やおぶろ vol.2

スキー大好き、やおりのブログ。

カナダ旅記-18

2007-04-16 | Canada 2007
2月14日/滑走4日目・午後の部。

ランチを済ませ、午後は「ピークチェア」に乗線。
ウィスラーボウルへ入るが、視界は悪く、ホワイトアウト状態だ。
ここは斜度のキツいコブ斜面なのだが、あたり一面真っ白で、自分の
足元がどうなっているかも見えない。
っていうかどこが斜面なのか見えない。

先頭を行くカズキも、入口のコブにバランスを崩してペタンと尻餅。
その姿が、バスタブに浸かっているみたいに見える。


ボーダーカズキ、リラックスバスタイム
(イラストはイメージです)



「言うまでもないと思いますが、ここコブですよ」

すました調子で我らを振り返るカズキ。
的確なガイド、みごとだわ(笑)

かくいうあたしも人のことは笑えない。
ボウルの中腹でコブに弾かれスコーンと転倒。板を1本外して斜面を
転げ落ちてしまった。
後方のはるさんに板を集荷・配達していただくなどご面倒をおかけし、
先方のもんちたちには「大丈夫か? 唾石はズレていないか!?」などの
ご心配をいただきつつ滑走を続ける。諸々大丈夫です。

それにしても、
斜面も視界もすべてが単一の白さに見えるガスや濃霧、曇天の中を
滑っていると、平衡感覚が乱れて気分が悪くなる。
目眩か、乗り物酔いみたいな感じ。…うぅ、きぼぢわるいぃ…。
ランチを軽めにしといてよかった。

白一色のウィスラーボウルを、それでも2本続けて滑る。
みずからの三半規管を痛めつけるM度の高い2本だ。


2本目のウィスラーボウルを抜けた頃、ガスを抜けた。
弱いながらも一瞬の陽射しが戻り、行く手の見通しもいい♪
林間に飛び込むカズキについていくと「おぉ~、まだあるじゃん」
とニヤけてしまうほど上質のノートラックが残っていた。
木の間隔もほどほどで滑りやすい。カズキ、ナイスガイド!

夢中で林間を遊び、少し斜面が開けたところでひと休みする。
我らの他に人はいない。
静かだし、雪はいいし、なんていいコースなのかしら♪
でも待てよ。この静けさ、去年もあったような…。
まさかと思うが念のため、メイ アイ アスク ア クエスチョン。

「ねぇねぇカズキくん、ここってゲレンデエリア内だよね?」

「すみません、ついさっき禁止エリアに出ました(笑)」


グーでぶつよ。

もちろん本当はちゃんとエリア内。「グランドフィナーレ」という
コースだ。
なんでグランドフィナーレ? 我らはまだ先の旅程のある身なので
ここでフィナーレは迎えたくないが、この山のコース名って面白い。
それぞれの由来がわかればいいのに。

グランドフィナーレから、やはり個性的な名の“ハイウェイ86”と
いうコースに合流し「ビッグレッドエクスプレス」に乗線する。
リフト待ちの列で、日本人の気さくなおじさんと一緒になった。

カズキ曰く“スーパーリピーターのタナカさん”だという。
タナカさんは、
ウィスラーが好きで、滑りも滞在もマイペースで楽んでいるという
元気なおじさん。1本一緒に滑ったが、すばらしい脚前だった。
あれだけ上手くて、好きなときに好きなだけ海外で滑れるだなんて
羨ましいね、何やってる人なんだろうね?

何やってる人も何も、F社の社長さんだった(あとになって判明)

社長が来てるとなるといろいろ面倒があるのか、身分を明かさず、
スーパーリピーターということにして滞在してるんだって。

そうだったのか…。
社長さんと存じあげていれば、毎シーズンのように楽しい旅を提供
してもらっていること、あるいは、すでに退社した元ガイドの名を
冠した企画旅行を、今年も変わらず催行してくれる懐の深さなど、
あれこれお礼の気持ちを伝えたいところだったのに。
あぁ、あと、パンフレットがデカすぎることも、ぜひ伝えたかった。

カナダ旅記-17

2007-04-16 | Canada 2007
2月14日/滑走4日目。

どこか不安を感じながらのスタートだったけど、カズキのガイドぶりは
悪くない。むしろナイスガイドだ。
広いゲレンデを縦横無尽に、ムダなく、いいペースで案内してくれる。
スノボで我らを先導するんだけど、すばらしく快速♪

まずは整地をギュ~ンと飛ばして足慣らし。「エメラルド」を上がり、
明日のパウダーに備えてシンフォニー方面のお薦めコースを教わる。
コースのことは、名前を聞けばだいたい分かるというやん様に任せて、
他3名は休めの姿勢で呑気によそ見♪
続いて、距離を稼げるラインを選んで「ハーモニー」まで下りるが、
朝イチからの天候調査が解けず、まだ動いていない。
山頂エリアは荒れ模様らしい。ストームが来ているのね♪

オープン見込みの立たないリフトを待つのは時間のムダだ。
廊下を下り「ガーバンゾー」に乗線。アッパーデイブマーリーを
目指すことにする。ここは2010年冬季オリンピックの男子ダウン
ヒルレースに使用される予定のコースだ。

だが、コース入口では、スタート小屋のおっちゃんに怒られた。
「こら君たち、ダメだ。このコースはクローズだよっ!」

「え~そうなの? ついこないだは滑れたよ?」
カズキが食い下がる。

「こないだは滑れても今日はダメ! 閉鎖のロープがあっただろ!」
我らの後方をおっちゃんが指差す。

振り向くと、

ほんとだ。

オレンジ色のロープが張ってある。

一体いつの間にくぐってしまったのか……。


このコース、今日はどこぞのレーシングチームの練習に充てられる
らしく、一般客は滑走禁止らしい。残念。
それにしても危ない危ない。いくらゲレンデ内とは言え、カズキに
連れられて、また今年もロープをくぐってしまった(笑)


デイブマーリーを諦めクリークサイド方面へ進路変更。2010年の
女子ダウンヒルコースを滑る。
中腹はみぞれ。ガスが濃厚で視界が悪く、あまり間隔を開けると、
前の人の姿がすっかり霞んでしまうほどだ。
他コースと合流して混雑する箇所もあるので注意して滑る。

さらに滑ってガスを抜ける。視界がクリアになりホッとする。
クリークサイドのベースまで、ほぼ一気に駆け下りた。

「少し休憩しますか?」
カズキが4匹の老齢うさぎを気遣い、クリークサイドベースのカフェを
示し提案してくれるが、首を縦に振る者はいない。
もう11:30だし、ゴンドラと「ビッグレッド」を乗り継いでラウンド
ハウスに戻ればちょうどランチタイムじゃん。
ここで休まず、とりあえず乗っちゃおうよ、ゴンドラ。

ガズキが少しがっかりした顔を見せた。
ここで一服したかったのはカズキ本人らしかったが、だめ~!
あんた去年はカオルチーフの待つスタッフミーティングに遅れまいと、
我らをクリークサイドに残してスタコラ帰っちゃったでしょ。

今年はあなたの好きにはさせません(毒)