよ♪


荷物をある程度ほどいたところで、晩メシに繰り出すことにする。
初日の晩メシは昨年と同じと決めていた。


『クレープ・モンターニュ』@マーケット・プレイスの、
マッシュルーム・チーズフォンデュー!


フォンデューのほう大変アツくなっておりますので
お気をつけてお召し上がりください


食後には、これも昨年同様、
レストランと背中合わせに建つスーパーで自炊用の食材を購入。
肉、魚、野菜、牛乳、パスタ、ミネラルウォーターにアイスにチーズ、
次々カゴに放り込み、最後に量り売りのお菓子売場(セルフサービスで
好きなだけ袋詰めできる)で、かなり盛り上がるオトナ4人。

栄養ドリンク(ビール)も忘れずに購入し、部屋に戻る。


荷ほどきを再開して思い出した。
あたしったら、出発前に板にワックスをかけられなくて、とりあえず
持って来ちゃったんだった……。準備不足も甚だしい。

そんな話をしていたら、
やん様がホットワックスをかけてくれると言う。まじ!?
え? やおりには世話になってるから? そうでしたっけ?
は? 滅多にないことだから、親切は素直に受けておけ?
そうですか、では、お言葉に甘えて……♪

ありがたやありがたや。
親切をいただいてばかりでは申し訳ないので、この時間を利用して、
あたしはもんちと一緒に、明日の夕飯の下ごしえ。
はるさんは就寝に備えてソファの位置を整えたりしている。


ワクシングも料理の仕込みも済んで、到着日の夜がふける。
はるさんとやん様はリビングのソファベッド2台をそれぞれ利用し、
もんちとあたしは、ロフトに1台ドンと置かれたクィーンサイズの
ベッドで添い寝♪


明日の起床を6:30と確認し、各々ベッドにもぐる。
もぐった途端に方々から寝息があがる。

「申・酉は寝つきがいいんだね~」などと独りごち、
消灯・施錠をして最後にベッドにもぐり込んだ亥も、
目をつぶった途端に眠りに落ちた。