やおぶろ vol.2

スキー大好き、やおりのブログ。

ウィスラー旅記:寂しがり屋のタツ兄。

2006-05-09 | Whistler 2006
ウィスラー滑走3日目を終えて、追記です。

タツ兄のことを書いてなかった♪


キャットスキーを終えて、渋滞に巻き込まれて、やっとのことでウィスラービレッジにたどり着いたのが7時頃だったか…。
この日はキャットに行った人、行かなかった人に分かれていたこともあって、夕飯は各自で、ということにしていたから、みんなの頭には「食べに出かけようか」とか「どこかでお持ち帰りを調達しようか」とか、それぞれ考えがあったと思う。

そんなみんなの空気を敏感に察知したのがタツ兄だ。

そろそろホテルに到着…、という車中で、

「みんな、晩メシのことはどのように考えてるの?」
「○○はどこかへ食べに行くのけ?」
「○○んとこは? 晩はどうすんの?」

内偵を開始するタツ兄。

無理もない。
タツ兄の部屋は、今日を休息日に充てた隊長と、前日負傷により静養中のヤン様、そして遅刻参加で本日チェックインのふっしーが同室。つまり兄さん以外はキャット不参加で、おそらく同室各位の夕飯の段取りはすでに済んでいると思われ…。そうなると、
「自分は独りで夕飯を調達しなければいけない」
という答えに行き着いたんだ(と思う)

そして、
「ぼやぼやしてると本当に独りぼっちになってしまう」
「独りはヤダよぅ、上手にお買い物できなかったら困るよぅ」
という考えに至ったんだ(と思う)
タツ兄の中で“食いっぱぐれ警報”が鳴ったんだな。


「どこへ行くとか何を食べるとか、まだ決めてないんですよね~」


という返答を聞くや、タツ兄、猛ラッシュ!

「どこかへ食べに行くんなら、わしも交ぜてや」 (えぇ、もちろん)
「何か買ってくるんなら、わしも頭数に入れてや」 (わかってますって)
「出かけるときは、わしにも声かけてや」 (内線しますから)
「わしを置いて行かんでや」 (そんなことしませんって)
「わしのこと忘れんといてや」 (大丈夫だってば…)


幼少期にかなり派手に迷子になったとか、置き去りにされたとか、何かそういう経験でもあるんだろうか?
とにかく、何度も何度もすごい念押しで、しまいにはこっちも
「も~、わかってるって言ってんだろ~っ!」と叱りつけて黙らせたかったほどだ(タツ兄ごめん)


結局、タツ兄にもちゃんと声かけて、5人くらいで“アバランチ・ピザ”をお持ち帰りして食べたんだけど……


「わしを置いて行かんでや」
「わしのこと忘れんといてや」

この二つ↑は特に頻出で、思い返すと……………………ぷぷっ。
シャモニーで外食するときにも、みんなで使わせてもらってた。
じぇみ姐なんか上手に使いこなしてたな(笑)


『輝け! 第1回スキー家族 フレーズ大賞』のノミネート作品にしたい。



ウィスラー旅記:キャットスキー(参)

2006-02-20 | Whistler 2006
曇天の下、雪面の見づらさと湿雪を気にしながら林間を滑っていたとき、
前方で事件が起きた。

林の向こうから、いくつも声が聞こえる。

「○○がケガしたみたい」
「なんか音がしたって……」
「え、誰? 誰がどうしたって?」
「待って待って! 一人ずつ来て!」
「どういうこと? 大丈夫なの? ヤバイの?」


林間を抜け、斜面を見下ろすと、モンチが、その場にちょこんと立っている。

立ってるんなら、大丈夫なのか?


「そこで、そのままで待ってて!」

Karlくんがモンチに声をかける。その声が、緊張している。

「いいから、みんなは一人ずつ、ダグのところまで行って!」
「モンチの立ってるところで急にフラットになってるから気をつけて」
と、Karlくん。

モンチ、Karlくん、ジェニファーの三人を現場に残し、言われたとおりダグの
待つポイント(フラットになったその先の、さらに林の向こう)まで滑る。


状況をつかみたくて、みんなの目撃談に耳をかたむける。
話をまとめると、モンチは、あの場所、突然フラットになっていたあの箇所の
斜面変化が見えず、吹きだまりに突っ込んでしまったらしい。
板が吹きだまりに刺さって抜けず、ビンディングも解放されなかったために、
勢い身体だけが前のめりになり、ふくらはぎをひどく伸ばしてしまったようだ。

あとで本人が言ってた。
「ふくらはぎの下のほうでゴリゴリッて、ヘンな音がした」

それってまさに、肉離れを起こした瞬間の音だったんだ。



しばらくすると、ジェニファーからダグに、無線が入った。
「負傷」「ふくらはぎ」「筋肉」「コース変更」「滑れそう」……
そんな単語が、こちらにも聞こえてくる。


無線を終えて、ダグが説明してくれた。
「どうやらキミたちの友人は、ふくらはぎの筋肉を傷めたようだ。肉離れかも
しれない。いま、ジェニファーが応急処置を済ませたところだよ」

さらにダグによると、
これから我らは、山肌を大きく回り込み、長い距離がとれるラインへ入る。
その間、モンチはジェニファーのフォローで緩斜面を下り、我らのコースを
ショートカットしてキャット乗り場を目指すという。

Karlくんも下りてきて、状況を聞かせてくれる。
「なんとか滑って下りられそうだから。ジェニファーも付いてるし……」


きっと大丈夫だ。 きっと大丈夫だ。
でも、早く合流して、無事を確かめたい。

とにかく、あたしたちも滑ろう。
ダグの後についてスキーを漕ぎ出す。


すると、


ダグに連れられていった先には……


なんと、


どかーんと広いオープンバーン! しかもバフバフ。


ぃやっほーーーぅ!


