秦 郁彦 (著) 新潮社刊 1999/6初版 444P 1870円
以前から従軍慰安婦問題に興味はあったのだが 漠然とした知識 吉田証言くらいしか知らなかったので読んだ本。著者は東大出身の日本の歴史家、元大蔵官僚。専門は日本近現代史、軍事史。拓大、千葉大、日大の教授を歴任。1932年生まれだから92歳か・・菊池寛賞を受賞してる。日本人にとって、公娼制度の変遷から日本の慰安婦制度の歴史と実態をもとに、豊富な資料・証言と諸外国の事例から、拡散する慰安婦問題の論点を全て解説した本。もう25年前の本なのでとっくに絶版かと思えば テーマがテーマだけにまだ現役。amazonで古本が200円しないので送料入れても500円しないが まずは図書館。うちの図書館が好きそうな本なので所蔵してたのを借り出して来た。手元にあるのは2014年の12刷。売れたのねー・・という話は置いといて B5サイズなのに厚さが3センチもある。444Pもあるので 見た段階でめんどくさそうだな・・と思わせる。読み始めたが200P過ぎまで 戦前・戦中の軍の慰安婦に関する公文書の資料で ああ買わなくて良かったと思ったのだが 7章から吉田清二の詐話から一気に面白くなる。吉田清二と言えば 「私の戦争犯罪」従軍慰安婦問題に誤った油を注いでしまった本で これフィクションなのだが これで朝日新聞が「慰安婦強制連行」の誤報を出して社長退任やらアメリカ議会、国連まで騙した騒ぎになった。 私も本書を読むまでは 吉田証言に騙されてたクチで 日本軍てとんでもない非道な軍隊だったんだな・・と思っていたのでお恥ずかしい限りだ。本書多くの慰安婦、軍、行政関係者の証言や資料の分析、紹介から解説していて この問題の基礎知識を身につける教科書的な本だ。巻末にクマラスワミ報告書や河野談話などの資料も添付されているし付属資料やデータ等は充実している。全体的に東大出身の元官僚が書いた・・という色は濃いので読みにくいが本棚に入れるべき本なので amazonで古本をポチった。送料入れても500円しない。戦後80年たった今日本が海外侵略してた時代に興味がない人たちにはどうでもいい本ではあるけどね。
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