やおぶろ vol.2

スキー大好き、やおりのブログ。

カナダ旅記-22

2007-04-18 | Canada 2007
2月15日/滑走5日目・夕刻。


やおりを探せ! photo by はるさん

暴風にコテンパンにやっつけられて終わった5日目。
註)やっつけられたのはあたしだけ、か。

もんちは部屋に戻る前からソワソワしている。
っていうかすでに目がハートになっている。無理もない。だって今日は
この327号室に、もんちの大好きなウト先生が往診に来てくださるのだ。
イチロー似のオトコマエ。静かな物腰と確かな腕に、もんちメロメロ。

もんちだけでなく、やん様も、はるさんも診ていただくんだって。
身体ケアは大事だもんね。
あたしもお願いしたかったが(去年は膝や腰を診てもらい、滑走中の
正しい姿勢についてアドバイスをいただいた)、何かの拍子に結石が
ズレても怖い。今回はみんなの様子を眺めるにとどめる。

先生の到着を待つ間、はるさんとあたしはレンタル屋へ。
雨でびしょ濡れのコースを滑ったために、すっかりワックスがはげて
しまったパブエネを交換してもらう。
あたしはターンの安定を求めて159 →164cm にサイズアップ。
はるさんは、さばきやすさを求めて174 →169cmにサイズダウン。


部屋に戻るとウト先生の往診が始まっていた。



ウト先生のゴッドハンドにもんちメロメロ


そこへ、部屋の電話が鳴る。
カオルくんだ。

「明日は予定どおりそっちへ行くよ。一緒に滑ろうね♪
 朝5時にこっち(バンクーバー)を出るバスを予約できたから、
 ウィスラーには7:30くらいに着くはずなんだ。
 着いたらホテルに寄るからさ、みんなの部屋に荷物置かせてよ。
 それから明日の夕飯は美味しい手料理を期待してるからね♪」

要は、荷物置き場の確保と夕飯のおよばれ催促が主題の電話である。
荷物置き場の提供は可能だが、夕飯は不可。だって“トラットリア
327”は、昨日をもって惜しまれつつ閉店しちゃったんだもの。
冷蔵庫にはもう食材はない。ビールしかない。

「じゃあ外食か買いメシだね。とにかく明日ね~♪」
言葉を交して電話を終える。
やがて施術も終了。3人のカラダバランスも整ったところで、夕食に
出かけることにする。
行き先は、モンゴリグリル(Mongolie Grill)と決めていた。

去年の『家族でウィスラー』で、遅刻到着のふっしーのウェルカム
ディナー会場となったレストラン。建物の2階にあるし、けっこう
歩き回るスタイルの店なので、脚を負傷していたもんちとやん様は
去年は行くのを控えたんだよね。リベンジ2007。

モンゴリは、肉、魚介、野菜など、思い思いの食材をボウルに入れ、
好みのタレをかけて計量すると重さで料金が決まる。このボウルを
店員さんに渡すと、鉄板でジュージュー焼いてくれる。
出来上がりを皿に盛ってもらってテーブルに持ち帰り、そこでやっと
夕飯がスタートするという寸法だ。

やん様の皿は、「激辛ラー油炒め」だった。
ラー油ってさ、どんな料理だって数滴たらせば十分でしょ。それを
やん様ときたら、普通のソースだってそんなにいらねぇだろ、って
くらい大量に回しかけるんだもんね。アホやで。
食べながら、汗がジャージャー流れてたな。おデコや首筋だけじゃ
なく、顔全体で発汗してた。Tシャツもびしょびしょになってた。
でもここで大汗をかいたおかげで、風邪が抜けたみたいだった。


満腹で部屋に戻り iPod で『世良公則 & ツイスト』を流してみる。
名曲『宿無し』、気合十分の「Want You ! 」に昭和を感じる。

持ってくるのを忘れたと思ってたあたしのワックスも出てきた。
はるさんのスーツケースに、いつの間にか大事にしまわれていた。
博多にお持ち帰りにならなくてよかったよ。


明日はいよいよウィスラー滑走最終日だ。
カオルくんもやって来る。


カオルくんは明日の晩、ウチの部屋に泊まっていくという。それで
翌日早朝のバスでバンクーバーの自宅に戻り、すでにパッキングを
済ませてある「カオル企画」用の荷物を持って空港へ向かうそうだ。


それにしてもウチの部屋にお泊まりか。楽しくなりそうだね♪

でも待てよ。
その場合、彼は誰に宿泊費を払うんだ?