滑り出すと、やっぱり喜声が上がっちゃう♪
友だち甲斐が、あるのかないのか我々は……。



その後、
スタッフにお尻や足を支えられて、ようやっとキャットに乗り込んできた
モンチは、

「いやいやいやいや…、ご心配おかけしちゃって~!」

気丈だった。



もちろん滑走はムリで、あとの時間をずっとキャット車内で過ごすことになる。
ケガが痛むだろうに、滑れずがっかりしてるだろうに、
「キャットスキーじゃなく、キャットそのものを120%味わう旅だね(笑)」
なんて冗談を飛ばして。


前日負傷したやん様といい、今日のモンチといい、
もっとグズッたり、愚痴ったり、イライラして、当り散らしたっていいのに、
お二人の振るまいのオトナであること、人間性の高さには、頭が下がります。



この日 午前のモンチの勇姿。笑顔です♪



この日、午後のことは、記憶が飛び飛びだ。
いろいろあったし、けっこう疲れていたと思う。
(実は前夜、ダラダラ飲み続けて3時間しか寝ていないバカなあたし)

思い出すのは、

・ランチのバゲットサンドが、ありえないくらい巨大だったこと。

・どんくみのブーツの底が凍りついて「Glacier on the sole!」と笑ったこと。

・Iちゃんがジェニファーから「スクービー・ドゥー」と名付けられたこと。

・現地スタッフとたくさん話せて“英語で相手を笑わせる”が実現できたこと。

・酷寒の中での“Nature Call”by ウィスラー女学園。

・雪がどんどん激しくなって、予定されていた最後の1本がナシになったこと。

・ハイウェイ99で事故渋滞にハマり、ウィスラーまで2時間近くかかったこと。
(この事故の急患が優先されたため、やん様の診察は大幅に遅くなったそうだ)



記憶が飛んでいるなりに、今日の一日は、かなり思い出に残るよ、きっと。
みんなそろって完走できなかったことが悔やまれるけれど……、
でも、もちろん、
何本滑ったかわからないほどたくさん滑ったのは間違いなくて、大満足だ。
雪質で、いかに自分のスキー操作がおぼつかなくなるかも身に染みたし、
どの1本もチャレンジングで、まだまだもっと上手くなりたいって思った。


「概して大満足です!」

そうひと言残し、いつもは夜更かしのこのわたしが、
なんとキ○コよりも先に眠りについた夜だった。

ウィスラー旅記:キャットスキー(弐)

2006-02-16 | Whistler 2006
最初のポイントへ向かう車内、ジェニファーの日本語への対応力に驚かされた。

ジェニファー
「みんなの名前を覚えるわね。え~っとあなたは…キク、それからユミ、クミ、
ジュンコ、セイコ、タッツ、カズゥ、アイ、それからカール! オーケー?」

オーケーです。すごいねジェニファー。
学生時代、クラスに日本人留学生いたそうで、日本語には馴染みがあるらしい。


キャットが停まり、一同、一旦下車。
ビーコンの使用説明を受け、2人一組になって使い方を練習する。
続いて、先頭ガイドのダグから滑走時の注意を受ける。

ダグ
「先の人が滑ったラインの隣、隣……と、ある程度、間隔を揃えて滑るように。
くれぐれも勝手な方向には行かないこと。万が一のときには、テールガイドの
ジェニファーが、みんなをフォローします」


1本目はみんなのビーコンの動作チェックと足慣らしを目的としたショートラン。
すぐ先にキャットが待機しているのが見えるくらいの短い距離だ。



よっしゃぁ! 滑るぜ~~~~~~~~~~っ!



っと、スタートしてはみたものの……



あら?(思った以上に深い……)



あららら?(深いうえに、この雪ちょっと重たい……)



どて。




いきなり転んでしまいました。

起き上がり、ダグとKarlが待つポイントまで、おたおたと滑り降りる。
腰の引けたわたしの滑りを眺めていたKarlくんが口を開く。

Karl
「太い板に替える? キャットに1台、スペアのファットスキーがあるんだって。
それ貸してもらえるように、ダグに頼もうか?」


そっか~。今回、みんなはファット履いてるんだよね。
ロシニョール[B3]、K2[SETH](だっけ?)、 サロモン[1080]などなど。
いずれもパウダー滑走のために作られた、3サイズがすべて3ケタという武器ばかり。

対するわたしの板は、K2[T-nineX]。3サイズは上から 111/70/101。
決して細くはないのだが、ウエスト2ケタ。みんなのと比べたら激やせレベルだ。

この5シーズン、かなりの深雪もこの板で滑ってきたんだもん。大丈夫じゃん?
などとタカをくくっていたけれど、う~~ん。

やおり
「レンタルも検討すべきかも。でももう1、2本、様子見てからでもいい?」

含みを持たせた返事をする。
確かにこの日のわたしときたら、終始オタオタ気味だったけど、でも結局は、
なんとか自前の板で乗り切った。エラかったぞ[T-nineX]牝5歳。


↓激やせ疑惑のK2[T-nineX]で遊ぶ。

深く、深く積もった雪を蹴散らして、ボクらは滑る。
この身を覆い尽くすほどに舞い上がる粉雪が、ボクらを夢心地にさせる。
雪は、天からの贈りもの。雪は、ボクらの宝もの…。
(なんつって♪ Copy by Yaori)



