やおぶろ vol.2

スキー大好き、やおりのブログ。

カナダ旅記-14

2007-04-12 | Canada 2007
2月13日/滑走3日目・その2。

「ガーネットボウル」を無事に滑りきり、「エクセルレイター」へ
至る長~~い廊下を走る。
ゲレンデサイドに戻ると、天候が不安定になっていた。下のほうは
みぞれ。でも「ジャージークリーム」に乗り継ぐと、雪になった♪

リフト上、帽子やウェアにどんどん積もっていく雪にニヤけながら、
今後の滑走について作戦会議を開く。
議長はやん様、書記はもんち。


議題【滑走エリアの確定】
提案者:議長
今日のブラッコムは、セブンスヘブンがオープンしそうにない。
しかし雪はこれだけ降ってきている。
どうだろう、ここはひとつ4人だけで滑っている身軽さを生かして、
両山制覇というのは。
いいあんばいで腹も減っているし、 一旦ベースへ降りて昼食をとり、
その後、パウダーを期待してウィスラーマウンテンに上がろう。


→ 賛成です、議長。



続いての議題は【レンタルスキー】
発言者:やおり
ロシB3は今日まで。やおりは次に何をレンタルするか検討中です。
やん議長、何かお薦めの板はありますでしょうか。
と尋ねたら、

「ナンスィー ナンスィ~♪」

やん議長はひどく調子っぱずれの節回しで1フレーズだけ唄った。
この雪にご機嫌で、ちょっとおかしくなっているようだ。
笑い過ぎて、もんちがリフトから落ちそうになる。

「ナンシー無理ですっ」
せっかくの議長の提案だが、ほぼ即答で否決。


おかしくなってきた議長

だってナンシーって、K2レディースの中で一番のファットだよ。
議長が履いてる「セス」の彼女的格付けにあるファットツインで、
プロポーションは上から128/95/118。
要は、ヘリスキーの時に借りるような板なのだ。
そんなの体力減退中のあたしが、ゲレンデで回せるとは思えない。

はるさんも自前は比較的 細身のスキーであり、せっかくの機会
なのでレンタルをしてみようかと言う。
それを聞いてまたしても議長が唄う。

「セス セス~~♪」
「パブエネ パブエネ~♪」(=K2 パブリックエネミー)


もんち書記、議長のこの不適切発言は記録から削除してください。
はるさん、議長の言うことはあまり参考にしないで、今日の夕方、
あたしと一緒にレンタル屋さんを覗いて歩きましょう♪
議長は帰国後、ヤマハ音楽教室にでも行って音感を養ってください。



会議場(ジャージークリーム)を後にし、ビレッジを目指す。
選んだルートは「NINTENDO パーク」横の、キャットスキナー。
昨年やん様が負傷した、因縁のコースだ。

ここがまさに現場と思われるあたりで一旦停止。
今回の旅を安全に、ケガなく滑りきれますようにと4人で祈願。

気持ちも新たに滑走再開。
ほんと、ケガなく滑りきろうね……。

落とし物のゴーグルを拾得しリフトスタッフに届けるなど、小さな
オコナイもカウントしつつ、ブラッコムマウンテンを下りる。



ロングホーン・パブ店内は撮ったけど…

ランチはゲレンデベースの正面に建つ『ロングホーン・パブ』で、
看板メニューのロングホーン・バーガーをいただいた。
巨大ビーフパテにチーズ、ベーコン、マッシュルーム、オニオンが
乗ったバーガーに、ありえないくらい山盛りのポテトが付く。

すごいボリュームで、大迫力のひと皿だったのに、我らときたら
あまりの空腹ですぐに手をつけちゃって、撮りそびれ。
悔やまれる……。


カナダ旅記-13

2007-04-12 | Canada 2007
2月13日/滑走3日目。

火曜日。
今日は毎週恒例で開催されるF社主催のタイムレースの日なので、
ガイドサービスはない。
レースにまるで興味のない我ら、今日はフリーで滑ることにする。

この広大な山のコースレイアウトが、概ね頭に入っているという
やん様をリーダーとあがめ、ブラッコムへ上がる。
昨日のパウダーが湿り気を帯び、やや重たい雪になってはいるが、
滑りにくくはない。今日もあたしはB3をお試し中だ。

