やおよろずの神々の棲む国でⅡ

〝世界に貢献する誇りある日本″の実現を願いつつ、生きること、ことば、子育て、政治・経済などについて考えつづけます。

【国語教材論】18 説明文:「新聞を読もう」15 ~[3] 二つの記事をくらべよう。(1)~

2012年06月18日 | 教育1 小学校国語教材論

説明文1「新聞を読もう」<作者不明>(小5国語光村図書)p30~35 ~その15~
 
 
青字は教科書の引用部分
 ※教材文の構成:前文/[1] 新聞をいろいろな角度から見てみよう。[2] 報道記事のとくちょうをつかもう。/[3] 二つの記事をくらべよう。

(6) [3] 二つの記事をくらべよう。
<p33~35> その1 
 この部分:[3]には、着目すべき点と、批判すべき点があるようです。きちんと説明するために、まず[3]の構成と内容(※一部)を紹介します。

A [3]の構成と内容
 ※題材 
2008年の北京オリンピック。北島康介選手が出場して「全体2位」になった、8月11日の男子百メートル準決勝についての記事。

●p33 上下に分けて、2社の記事の「見出しと写真」のコピーを載せている。<p33のコピー引用>



●p34・35 
見開きにして、上下に上記2社の「本文記事(アとイ)」を載せてある。

※学習課題を4つ出してある。その4番目はクイズ的問題形式・・・
・33ページの○1と○2(=2つの写真)に対応する本文は、それぞれア・イのどちらだと思うか。そう考える理由はなにか。 →答は217ページにのっています。」 

B 着目すべき点 

・《同じ【現象・事実】を対象にした場合でも、記者:新聞によって記事の内容が違ってくる》ということを、教えられるようになっている。

 ※ただし、それは教師が意図した場合だけ・・・教材には「どこが、どうちがうのだろうか。としか書いてない。これをそのまんま児童に問いかける教師の場合は、《ただ2つの違いを見つける》という小学校低学年レベルの学習活動しかしないことになる。
 ここでは、「どうちがうか?」だけでなく、せめて「なぜちがうのか、推理してみよう。」と問いかけて考えさせてほしいのですが…

 ※着目すべき点なのですが、教材としての欠点が大きいと思います。(次回のCで説明します)

・教材を「ただ読み流す」ことができないように工夫している。・・・クイズ形式にしているので記事本文をきちんと読まないと答えられない。
 
 ※もしかすると、《本文記事の内容がよく分からないので、「理由を述べて答をノートに書く、または発表する」ことができない5年生》がかなりいるのでしょうか? 現役の先生方、実態はどうなのでしょうか? 
 《「答え」は教科書に書かないで考えさせた方がいい》と思うのですが、わざわざ書いてある理由は、《記事本文の意味がよく分からない児童でも、(正解が分かっているので)安心して理由を書いたり発表したりできるようにするため》なのか? と思ったのですが…)

~次回、C 批判すべき点(欠点)

 ←参考になりましたらクリックをお願いします! 読んでくださる方の存在が励みです。※コピー、リンクはご自由に。