急斜面や危険箇所もなく、少し林間を抜ければ、その先には、必ずかなりの距離が
とれるオープンスロープが広がっている。

ただ、本日の天気は雪。曇天。

雪面の見づらさは少々気になるところだ。
ズーンと重たそうな雪雲が空を覆い、空も雪面も単調なグレイホワイト一色。
影が出ないので、斜面のうねりや凹みは、そこに足を取られて初めて気付く。
しかもこの雪は、やや湿気を帯びて重い。
案外、気が抜けないな。


そんなことを考えながら林間を進んでいたとき、前方で事件が起きた。

ウィスラー旅記:キャットスキー(壱)

2006-02-15 | Whistler 2006
1月31日(火)/滑走3日目/キャットスキー

スキーヤーの朝は早い。早くてツラい(あたしにはね)。

今日は待望の「キャットスキー」に挑戦だ。
7時00分、ホテルに『Powder Mountain Catskiing』から、お迎えのバスが来る。
今回の参加者は、
タツ兄・かず03・Iちゃん・どんくみ・モンチ・ツ○コ・キ○コ・やおり。

隊長と鶏子はお留守番。ゲレンデで軽く滑って、本日到着のふっしーを待つ。
シホちゃんは気分転換のため、バンクーバーへ繰り出し一人旅を楽しむという。
やん様は今日は、有り余る時間を利用しお医者さまへ行くことにしたようだ。
みんな玄関まで出てキャット組を見送ってくれる。
ありがとう、みんなもよい一日を。

走ること約10分。
ウィスラ-・マウンテンの「あっち側」のベース、クリークサイドに到着する。
ここのサウスサイド・ダイナーで朝食の提供を受け、同時に免責書(waiver=
権利放棄書:キャットスキーが自然を相手にしたアクティビティーであることを
認識し、参加中にどんな事故に遭っても、運営会社を訴えないことを誓います。
とする書類)にサインをする。

これってすごく大事なことが書かれているんだけど、当然、すべて英語。
読むの大変だし、ヘリスキーやキャット@ファーニーでもサインしているので、
るるるる~っとナナメ読みで目を通したことにし、必要事項を埋めていく。

やがて、
キャメロン・ディアス似のお姉ちゃん・ジェニファーがテーブルに歩み寄る。
彼女は今日、我らのテールガイドを務めてくれる。


ジェニファー「書類へのサインは済みましたか?」

この日のためにNOVAで英会話の修行を積んできたくみどんが応対する。

どんくみ  「え? あ、サインね。イエスイエス。書きました♪」

ジェニファー「もちろん内容を理解した上でサインしてくれてるわよね?」

どんくみを見るジェニファーの目がいたずらに光る。

ジェニファーの鋭いツッコミにどんくみの目が泳ぐ。

どんくみ  「え、内容? えっと、ノー! あ、いやいや、イエスイエス♪」

ジェニファー「ホントにわかってんの~? ぬわっしゃっしゃっしゃっしゃっ!!!」

なんかね、ジェニファーって、本当にこんなふうに笑うんだ。
チキチキマシンのケンケンみたいに しゃっしゃっしゃっしゃっ!……って。
それがどうにもおかしくて、みんなで真似してたら本人に怒られた。


ところで、ダイナーのあるこの建物、キ○コとわたしには特別の感慨がある。

階上の『サウスサイド・ロッジ』という相部屋ロッジは、5年前、あたしら2人が、
シドニーっ子やロンドンっ子ら、自由奔放なティーンエイジャーと1週間にわたる
壮絶なルームシェア生活を送った宿なのだ。

築何年よ、ってくらい古いし、最後に掃除したのいつよ、ってくらいキレイじゃ
ないし、薄暗いし、階段は歪んでるし、トイレットペーパーは自己管理(トイレは
マイペーパー持参で利用します)、ルームメイトは脱いだ服を散らかし放題、宿に
かかってきた電話は、そのとき電話のいちばん近くにいる人間(客)が取って応対
するのがルール……等々。
1階のダイナーだって当時はガランとして、お化け屋敷みたいな廃屋だったと思う。

とにかくサウスサイド・ロッジでの1週間は、とても語り尽くせないくらいすべてが
非日常的で awesome で amazing だった。
今となっては懐かしいが、もう一度泊まってみるかと問われれば、即答で「ノー!」


朝食を終え、再びバスに乗り込み、いよいよキャット小屋へ向かう。
ハイウェイ99を下ること約30分。3台のキャタピラが停まっているのが見えた。
小屋に入り、ブーツを履き、身支度を整える。
我らのスキー板とストックは、スタッフがきびきびとキャットに乗せてくれる。

「みんなが乗るのは、あっちの赤いキャットだよ~♪」
と、Karlくん。

「オーケー! じゃあみんな、乗ってちょうだい。出発しましょう!」
とジェニファー。


ガガガガガガッ。
キャットが動き出した♪


ウィスラー旅記:40cmパウダー♪

2006-02-14 | Whistler 2006
あらためて、8時25分、スピリッツ・オブ・ザ・ノース前。

毎日2つの山を交互に案内するF社、今日はウィスラーガイドの日だ。
でも今朝は、すでに相当数(少なくとも655人)がウィスラーに上がっている。
ブレックファーストの夢破れたいま、我らが狙うのは当然ブラッコムである。
早朝オープンをしないブラッコムなら、まだまだノートラックが残っているはず。
うひひひひひ。


ゴンドラでは、同乗したアメリカ人トリオから、

「煙草は合法だが体に悪い。マリファナは違法だが害はない。ただし脳ミソに悪い」

といった主旨の講釈を受ける。

「俺たちの言ってること、通じてるぅ~? ぶゎっはっはっはっは♪」だって。

ぬゎっはっはっは♪
もちろん通じてるわよぉ~♪
だいぶ脳ミソやられてんなお前ら。


Excelratorに乗り、Jersey Cream Expressを上がり、Solar Coaster 沿線へ。
リフト乗り場の電光掲示板には「new snow 40cm!」の文字が浮かんでいる。
積もり積もった40cm。


「ドキドキしたい人はこっち~!」
Karlくんも早速ツリーランを仕掛ける。

わたしはみんなの行く林のすぐ隣、オープンスロープを下ったが、こっちだって
相当なパウダーだ。しかも、軽い!

