大和心眼ーヤマトシンガンー

情報操作、捏造、隠蔽に騙されるな!茹でガエルにならない方法

【地政学入門】世界は「悪の論理」で動いているから、日本人には「脅威の存在」が見えない?

2012-09-04 22:20:07 | 地政学
こんにちは、千里です。

さて、日本は竹島の領有権をめぐって、韓国側に
国際司法裁判所に共同付託に応じるよう説得して
いましたが、見事に、あっさり拒否されました。

まあ、わかっていたことですが、どうして日本の
ように、公式なルールに基づいて判断することをせず、
いつまでも無視しつづけているのでしょうか。

実は、世界は、日本のように紳士的に向き合うことは
考えてなく、別の論理で動いているということです。

つまり、屁理屈でも、何でも、自分の言い分が通って
しまえば、それでいいと思っているのです。

そう、今までどおり実効支配し、自分さえよければ!
という国益優先主義の倫理観が世界に蔓延しています。
そして、そのような判断でも、実際領土を支配しているので、
覆すことはできず、パワーで認められてしまうでしょう。

例えば、中国は、他民族の文化と経済を救済するといいながら、
破壊し続け、モンゴル、チベット、ウイグルなどを自治区化
して、領土の実効支配を続けていますね。
現在では、誰も文句はいえません。

日本は古来から、「自然との共生と和」をアイデンティティ
にもつ国です。
また、「義」や「仁」を尊ぶ民族性であるため、
「狡猾なワナ」をしかけて、スキあらば横取りしてしまおう
という卑しい行動には、本来相対しない民族性であります。

このため、相手国の道徳、倫理感を見抜くことができないため、
騙されやすいのでしょう。だから、竹島問題のように、
真っ正面からの解決策しか思い浮かばないのです。

しかし世界は、「悪の論理」で動いているとするならば、
相手側の行動を見抜く必要があります。

それでは、どのようにして、相手の出方を予測できるので
しょうか?

それには、「地政学」という学問が役立ちます。

「地政学」とは、民族や国家の行動パターンを地理的な条件から
モデル化した理論であると、地政学専門家の奥山氏はいいます。

この理論により、今後の中国の動き方、アメリカが日本に対する関わり方、
日米同盟の将来、韓国、北朝鮮の動向などを予測することができ、
「これからの日本はどうしていくべきなのか?」という戦略的な
視点を組み立てていくことができるようです。


【奥山真司】オスプレイ問題から見えてくる地政学[桜H24/8/3]





オスプレイの問題からみても、わかりますが、
この戦略的な思考ができる「地政学」を日本では教えてきませんでした。

なぜならば、GHQにより否定され、日本人自身が賢くなることを
良しとしなかったからです。
このため、日本人全般に言えることですが、「戦略思考」という
発想で、モノゴトを長期的な視点で、マクロで考えることが
できないのが現状です。
小手先と観は、得意ですね。

つまり、自分自身で将来を考えて、自律していくチカラというのが
育ってきていないので、外からの圧力に対してすぐに屈してしまう
ことが多い傾向にあるかもしれません。

尖閣諸島問題の政府の対応のしかたをみても、わかりますよね。
解決先が見えないため、現状の混乱だけをさけ、問題を
先送りしていることがわかります。


それでは、奥山さんの著書「悪の論理で世界は動く!」を参考に、
「地政学」の基本ポイントを観てみましょう。


1)「世界観」なき日本は、滅びる?


ご存知のように、中国を動かしているのが「中華思想」です。
この思想は、「中国が世界の中心であらねばならない」という
強固な独善的な思想です。この思想をベースに、国力の増加とともに、
領土の境界線が変化することを良しとしています。
このため、当然、海域の領土拡張も視野にあります。

また、米国は、「自由と民主主義を世界に広げる」というビジョンが
あります。このビジョンにより、世界のあらゆる地域で、外部コントロール
することを試みているというのが現状ですね。


一方、日本はどうでしょうか?日本のビジョン、ありましたっけ?
日本は、どんな世界観を持ち、何を世界に対して貢献していくのか
ビジョンがありません。首相の口からも、一切聞いたことがありませんよね。
消費税増税だけは、すでに100回以上聞いていますが。

そうです。「世界観」を持つためには、まず正確な日本の歴史を知らなければ
ならないということがわかります。アイデンティティは、日本人の
歴史から生まれてくるのですから。しかし、戦後近代史をきちんと教えて
きませんでしたので、なかなか「世界観」を持てません。
まずは、近代史の真実の教育からはじめなければいけませんね。


