お金はあまりかからないが家族の努力と協力は必要な「賢い子育て」 :小学生編の方針=主な読者は家族と教職員を想定/社会性・感性・知性を伸ばし、世界で生き抜く賢い日本人を育てたい/現実(主に佐賀県の状況)に即して書く。
■小1プロブレム」とその対策 その2
2.発生の要因と対策
34年間、小学校に勤めた経験から、子供・家庭、教師・学校、教育行政の各々に要因があると考えています。具体的な姿と対策について書いていきます。(以後、エコのため「常体」にする。)
・小学校の標準学級定員は40人。学校の規模や学年の人数により1学級の人数はかなり変わるが、中・大規模校ではおおむね30人台の学級が多くなる。そこで、ここでは前提条件として、《35人ほどの学級が学年に複数あるような規模の学校》の場合ということで考えていく。
要因1 未熟な子供 ※差別しているわけでも邪魔だと言っているわけでもない。事実・現実を知らずに対策をたてることはできない。
■発達障害をもつ子
10年ほど前の文部科学省の調査研究では、《小中学校の普通学級の子の約6%が「学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、高機能自閉症など」の発達障害をもつ》と言われている。
発達障害の原因は《脳内の異常な状況》、つまり生理的な病気なので、学校でいくら《注意したり、言い聞かせたりしても》病気(=症状、行動など)が治るわけではない。ただし、それぞれの病状に応じた対応・指導をするとそれなりの効果はあると言われている。しかし、私見では、学校では現状の教職員数と体制ではほとんど対応できないと思う。
【対策】
○学校・・・より重い病状の「特別支援学級(=以後特学と略す/以前は特殊学級という名称)にいる子供たち」への対応でほぼ手一杯。
普通学級の障害児の対応はほとんどその学級の担任がするしかないが、はっきりいって物理的にも体力的にも限界がある。
※学校側は、文科省に対して、普通学級に約6%いる障害児への指導が特別に必要ならば、その指導要員を配置すべきと要求してきたが、文科省・政府自民党は財源難を理由にまったく増員をしないで、「特別な指導をしろ」と言っていた。しかも、(全国特学設置学校長長協会の猛反対でどうにか現状維持に成功したが、)当時は教員数削減のために、「特学」を廃止して特学担任をなくす予定だった。無茶苦茶な話だ。自民党には教育政策に関してはとても冷たい政権が多かったいうことだ。真に国民の教育のために国家予算を増額したのは、アメリカの画策(完全な陰謀)で日本独立の望みを断たれた田中角栄首相ぐらいかな。
現実的にどの学校でもできるような対策としては、《家族に、病院に連れて行って診断・治療するようにすすめる》、《できるだけ熟練した、あるいはタフな学級担任に任せる》ぐらいしかないだろう。
学級担任のさまざまな条件によって、結果が、1年間どうにか頑張って無事にすむか、落ち着かない学級で1年間終わるか、担任が疲れすぎてうつ病やノイローゼになるか、いろんなパターンがある。
※管理職の管理監督責任は重い。《級外等の特別な支援を要する学級担任》を早く見つけて、早く対応しなければいけない。「学級崩壊」は管理職のリーダーシップでけっこう食い止められる。
※学校もそれぞれに状況はちがっており、まったく対応ができない学校から、担任以外の教職員がかなり連携・協力できる学校まで幅広くある。
○家族
1.病気なので病院に通わせて治療する。
治療といっても、ほとんどは《症状を軽くするための投薬》のようだ。《成人になるにしたがって症状が穏やかになる》ということはあるようだが、《子供のときに治る》ということはないようだ。
2.学校(担任や障害児担当教諭など)と、しっかり連絡・協力し合って、無理しないでできることを、あせらないでもくもくと実行する。
あせっても、病気がよくなるわけではない。現状の条件の中で、《子供を幸せにする・鍛える》努力を日々こつこつとするしかない。
私が知り合ってきた障害児たちのほとんどは《心やさしい子供》だった。おそらく《障害があるがゆえに、傷や弱みをもつ他人への同情や理解が優れている》のだろう。だから、その子たちとの学校での暮らしは楽しく幸せだった。(今でも、障害のある子ほど、出会ったらにこにこして手を振ってあいさつしてくれる。)
だから、ほとんどの場合は、親が正しく生きていて、あせらなければ、必ず《幸せな家庭生活》ができる。
※教員の世界はとても狭い(理由:教員夫婦がとても多い/子供の世界相手に仕事している/身分保証が充実しているので危機感を持たなくてすむ など)ので、けっこう世間知らずもいる。そんな場合は、怒ってもしょうがない。保護者会などで協力しながら、優しく、世間のことを教えてやってください。
~次回、■社会性が育っていない子~
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庭に来てくれためじろ…ここは自宅南面のガラスまどのすぐそば。毎日縄張っているヒヨドリ君の眼をぬすんで、急いでみかんをついばんでいます。(2011.1.29撮影)