Iちゃんの「きゃっほ~~い♪」が聞こえる。
隊長がみんなの滑りを絶賛・鼓舞する声も聞こえる。
「ひゃぁっ、ひゃぁっ!」と、気合とも悲鳴ともつかない声をあげるのはツ○コ。
「うえぇ~~、怖いよ~っ」と叫びつつ、シホちゃんも頑張る。
林の中からは、みんなが次々と飛び出してくる。


ぱふぱふパウダーに大興奮。


もう破れかぶれ(!?)シホちゃんも頑張る。

みんなもうニヤニヤだ。
ん~~♪ あたしだって、なんだか気分よくなってきた~!
よっしゃ~~! ばんばん行くぞ~~~!!!


と思ったら、


やん様が、傷んでた。


新雪の吹きだまりに板を取られ、膝が「逆くの字」になったらしい。

それでも片足のみのスキー操作で滑り続けるやん様。
その足で、林間に入り、パウダーを滑る。さすがサイボーグ。


足を傷めてなおも滑るサイボーグ。

だけどやっぱり痛いに決まってる。

ランチタイムのあと、やん様は下山を決意した。痛恨のリタイヤだ。


タツ兄と並び、我らスキー家族の中でも最高レベルの足前を誇る彼は、いつでも
さり気なく最後尾を滑り、みんなの無事を見守ってくれる心優しい人だ。
その彼が、傷んで、しかも途中下山だなんて、相当ヤバイのかも……。
がーん。

やん様、早くよくなってよね。
早期回復のモチベーションとなることを祈って贈る言葉。
      ↓ ↓ ↓
「この日が最高のパウダーだったのに~♪」(毒)


この日わたしは3時まで、たっぷり滑った。
Karlくんが庭(裏庭?)を好き放題に案内してくれたので、明日のキャットへの
備えもできた。だからってあんなに狭い林間じゃなくていいんだけど。

----------------
ホテルへ戻り、部屋に入って驚いた。
3時半だというのに、ベッドメイクが済んでいない。
さっき廊下にリネンを積んだワゴンがあったから、もうじき。しかし遅いぞ。

コンコンッ、ノックに続いて声がする。
「ハウスキーパーで~す」

ドアを開けると、初日にかたことの日本語で愛想をふりまいていた若者がいた。
昔のビートルズみたいな、ハウス名作アニメ『小公子』みたいなロン毛の少年。
キ○コ・やおり間では彼を“王子”と呼ぶことにする。


王子「タオル交換しましょうか?」
やおり「えぇ、お願いします」

もたもたもたもたもたもたもたもたもた。
やっと使用済みのタオルを運び出す。

王子「新しいのを持ってまた来ます」
やおり「えぇ、そうしてください」

新しいタオルを抱えて再びバスルームへ入る王子。
もたもたもたもたもたもたもたもたもた、もたもたもた。

王子「え~っと、ごみ袋も交換しますか?」
やおり「そうね、換えてください」

もたもたもたもたもたもたもたもたもた、もたもたもた、もたもた。
ごみ箱から袋ひっぱり出すのにそんなに時間かからねぇだろ普通っ。

王子「新しい袋を持ってまた来ます」
やおり「……」


新しいビニール袋を手に再び入室し、ごみ箱にセットし始める王子。
もたもたもたもたもたもたもたもたもた、もたもたもた、もたもたもたもた。

どうやったらこんなにもたもた仕事ができるんだ?
あきれて見つめる我らの視線に気付き、顔を上げる王子。

王子「ゲンキ デスカ?(ニコッ♪)」


って、ばかっ!
無駄にニホンゴ披露してねぇで、ちゃっちゃとやらねぇか!!!(怒)


この一件を話したら、Karlくん言ってたな。
「それが彼らの100%精一杯の仕事ぶりなんですよ」って。

カナダ人、おそるべし。



ウィスラー旅記:デジカメ死す。

2006-02-14 | Whistler 2006
1月30日(月)/滑走2日目

スキーヤーの朝は早い。早くてツラい(あたしにはね)。
今朝は「ブレックファーストクラブ」目指して、6時50分にホテルを出る。

前夜、夕飯の準備をしている頃から、ものすごい勢いで雪が降り始め、
ビレッジでこれだけ積もってるんだから、山はかなり期待できるよ♪ と、
全員一致で早起きを決めた。

「ブレックファーストクラブ」とは、専用のリフトパスを購入したヒトだけが、
一般のリフトオープン時刻より前にウィスラーマウンテンへ上がることができ、
山中のレストハウスで朝食をいただいた後、スキーパトロールのゴーサインを
受けてゲレンデへ飛び出し、朝一番の雪で遊べるというシステムである。

F社には、「滞在中1回、ブレックファーストクラブ・チケット付き」という
嬉しいサービスがある。到着日に配られたチケットが早くも出番だ。


まだ夜の明けぬビレッジを、ゴンドラ乗り場へ向かう。

と、

人、人、人……でした。
すでに大行列でした。

国や言葉が違っても、雪遊びの好きな人の考えることは同じなのね。

最後尾に並び、この賑わいを撮ろうとデジカメを構えたら、列が動いた。
その拍子に……、なんと……、

カメラ落としたーっ!

