やおぶろ vol.2

スキー大好き、やおりのブログ。

カナダ旅記-25

2007-04-20 | Canada 2007
2月16日/滑走6日目。

ウィスラーゴンドラを降り、ラウンドハウス前で一旦スキーを置く。
カオルくんはもう滑ってるかな? キョロキョロ見渡していたら、
カオルくんはラウンドハウスから現れた。おちっこしてたんだって。

「カオルくん、今日のガイドはミエコちゃんだったよ。
 ほらミエコちゃん、こちらが本日のスペシャルゲストよ♪」

ワクワクしながら2人を引き会わせたけど、
ミ「ご、ごぶさたしています…」
カ「久しぶりだね」
短く言葉を交す程度で、なんとも言えない不思議な空気が漂った。
カオルくんは「現役ガイドと一緒じゃあ“ワンパクなコース”に
行けないじゃん」なんて笑っているけど、ミエコちゃんのほうは
すっかりやつれちゃってる。ゴンドラに乗ってる間に4kgくらい
痩せちゃったんじゃないか?

まぁまぁ、今日も楽しくガイドしてちょうだいよ!
パンパンと肩を叩いたら、ミエコちゃんが弾みで力なくよろけた。


「わたしは最後尾をそっと滑らせていただきます…」

細い声でつぶやくミエコちゃんを叱咤激励し、先頭に立たせて滑走
開始。まずは「エメラルドエクスプレス」を目指すオープンバーン。
きれいに圧雪がかかって滑りやすい。

ばびゅ~ん! と気分よく飛ばしてリフト乗り場を目指すが、なんせ
長いんでね。ノンストップってわけにもいかず、呼吸を整えるために
一旦停止。さすが滑走6日目、朝の1本目なのにすぐに疲れる。
さすがのもんちも「ひ~! モモパン、モモパン~」と悲鳴をあげる。
註)モモパン=モモがパンパン


振り返るとカオルくんがいない。
「リフトをはさんで反対側のコースを滑ってった」とやん様。
なるほど、ガイド・ミエコにいらぬプレッシャーをかけまいとして
コースをちょっと変えたりして、元上司の思いやりか?


今日のあたしは昨日より5cm 長いK2パブリックエネミー164cm。
わずか5cm 違うだけなのに、さすがに大回りでは安定感がある。
脚の力で回そうとするのでなく、板に身体を預けるようにすると、
板がターン弧いっぱいにカーブしてくれる。楽しい板だ。
林間で回そうとすると、昨日と比べてちょっと引っ掛かるところも
あるけど、うん、悪くないね♪(言うほど分かっちゃいない)


K2パブリックエネミー164cm。楽しい♪


「エメラルド」乗り場で再び全員集合し、乗線。
懇意のワンゲルさんが無期限でカオルくんに貸与してくれたという
アトミックのスヌープダディ(そんな羨ましい話があっていいのか)、
滑る前には「俺にはちょっと長いんだよね。ちゃんと扱えるかなぁ」
なんて心配していたけど、カオルくん、かなりご満悦の様子だね♪

昨日は暴風メインのストームに疲労困憊の一日だったが、山の上は
夜のうちに降ったらしく、いい雪が積もっている。というわけで
リフトを降り、板を外してPIKA'S トラバース。今日も登りか…。

カオルくんと世間話をしながら歩くが、案の定すぐに息があがる。
今回のあたしは病体であり、普段から苦手な登りをことさらキツく
感じていることは、カオルくんには申告済み。酸欠を回避するため
「やおりはこれより黙ります」
と申し送ると、
「あはははは♪」って、軽~く笑われた。笑うな。

呼吸を乱さぬよう、ゆっくり歩く。
でもやっぱりキツいので、顔がだんだん下を向いてしまう。
ずっと先を歩いていたやん様が、立ち止まってこちらを見ている。
待たせてごめん。今いきます。

やん様に追いつき、さらに歩く。
スノーモービルが1台、ドド~ッと我らを追い越して行った。




コラボ旅記 カオルブログ『孤高のハダカの王様』
「その時ガイドは……!?」好評連載中
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カナダ旅記-24

