コブの仲間は秋口に生まれ、成虫越冬する。上手く飼育すると来年の夏まで元気で生きているのだ。
カブトムシやクワガタと比較して、臭くなくて場所もとらない上、餌は枯葉があればいい。非常に省エネ飼育が可能なのだ。
今日はその飼育方法を紹介したいと思う。
飼育用ケースはこうした小型のケースで十分。真ん中に仕切りがあるのでこれで2頭飼える。
ケースが無い場合はこうしたマヨネーズ瓶等でも十分可能だが、手入れのし易さから考えるとケースがあればよりベターだ。
ケースには餌となる枯葉を入れる。こいつは採集現場で拾ってきたハリギリの枯葉。
こいつは近くの街路樹のプラタナス。ブドウの枯葉等も好物だ。勿論栽培種で構わないが農薬が付いていない葉を使うようにする。
こんな針葉樹の葉を少し入れてやるとケース内に緑色が添えられて雰囲気が良くなる。
またほのかに針葉樹の香がするのも良い感じだ。
ケースにセットするとこんな感じになる。まだコブは入れない。
コブを入れる前に少量の水を全体的に振りかけてやる。コブ飼育は簡単で手間いらずだが、乾燥には弱いようだ。
ただケースの底に水が溜まるようではやり過ぎだ。カビが生えてしまうので加減が大事。
1週間に1~2回、霧吹きで1回かけるくらいでよい。
コブを入れてやる。大事なことはコブは1ケースに1頭だけ入れることだ。
雌雄を問わず2頭以上入れると喧嘩や追いかけっこを繰り返し、体力を消耗して早死にしてしまうのだ。
ケースに蓋をして完了だ。
置き場所は窓際等、家の中で温度の低い場所が良い。
温度の高い場所では動き回って体力の消耗が早まってしまう。
昆虫用のゼリーを入れてやる方法もある。
だが個体差があり、枯葉しか食べない個体があるかと思えば、一日中ゼリーにしがみついている個体もある。
ゼリーの方が栄養があるので個体によっては良い方法かもしれない。
最近は単身赴任先のマンションでも2~3頭飼育している。
おじさんの寂しい冬の夜。そっとケースを手にしてピンと触角を張ったコブの姿を見るのが何よりの癒しになるのだ。
春から夏にかけて再びオクシズの山を訪れる季節になったら、感謝を込めて採集した場所に逃がしてくるようにしている。
コブは飛べない昆虫であるため、その天然分布は微妙で繊細なのだ。自然の分布を乱すような行為だけは厳禁なのだ。
過去の経験からすると生存率は50%いけば上出来かな。
小さな虫といえども糞はするので、1週間に一度軽く掃除してやるのも大事です。
それではまた来週です。