ストン だって。

カツン だって。

どひょひょ。


慌てて拾い上げると、レンズが歪んでいる。
カメラよ、そんなに首をかしげて、お前は一体何を写そうというのか(痛)


ほどなく、

リフトスタッフのお姉ちゃんが現れて何やら説明を始めた。

あわわわ。聞き取れない聞き取れない。
カメラの破損に気を取られていたから、と言いたいところですが、わたくし
ヒアリングは苦手です。
追いかけてって再度説明してもらったところによると、

お姉ちゃん
「本日は多くのお客さまがブレックファーストクラブを希望されていますが、
レストハウスのキャパの都合もあり、ご案内できるのは655人までなんです。
列の後方、この辺りにお並びの方々は、ちょっと状況が厳しいかと……」


それなら何か食べて出直そうと、速やかにホテルへ引き返す。


出直し休息中@ビレッジイン・ロビー

でも、これはこれで、よかったのかも。
実は今朝ブレックファーストに行っちゃうと、キ○コが参加不可だったんだ。
昨日、板をメンテに出して、その受取りが今日の朝8時って言われてたから。
それに、後発隊として合流する隊長の旧友・ふっしーも、明日の到着だもんね。

どうせならみんな揃ってわ~っ、と滑りたいじゃん。

(結果的に「みんな揃ってわ~っ」は、実現しなかったワケだけど……)


結局、
フレッシュトラックは滑れないわ、 カメラは壊すわで、
慣用句「早起きは三文の徳」が、にわかには受け入れがたい朝となった。



購入からわずか5日で天に召されたデジカメ。
歪んだレンズが“バベルの塔”のよう。南無南無。


ウィスラー旅記:突撃・となりの晩ご飯。

2006-02-13 | Whistler 2006
1月29日(日)/滑走1日目/その夜。


滑走初日を終え、お待ちかねの『突撃・となりの晩ご飯』です。

いずれのお部屋も見事な腕前で、ホントにびっくりしちゃった。
みんなが食い散らかす直前の貴重なスナップをお届けします。


主婦二人を擁する【レディース】部屋からはトッポギ鍋に中華スープ。
アツアツ、ピリ辛に箸が止まりませんでした♪




【大宴会部屋】からは隊長の豚角煮大根、タツ兄のパエリア。
大根も卵もお味しみしみ、美味でした。


具だくさんパエリアも大人気♪




【家族ルーム】は、なんと皮から手作りしたという餃子をふるまってくれた!
すごいよ。カナダのホテルの一室で、皮から手作りってどういうこと!?
焼き餃子に続いて登場した水餃子


【八王子一高】、 料理に自信がないことにかけては自信のある我らが
どうにかこうにか盛り付けまで漕ぎ着けたのは、
ナマズのドレッシング・ソテーと、鮭とポテトのハンバーグ……。



かなり微妙な味でしたのに、皆さん箸を伸ばしてくださって(涙)
その心優しさに感謝です。


《今夜のキ○コ》
途中で起き上がった気配はあるが、おおむね静かに眠っていた模様。


ウィスラー旅記:滑走初日。

2006-02-13 | Whistler 2006
1月29日(日)/滑走1日目

8時25分、薄曇りの空の下、スピリッツ・オブ・ザ・ノース前に向かう。
F社のゲレンデガイドを受ける場合、まずはここに集合するのがお約束だ。

朝の集合が少し早めな(あたしにはね)この旅でありがたいのは、滞在先の
ウィスラー・ビレッジインが、集合場所まで徒歩3分の好立地であることと、
朝食付きであること。
今朝はシリアルとコーヒーで軽めに済ませてホテルを出る。


ビレッジインの朝食サービス。
パンやシリアル、フルーツをお好みでどうぞ♪



F社ガイド陣からチーム分けの案内があり、各グループ、ゴンドラへ。
我らのガイドは「ウィスラーは俺の庭!」と言い切るKarlくん。
彼には本当に感謝している。現地では主任職にあって多忙を極めるというのに、
こうして時間をやりくりして、我らと一緒に滑ってくれているのだ。

本日、向かうはブラッコム・マウンテン。
滑走初日で、個人的には今シーズンに入ってまだ滑走3日目のこの日、まずは
“足慣らし”に専念することを自分に言い聞かせる。

なんせ今回の旅は、出発前夜、父から、
「無茶するなよ」
と言われているのだ。

「気をつけて行ってこい」でも「楽しんでおいで」でもなく「無茶するな」。
まるでやんちゃ坊主を諭すかのようだ。が、ムリもない。
これまで海外スキーから帰るたびに、父には

  ・仲間がエア台でバランスを崩してアゴを割ったとか、
  ・仲間が◆◆コースを派手に滑落したとか、
  ・仲間が雪崩に飲まれたとか、

そんな土産話ばかりを聞かせている。
でも安心してよお父ちゃん、そりゃ、たまに沢に転げ落ちたりもするけれど、
案外わたしは慎重に滑っているほうなのよ(?)