■小1プロブレム」とその対策 その2
2.発生の要因と対策
34年間、小学校に勤めた経験から、子供・家庭、教師・学校、教育行政の各々に要因があると考えています。具体的な姿と対策について書いていきます。(以後、エコのため「常体」にする。)
・小学校の標準学級定員は40人。学校の規模や学年の人数により1学級の人数はかなり変わるが、中・大規模校ではおおむね30人台の学級が多くなる。そこで、ここでは前提条件として、《35人ほどの学級が学年に複数あるような規模の学校》の場合ということで考えていく。
要因1 未熟な子供 ※差別しているわけでも邪魔だと言っているわけでもない。事実・現実を知らずに対策をたてることはできない。
■発達障害をもつ子
10年ほど前の文部科学省の調査研究では、《小中学校の普通学級の子の約6%が「学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、高機能自閉症など」の発達障害をもつ》と言われている。
発達障害の原因は《脳内の異常な状況》、つまり生理的な病気なので、学校でいくら《注意したり、言い聞かせたりしても》病気(=症状、行動など)が治るわけではない。ただし、それぞれの病状に応じた対応・指導をするとそれなりの効果はあると言われている。しかし、私見では、学校では現状の教職員数と体制ではほとんど対応できないと思う。
【対策】
○学校・・・より重い病状の「特別支援学級(=以後特学と略す/以前は特殊学級という名称)にいる子供たち」への対応でほぼ手一杯。
普通学級の障害児の対応はほとんどその学級の担任がするしかないが、はっきりいって物理的にも体力的にも限界がある。
※学校側は、文科省に対して、普通学級に約6%いる障害児への指導が特別に必要ならば、その指導要員を配置すべきと要求してきたが、文科省・政府自民党は財源難を理由にまったく増員をしないで、「特別な指導をしろ」と言っていた。しかも、(全国特学設置学校長長協会の猛反対でどうにか現状維持に成功したが、)当時は教員数削減のために、「特学」を廃止して特学担任をなくす予定だった。無茶苦茶な話だ。自民党には教育政策に関してはとても冷たい政権が多かったいうことだ。真に国民の教育のために国家予算を増額したのは、アメリカの画策(完全な陰謀)で日本独立の望みを断たれた田中角栄首相ぐらいかな。
現実的にどの学校でもできるような対策としては、《家族に、病院に連れて行って診断・治療するようにすすめる》、《できるだけ熟練した、あるいはタフな学級担任に任せる》ぐらいしかないだろう。
学級担任のさまざまな条件によって、結果が、1年間どうにか頑張って無事にすむか、落ち着かない学級で1年間終わるか、担任が疲れすぎてうつ病やノイローゼになるか、いろんなパターンがある。
※管理職の管理監督責任は重い。《級外等の特別な支援を要する学級担任》を早く見つけて、早く対応しなければいけない。「学級崩壊」は管理職のリーダーシップでけっこう食い止められる。
※学校もそれぞれに状況はちがっており、まったく対応ができない学校から、担任以外の教職員がかなり連携・協力できる学校まで幅広くある。
○家族
1.病気なので病院に通わせて治療する。
治療といっても、ほとんどは《症状を軽くするための投薬》のようだ。《成人になるにしたがって症状が穏やかになる》ということはあるようだが、《子供のときに治る》ということはないようだ。
2.学校(担任や障害児担当教諭など)と、しっかり連絡・協力し合って、無理しないでできることを、あせらないでもくもくと実行する。
あせっても、病気がよくなるわけではない。現状の条件の中で、《子供を幸せにする・鍛える》努力を日々こつこつとするしかない。
私が知り合ってきた障害児たちのほとんどは《心やさしい子供》だった。おそらく《障害があるがゆえに、傷や弱みをもつ他人への同情や理解が優れている》のだろう。だから、その子たちとの学校での暮らしは楽しく幸せだった。(今でも、障害のある子ほど、出会ったらにこにこして手を振ってあいさつしてくれる。)
だから、ほとんどの場合は、親が正しく生きていて、あせらなければ、必ず《幸せな家庭生活》ができる。
※教員の世界はとても狭い(理由:教員夫婦がとても多い/子供の世界相手に仕事している/身分保証が充実しているので危機感を持たなくてすむ など)ので、けっこう世間知らずもいる。そんな場合は、怒ってもしょうがない。保護者会などで協力しながら、優しく、世間のことを教えてやってください。
~次回、■社会性が育っていない子~
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庭に来てくれためじろ…ここは自宅南面のガラスまどのすぐそば。毎日縄張っているヒヨドリ君の眼をぬすんで、急いでみかんをついばんでいます。(2011.1.29撮影)