2007-04-20 | Canada 2007
2月16日/滑走6日目。

8:30、Sprit of North 前。

金曜の朝、我らのほかにF社のお客らしき人の姿はない。

パッケージタイプのツアーは9日、8日、7日と旅程もさまざまで、
全日程びっちり滑り倒す人(我ら)もいれば、ウィスラー滞在後に
バンク-バーに移動して観光やショッピングを楽しむ人もいる。
すでに帰国した人もいるだろう。
それに金曜日ともなれば、たとえ滑るにしてもガイドにはつかず、
自分たちのペースで気兼ねなく滑りたいと考えるかもしれない。


曇天のビレッジも、今朝はどことなく静か。
きたる週末の賑わいに向けて、街全体が体力温存しているような。
ともかく我らのほかに日本人の姿は見当たらない。



そこへ、

今日の餌食がやって来た。

違った。

今日のガイドがやって来た。


「おはようございま~~す♪」

ミエコちゃんだ。

お客が少なきゃガイドも少ない。
ミエコちゃんは単身で登場。ほかのガイドは現れない。
かめさんチームも、ねずみさんチームも、今日は発足しないのだ。


おはようミエコちゃん。今日のうさぎさんチームは我らだけ?

「そうなんです♪ あと、Iさんが付かず離れずでご一緒します」


F社のスーパーリピーター、ウィスラーの仙人と謳われるIさんも、
ミエコちゃんのすぐあとからやって来た。
Iさんはガイド以上にウィスラーの隅々まで知り尽くした人だから、
ガイドなしだって十分に滑れる人だけど、今日は人数も少ないので
“付かず離れず”で滑るという。
年齢不詳、雰囲気独特、存在感抜群、滑走技術圧巻、そんなIさん。


なるほどね。
それじゃあIさんがいらっしゃるとは言っても、基本的には今日も、
ガイドにつくお客は我ら4人だけなんだね。
むふふふ……♪

あのねミエコちゃん、実は今日はね、スペシャルゲストが来てるのよ。
だからぜひとも気合の入ったガイドをお願いね♪
すでに山に上がっているゲストも、そりゃあ楽しみにしておられるわ♪
むふふふ♪♪♪


ここまで言ったところで、ミエコちゃんの顔がサァッと青ざめた。



素直にビビるミエコちゃん。頬がひきつっている


「え、えっ? だ、誰ですか? えっ、まさか……!?!?!」


実は数日前のツアーデスクで、
「週末、カオルくんが来るってよ」という話は、ちょっとしたんだ。
だけど若手ガイド陣はみんな忙しくしていたから、話半分で聞いてて
そんなの覚えてないと思ってた。
でもさすがミエコちゃん、記憶もいいし察しもいいね(誉)


「誰って…、それは上に着いてからのお楽しみだよぅ♪」

答えをはぐらかす我らのニヤケぶりから、ミエコちゃんはスペシャル
ゲストの正体を確信したようだった。


「あの、あのっ! わたし帰ってもいいでしょうか~~(泣)」

本気で後ずさるミエコちゃんの腕を、もんちがガッチリつかまえる。
「捕らえられた宇宙人」みたいにぐったりしてしまうミエコちゃん。
動揺のあまり視線が定まらないが、その眼差しはすでにうつろだ。

職務を離れてなお、元部下をここまでビビらせるカオルくんって…。



全身が黄色に発光する宇宙人ミエコ。
すっかり脱力したその小さな身体をみんなでズルズルと引きずって、
ウィスラーゴンドラへ向かう。


ほんとは、集合してみて我ら以外にうさぎさんメンバーがいたら、
我らはガイドを断ってフリー滑走にし、カオルくんと5人で滑れば
いいね、という考えもあった。

しかしお客が我らだけとなると、せっかく支度を整えて来てくれた
ガイドさんに「やっぱ今日はいいや」なんて言うの悪いじゃない?

それに、ミエコちゃんの動揺ぶりはあまりに面白すぎた。
こんなにビビリまくる姿を見たら、これはもう連れて行かないワケ
にはいかない。悪ノリ4人の、いたずらのムシが騒ぐ。

さ、行こうミエコちゃん。

今日も楽しい一日になるよ、きっと♪




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