F社に払うのか?
ホテルに払うのか?

……? 

払わないのか?


明日はいよいよウィスラー滑走最終日だ。

カナダ旅記-21

2007-04-18 | Canada 2007
2月15日/滑走5日目・その2。

ブラッコム。

ウィスラーのボウルがダメなら、ブラッコムの林間がある!
なんて言ってこっちに来たのに、やん様ったら、
「今日もスパンキーズ・ラダー行っちゃう?」
だって。
「雪がついてるはずだから、登りも一昨日よりきっとラクだよ」
だって。


あたし一昨日、けっこうヒヤヒヤだったんだけどな…。
ここ数日、やん様は風邪の症状が進んでいて、部屋に戻るとえらく
ヘロヘロなのに、どうしてゲレンデに出るとそんなに元気なの?

「お、いいね♪ 行こう行こう♪」
もんちもノリノリだ。
もんちはね、実はカナダ入りする前のニセコで脚を痛めている。
それもあってウト先生の整体をまめに受けてるってのに、やっぱり
ゲレンデに出ると、ものすごい元気なんだよね…。

「一昨日より登りやすいといいね。向こう側も雪ありそうだし」
はるさんもノリ気かぁ……。


「よ……、よし。行こう」
ビビりつつも、やおり同意。
こう見えても(?)あたしはこのメンバーでは最年少。隊の和を乱す
わけにはいかない。も~、こうなりゃ俺もオトコだっ!(オンナです)

「グレイシャーエクスプレス」を降り、スパンキー入口へ急行する。
今日もやん様を先頭に、登はんスタートだ。


おっ♪
確かに足場は、一昨日より雪がついていて登りやすい。
それでも最後の数歩は角度的によじ登る感じになるから、今日も
先頭のやん様にストックを託し、スキーを支えに歩を進めていく。

進めていくが……



ドゴゴーーーーーー!!!



突如吹き荒れ始めた強風が、岩壁に貼りつく我らをたたくっ。
脚を一歩引き上げるたびに、風でバランスを崩してしまうほどだ。
負けるな自分。隊の和を乱すわけにはいかないのだっ。
でも……
こえ~~~!(泣)


前を行くもんちも、
「うぉ~! よろけるぅ~!」

と、あまりの風に手こずっている。
だけど正確に描写すると、

「うぉ~♪ よろけるぅ~♪」

のほうがより近い。
もんち、楽しいんだね(泣)


どうにかこうにか岩壁を登りきり、トップの平地に辿り着いたが、
風はなおも勢いを増し、容赦なく我らに襲いかかる。
ここは山の稜線。さえぎるものが何もない、風の抜け道なのだ。

強風をはらんでウェアが膨らみ、ライフジャケットみたいに見える。
あるいはお相撲さんの着ぐるみみたいにも見える。胴体でけぇ。
パブエネを支えに踏ん張ってみるが、この板の太さがアダになった。
板がちょうど船の帆のように風を受けて、決して軽くはないはずの
我が身が、板もろともあらぬ方向にトトトッと歩かされてしまう。
これはきっと、あたしが生涯で吹かれたなかで最強の暴風だ。
た~~すけてぇ~~~~~~(泣)

「しゃがんで、しゃがんで!」

吹きすさぶ風の中、やん様の指示に従い、みんなで身をかがめる。
っていうか、もはや立っていられない。
しゃがんでいたのはほんの10秒くらいだったと思うけど、終わりの
見えない時間は実際より長く感じるものだ。
一体いつまで吹きつけるのか?
この風がずっとやまなかったらどうすりゃいいのか?
などと本気で考えるビビりのやおり。


これが、待ち焦がれていた今日のストームの正体だったとは……。



タイミングを見計らって立ち上がり、できるだけ素早く板を履いて
滑り出す。ルビーボウルを行こうとしたがいたるところに岩が出て
危険と判断し、ガーネットボウルからダイヤモンドボウルを下りた。
その後はランチタイムをはさんで当初予定されていた林間へ。
ラプターズライドとか、ストーカーバンプスとか……。

ランチタイムにもんちが「去年、みんなで富士山滑走をしたときも
すごい風で、さっきみたいにしゃがんでこらえたんだよ」と教えて
くれた。
そっか。はるさん・もんち・やん様は富士山で経験済みだったのか。


だけどもう、

やおりはスパンキーでくらった暴風で腰が抜けました。

午後は使い物になりませんでした。


やおり腰くだけ。滑走面と股間しか写っていない