ガイド・Karlくんに導かれて Jersey Cream Express を上がり、まずは圧雪
コースの感触を確かめる。前日からの断続的な降雪のおかげで、雪がいい。
固すぎず・柔らかすぎず、気持よくスキーが走る♪
圧雪のすぐ脇にはもちろん非圧雪エリアが広がっている。各自、最初の1本で
コンディションを確認するや、たちまち脇道の味見を開始する。
Karlくんも、林間へパークへと、我ら好みの“遊び場”を案内してくれる。


Jersey Cream Express 降り場にて。
背後では雲海がモクモクしています。


皆の奇声(この場合は「喜声」かもね)もボリュームアップし始めている。
みんなご機嫌。いい感じだ。

けれどわたしは、まだ林間には入れない。
どうも思うようにスキーコントロールができず、視界が狭い感覚がある。
滑走初日は大概こんなふうなんだけど、こんな状態で林間だなんて、頭や顔面を
強打するのがオチだ。メットかぶってないし。「無茶しない」「無茶しない」。

ふと気付くと、もう一人、林間に入れないメンバーの姿がそこに……。
今回の旅で家族デビューを果たしたシホちゃんだ。
昨年、Karl企画でツェルマットを滑ったとき、同日程でツェル入りしていた彼女。
帰りの飛行機で関西組と乗り合わせ、スキー家族の末っ子・しんちゃんが積極的に
世間話を展開したのを機に、今回のウィスラー参戦となった。

そんなシホちゃん、基本は圧雪好きとあって、ソフトな非圧雪に苦戦している。
加えて我らのこのテンションにも、やや置いてけぼりか。頑張れシホちゃん。
(ちなみに、きっかけを作ってお手柄のしんちゃんはツェル後の昨年3月、ニセコ
にて期せずしてビッグエアを飛びシーズン終了。間もなく本格復帰予定)


Glacier Express のオープンを待っているうちに、時刻は11時30分になっていた。
早めのランチをグレイシャークリークで。お待ちかねのバーガーやピザをほおばる。

軽めの朝食が奏効し、わたしは巨大ピザの完食に成功♪ 「食った食った!」と悦に
入っていたところ、Karlくんより「小食だね」との指摘を受ける。
そんなバカな。
少し離れたテーブルではキ○コが、具材をオーダーしすぎてパツンパツンになった
「アジアンラップ」を食べ切れず、やん様に半分お手伝いしてもらっている。
彼女のは小食ではない、具材を欲張りすぎである。

カナダのジャンクフードは悪くない。好きな味だ。
ただ、カナダ人仕様の軽食は、日本人には相当パンチの効いたボリュームである。
というわけで、午後もがつがつ滑って消化を促すことにする。

セブンスヘブン(隊長いわく「ヘブンスセブン」、スネークマン・ショー的です♪)
がオープンしないため、午後も中腹エリアを中心に遊びまわる。

……とはいえ、やっぱり今日は調子が出ない。心なしか腰にも鈍痛が……。

午後2時、ゴンドラ降場まで下ったところでガイド終了時刻を迎え、
「まだ滑る組」と「もう帰る組」に分かれることにする。
ここで、やおり決意の一言だ。

「あたし、今日のところは下山を考えてみようと思う」


「えぇーーーーっ!」

各位より驚きの声を頂戴する(見事なユニゾン、ありがとうございました)。
そうよ、あたしが早退だなんて、かなりレアだわ。っていうか初めて?
“足慣らし”としては上々の滑走初日と、納得して山を下りることにする。
この旅の滑走日数は6日間。日を重ねるうちに、やがて調子も上がるはずだ。


「もう帰る組」下山時の一枚。
左より、隊長・Iちゃん・やおり・キ○コ・シホちゃん



いまいち調子が出ないな~、なんつって下山したのに、あたしったら、
みんなを誘ってゲレンデベースのロングホーン・パブでみちくさくった♪

『スキー、スノボを楽しんだあとは、ここで仲間と乾杯!
 それがカナディアンのリゾートスタイル』

と、かつて雑誌のウィスラー特集で読み、憧れていたロングホーン・パブ。
いつもはヘトヘトになるまで滑って、とても寄り道どころじゃないんだけど、
今日は余力を残しての下山ということもあり、念願の入店だ♪♪

ビールを1本開けて、気分よくホテルに戻ったところで後ろを振り返ったら、
シホちゃんが消えていた。
「皆さんと旅を続ける自信がありません。探さないでください」
と、ずらかったかと思いきや、
よそ見をしていて角を曲り損ねたらしい。よれよれと戻ってきた。


よれよれ戻ってきたシホちゃん。
板の持ち方からもよれよれ度の高さが伺えます。



ロッカーに板を片付けていたところで「まだ滑る組」も帰ってきた。
鶏子が前のめりにこけて、エッジで耳を切ったという。
攻めの滑りを身上とする彼女は転倒もダイナミック。大事には至らずとの
ことで安心したが、バンドエイドを貼りづらいところなので始末が悪い。

ここで活躍したのがモンチとツ○コ。
医薬系大手企業の元同僚コンビからなる、自称“ナイチンゲール隊”だ。


かいがいしく立ち働くナイチンゲール隊を眺めて交わされたアニキ二人の
会話が、いまも耳に残って笑える。


隊長
「いいな~、ナイチンゲール隊、いいな~。俺も面倒見てほし~な~♪」

タツ兄
「せやけど薬科出身は臨床経験が乏しいから、腕前はアテにならへんで」


いやいや、
タツ兄は自分も薬科出身だからそんな手厳しいこと言うけど、
“ナイチンゲール隊”のおふたり、手厚い看護ぶり、感動的でした。

鶏子さま、その後、傷の具合はいかがですか?