2)自国を守るために、隣国の隣国と同盟を結ぶ


昔から陸続きの国では、自国の領土の侵入を防ぐため、
隣国の隣国と同盟を結んで、侵略を阻止させる環境
つくってきました。

日本においても、大東亜戦争時代には、白人からの
植民地化を防ぐため、韓国を併合したり、他国と連携
することで、本土上陸を阻止してきました。

現在の日本の状況をみると、反日思想でタッグを組む、
韓国、中国のお隣さんがいるので、彼らのウラから
影響力を及ぼすことができる国と日本はタッグを組む
必要があるということですね。


世界地図を観てみると、やはり、沿岸国のインド、ベトナム、
イラン、トルコなどが最有力でしょうか。
モンゴルが力をつけてくれば候補にあがるかも知れませんが
内地なので、交流が厳しいかな?

3)ランドパワーとシーパワーの視点を持つ


世界の歴史は、「海」(シー)と「陸」(ランド)の興亡の歴史
であると言います。アメリカの歴史家アルフレッド・マハンと
いう人が、世界は、「ランドパワー」と「シーパワー」の
闘争の歴史である
という世界観を示しました。

すなわち、内地(陸地)に住んでいる人たちは、結果的に
人々のエネルギーは、どんどん陸よりも外側の世界=外海に
出ていく力が働くといいます。また、逆に、海洋国家で
ある「シーパワー」側の人たちは、「海」に出てきては
困るので、これを叩こうとします。
つまり、「ランドパワー」と「シーパワー」のせめぎ合いが
起こることは、必然であると考えています。


しかしながら、どちらの陣営も、相手側を浸食しようとして
自滅した歴史がありますので、両方持てる国がないことが
わかっています。

ということは、現在の尖閣諸島問題も、この典型であり、
中国の海への浸食は、結果的に自滅に導くことが見えています。

4)繁栄するリムランドをコントロールする

地政学での重要人物として、ニコラス・スパイクマンという方が
います。この方は、「リムランド」という重要な概念を示しました。

それは、都市が栄えるのは、海岸線から200km以内の沿岸部
であり、降水量もあり、農業、商業が盛んな人口の多い地域で
あることに気づきました。
そして、この大陸の淵の部分を「リムランド」といい、
もっとも重要な地域であると論じました。
確かに現在栄えているのは、地中海、中東、中央アジア、東南アジア、
東アジアと日本までということで、三日月形の地帯に集中して
いることがわかります。

つまり、このリムランドをコントロールできる国が、世界全体を
制することができる
ということのようです。
そう、日本は、しっかりアジア共同体の中で、同盟関係をつくり、
独立の力を養っていかなければならないのがわかりますね。


5)「天・地・人」の3つの要素を押さえる

「地理」というのは、「天・地・人」の3つの要素から成り立って
いるといいます。
「地」とは、これは地形のことをさします。
変わらない普遍的な要素です。
そして「天」とは、人間の頭の中にある「地理」のことのようで、
心理的な近さや遠さなどの「世界観」を表すようです。

最後の「人」とは、天の地理と現実の地理のつなげる役割をする
「テクノロジー」を表しており、この技術革新によって、
物理的な地理の制約が変わったり、また「世界観」も影響を
うけていくようになるようです。


例えば、中国の変化をみるとわかりますが、「地」の領土は、
変わりませんでしたが、「人」のテクノロギーが進歩したことで、
領土拡張、侵略が進み、現在、「天」である思想までもが、
「中華思想」の実現を本気で信じ始めていますね。
そして、将来的には、シーパワーまで持つような行動に
なっているのがわかります。

つまり、現実だけを観て対応していては、ダメということ
なんですね。
日本の官僚や政治家は、もっと勉強しなければ
いけません。


さて、このように簡単ではありましたが、「地政学」の初歩
がわかってきました。

それでは、尖閣諸島問題に、今後どう対応していけば
いいのでしょうか?
「地政学」に見識がある国際政治学者の藤井先生に
話を聞いてみましょう。


【藤井厳喜News解説】尖閣問題と竹島問題―日本は中韓に、こう対処せよ!




いかがでしたでしょうか?

やはり、深い思考と長期ビジョンが必要なんですね。
それでは、また。