ちょっと流して身体を温めたところで、リーダーが言った。
「ブラッコムグレイシャーに行ってみよう」


ブラッコムグレイシャーといえば、初日に心臓がバクバクしちゃった
あの小さな登りか。体力的にちょっと気が引けるが、昨日も一昨日も
なんとか担ぎ上げできたんだし、どうにかなるだろう。

「うん、行こう♪」

って答えたら、やん様は「グレイシャーエクスプレス」のリフトから
へんなほうを指差し、「あそこから行ってみよう」と言った。


やん様の指差すその先にあったのは、
スパンキーズ・ラダー(SPANKY'S LADDER ◆◆)





聞いたことはあるけど、行ったことはない。

スパンキーズ・ラダー。
直訳すると「スパンキーさんのはしご」(?)
スパンキーさんって誰?


スパンキーズ・ラダーは、ブラッコムの山の稜線上のポイントだ。
稜線の手前がゲレンデ、超えればブラッコムグレイシャーとなる。
でもこの登り、昨日、一昨日のそれとはちょっと違う。
「岩壁をよじ登る」感じだ。

リフトから様子をうかがうと、
ガッチガチの岩場に貼り付いている人たちが見えた。
板を担いだ人が、ズルッと足を滑らせているのも見える。
足場が凍ってんのか……(怖)



リフトを降りてスタートポイントへ向かう。

「ここを超えたら、ええ斜面があるんやで~♪」

やん様が力強い足取りでスパンキーズ・ラダーを登り始める。
ちなみにスパンキーズ・ラダーの向こうには、サファイヤ、ルビー、
ガーネット、ダイヤモンドなど、宝石の名を冠した、いずれも◆◆
レベルのボウルが展開している。

もんちが2番手(さすがはサル。こちらも足取りは軽い)
その後ろをあたしが続き、
はるさんがテ-ルについてくれる。


凍り付いた足場にスキーブーツの先端をぶつけ、つま先を突き立て
ながら登るが、最後の何歩かは、わずかな距離なのにほとんど壁。
立った姿勢のままでは登れない。

すでに登り終えたやん様がストックを受け取ってくれて、あたしは
水平に倒したスキーを両手で握り、板のエッジ全体をガツンガツンと
壁に押し当てて支えにしながら、四つ這いのようにしてよじ登る。

足を滑らせませんように足を滑らせませんように……! 心で祈る。



「スパンキーさんのはしご」よじ登り中
(イラストはイメージです)


この登り方、ツェルマットの沢から生還するために、カオルくんが
教えてくれたっけ……。

こうやってスキーを押し当てた跡がハシゴみたいに見えるから、
それでここは「LADDER」って名前なの……?


冷静を装って考えごとをしてみるが、あまり余裕はない。

最後の一歩をやん様に引っ張り上げてもらい、どうにか登頂。
制したり、スパンキーズ・ラダー!(疲)


呼吸を整え、スキーを履く。
登り始めは曇っていたのに、ガスが晴れて視界が開け始める。
やん様を先頭にして選んだ斜面は「ガーネットボウル」。
途中、ゴツい岩が飛び出てたりして慎重を要するが、雪は軽いし
斜面はデカい。
「あ~、あたしったら今 ◆◆滑ってんだ……カッコいいねぇ♪」
チャレンジングな急斜にテンションも上がる♪

途中、振り返ってテールのはるさんを待つ。
すぐ近くに、やはり後方からの友人を待つらしいカナディアンの
ボーダーが止まったので、

「いい日だね♪」と声をかけたら、

「同感だね。雪もいいしね。キミらもオレらもツイてるね♪」

笑顔で答えてくれた。