ウィスラー旅記:到着日だってもりだくさん。

2006-02-10 | Whistler 2006
1日目:バンクーバー ~ ウィスラー

今回の旅は、F社推奨『アーリーチェックイン』プラン。
通常ならバンクーバーのダウンタウンで1時間ほど時間調整させられるところを、
このプランだと、空港に到着するや速やかにウィスラーへ向かうことができる。

東京組の遅延もあって、ちょうどバンクーバー到着が同じくらいになったけど、
ウィスラー行きのバスは、東京組と関空組で振り分けられていた。
全員一緒の移動じゃなくてちょっと残念だけど、まあいいさ。
バンクーバーからウィスラーまでは約2時間30分。車中はどうせ寝るだけだしね。

うとうとして、ぐーぐー眠って、
うとうとして、ぐーぐー眠って、

次に目が開いたときには、バスはもう、ウィスラービレッジに入ってた。
ロータリーを廻り、滞在ホテル、ウィスラー・ビレッジイン前に停まる。
関空組も到着済みで、すでに荷物を降ろしているところだ。


5年ぶりのウィスラーに、
雪がふっている♪


ロビーでは、我らが名ガイド・Karlくんの愛息Pちゃん(ともに仮名)と初対面。
大勢の見知らぬオトナに完全包囲され、硬直するPちゃんが可愛かった。
その後、
カンフェレンスルームで簡単な説明を受け、リフトパスやルームキーを受け取り、
各自の部屋へ荷物を運び入れる。

~お部屋割り~
【大宴会部屋】隊長、タツ兄、やん様、後着でふっしー
【家族ルーム】どんくみ、鶏子、Iちゃん・かず03
【レディース】ツ○コ、モンチ、シホちゃん
【八王子一高】キ○コ、やおり


廊下には、ティーンエイジャーとおぼしきハウスキープ(ベッドメイク)スタッフが
何人もうろうろしている。
「コンニチワ♪」「ゲンキ デスカ?」などと日本語で挨拶したりして、愛想がいい。

そっか、今回はアーリーチェックインで、通常より早めに部屋に入ってるからね。
本来なら今はまだ、ベッドメイクの真っ最中、彼らのお仕事の時間帯なんだよ。
そうだね。(と、このときは思ってた)


あぁそれにしても、

いかに腹の減っていることよ。


そういやあたしら、バンクーバー到着の2時間くらい前に機内で軽食を食べただけで、
ほぼ飲まず食わずでウィスラー入りしてるんだ。そりゃ腹も減ります。

何人かは空腹のあまり目がつり上がってるし、
何人かは餓死寸前で意識が遠のき始めている。

とにかくなにか食べよう。
おいしいものを食べよう!
と、
空っぽになった胃袋をさすりながらみんなで向かった先は、

ウィスラーの隠れた(?)名店、
クレープ・モンターニュ@マーケット・プレイス


予約を受け付けないお店なので、12人もの団体が一度に入れるか心配したけど、
ディナータイムよりも早めの入店だったので、余裕で着席できた。ラッキー。
このお店は、フレンチスタイルのクレープ料理を食べさせてくれるほか……、


チーズフォンデューが絶品!


とろとろチ ーズのオニオングラタンスープも美味!



タツ兄も、この日のために(?)磨いた英語で、いざオーダー!


「お薦めの白ワインはどれですか?」in English

モザイク処理するのがもったいない。
ウェイトレスを見上げるタツ兄の瞳がサイコーに可愛い1枚。


胃袋もすっかり満たされ、大満足の一行。
翌日の『突撃となりの晩ご飯』に備えて食材を買いそろえ、
リカーショップにも立ち寄りビールを買いあさって部屋へと戻る。

もちろん今夜は長旅の疲れを癒し、
明日からのスキー三昧の日々に備えて早寝……。


の、つもりだったのに、
我ら【八王子一高】コンビは、やっぱりダメな奴らです。
ウィスラーのビール、コカニーが水のように薄いばっかりに、ばかすか杯を重ね、
ベッドにもぐったのは深夜1時過ぎ。すっかり夜更かしになっちゃった。

とはいえ翌朝は6:30に無事起床。
滑走初日いきなり寝坊などという、ファーニーと同じ轍を踏まなかったことだけは、
書き添えておきたいと思います。


《今夜のキ○コ @3:00a.m.》
寝ぼけまなこのままトイレを探して廊下にふらりと出てしまい(日本のロッジじゃ
ないっつーの。部屋にありますから、トイレ)、オートロックドアに閉め出される。
二重扉の向こうで爆睡中のやおりにノックの音は届かず、フロントでキーを再発行
してもらい入室。就寝。

ウィスラー旅記:フライト7時間30分!

2006-02-08 | Whistler 2006
2006年1月28日(土)/出発日

成田へ向かう道すがら(成田をぶっちぎる少し前ね)、北海道・千歳から
今回の旅に参戦する“新雪の貴公子”ことタツ兄からメールが入った。

タツ兄
「千歳発の便が40分ほど遅れそう。4時過ぎに成田。すでに千歳で
 国際線のチェックインも済ませたけど、なるだけ待っててや」

わたしは、タツ兄からメールをもらうのが大好きだ。
この人は転勤のある職業柄、今でこそ千歳市民だけど、生粋の奈良県民。
どんなに変換が面倒でも、きちんとベタベタの奈良弁でよこしてくれる。
東京のわたしが音読したところで、到底あの名調子では語れないんだけど、
タツ兄のメールを読むと、なんとかして奈良弁ふうに読み上げたくなる。

『声に出して読みたいタツ兄弁』
初版完売たちまち増刷! みたいな。

東京組がチェックインし、手荷物預けや両替えを済ませ、海外出発前のお約束、
出発ロビー上の屋台風カフェ[ラ・フィエスタ]で景気づけのビールをあおって
いる頃、ようやくタツ兄から到着の報が入った。

レートがお得な両替所(わずか5~10銭程度の差だけど)と、我らの居場所を
お知らせし、タツ兄もようやく合流。
すでに隊長とかず03の手元では、2杯目のビールが空いていた(さすが)

ちょうどこの頃、関空組のどんくみから電話が入り、FOMA仲間のかず03と
テレビ電話(テレビ電話だよ、すごい時代だ)。
「こっちはもうじき搭乗時間だよ~♪」
笑顔で手を振るどんくみ。
画面をのぞくと、今回スキー家族デビューのシホちゃんらしき姿も見える。

今回、関空からは、やん様・モンチ・どんくみ・シホちゃんの4人が出動。
女子3人に囲まれて、やん様はハーレム気分でカナダ入りだ(ホントか?)

「それじゃあ、バンクーバーで♪」

関空組との電話を終える。

せっかくなので全員で乾杯したかったけど、気付けば搭乗ゲートへ向かう時間。
タツ兄には機内でタダ酒を浴びてもらうことにして、ひとまずゲートへ。


もちろんわたしは計画どおり、貯めたマイルで免税の美容液をゲット~!


さて今回は、
機体繰りの都合という案内で、搭乗時間が40分遅れ。
待ちに待ってようやく乗り込んでホッとしてみても、混雑時間帯(19時台)と
重なって、滑走路は離発着渋滞の真っ最中。
「いずれ飛ぶさ♪」と気楽に構え、早くもうとうとし始める我ら。
でも……、
ふと目を開けるとまだ飛んでない。
もう一度うとうとしてもう一度起きてもまだ飛んでない。
我らの便が滑走路に出るまでに、なんと1時間もかかってた!

おせぇ。

けれど機長は立派な人でした。
遅延と離陸待ち、合計1時間40分のロスを、なんと大平洋上でばん回したんだ。
たしか東京-バンクーバーって、行きは9時間かかるはず(帰りは約10時間ね)。
それが、「機長よりご案内申し上げます」って放送を聞いてびっくり。

「フライト時間はおよそ7時間30分を予定しております」


はえぇ。


座席モニター

相当なショートカットが敢行されたのではないかと思うのですがどうでしょう。
記憶では、航路はカムチャツカ半島やアラスカをかすめるように、もっと北方へ
大きく弧を描くんじゃなかったか???


なにしろ早いぶんにはオッケーよ。
出発が遅かったから、関空組のほうがだいぶ先に到着しちゃうのかな~、なんて
思ったけど、ほぼ同着だった。
我らがバンクーバーの入国審査を抜ける頃、列の後方に関空組の姿が! くらいの
タイミング。ナイス、機長。


さぁ、旅の始まりだ♪

東京組、到着!
バンクーバー空港は到着フロアもきれい


ウィスラー旅記:出発日から珍道中。

2006-02-07 | Whistler 2006
2006年1月28日(土)/出発日

午前11:45
キ○コが愛車カリブを駆って、自宅前までお迎えにやって来てくれる。
スーツケースを積み、スキー板を積んで、さぁ、成田空港へ!

中央道から首都高を抜け、湾岸道を経て東関道……。

成田空港への到着目標は14:50、チェックインは15:20と言われている。
だいぶ早めの行動開始だ。
当初話し合っていたよりも30分、直前になって出発時刻を早めたのは、
「道中でトイレ休憩が何度も必要だったら困るもんね~」
との、年齢相応の女性ならではのお悩みによる。

ところがこの30分のアドバンテージ、

空港での両替えやコーヒーブレイクにでも充てようと考えていたのに、
まったくアホアホな理由で、まんまと食いつぶしてしまった。

というのも、

あたしたちったら、
[成田I.C.]の看板をすっかり見落とし、なんと東関道=東関東自動車道を、
終点の茨城県[潮来I.C.]まで、最高にいい気分で走破してしまったのだ。

「大きな川だね~」
「ゆったりしたいい眺めだね~~」
「水鳥もたくさんいるよ~♪」


 ……↑ 利根川です。


越えるとそこは茨城県。
ようこそ、あやめの町、水郷・潮来(いたこ)へ♪


もちろん終点・潮来の先に高速道路はないから、出口へ導かれてしまう。
そこまできて、23kmも走り過ぎていたことにやっと気付いたバカ2人。

気を取り直して東関道へ再乗線し、成田までの23kmを爆走する。
計46kmものいらぬドライブに笑いが止まらない。


あぁ思えば、
空港はもう目と鼻の先! というパーキングで、案の定トイレ休憩をとり、
本線に戻ってからは無駄話に花を咲かせ、さらにはエアポートリムジンと
抜きつ抜かれつの一騎討ちをして、ぶいぶい走ってしまったのだ。

「やった。ついにリムジンバスを振り切った♪」

って、ばか。
リムジンははるか後方・成田インターで降りてんですっ。
ばかばか。
ばかナビ・ばかドライバー。


爆走中、隊長の愛車デリカに乗車中のツ○コからメールが入った。
ちなみにデリカには隊長、ツ○コ、鶏子、そしてIちゃん・かず03夫妻が
乗り込んでいる。

ツ○コメール
「こちらは間もなく成田だよ。そちらはどのあたり?」

車中でクサるバカ2人。
「あたしらだってあと9kmで成田インターだよね!」
「そうだよそうだよ。逆方向からだけど!」
「ぶはははははははっ!!!」


空港到着は15:10、ツアーカウンターのチェックイン10分前だ。
ほどなくデリカ隊も合流し、全員そろって無事チェックイン。

時間前行動がものを言った成田空港入りとなった。


高速料金の明細 form キ○コ。
利根川を、渡って戻って大迷走。成田IC 到着14:47(予定どおり!?)