私はメンタルチャットの管理人

メンタルチャットでおこるさまざまな非日常

ルポ・収容所列島

2022-06-28 12:23:20 | メンタルヘルス
東洋経済新報社刊 東洋経済調査報道部著 2022年3月初版 1600円。これ日経か週刊誌の書評に載ってたやつで ちょっと惹かれたので図書館検索したらあったので借りたやつ。一人だけ待ったけど 比較的すんなりきて 次に待ってる人もいないので3週間借りれるから返却は18日までなんだが パラパラっとみたら 密度が低いので集中して読み始めたら4時間で読んでしまった。最初図書館からご用意できましたメールが来て 収容所列島?ソルジェニーツインなんか予約した記憶はないので??だったのだけど あちらは収容所群島 政治犯の強制収容所の話だが こっちはサブタイトルに ニッポンの精神医療を問う・・てあって ああそれで借りたのか・・と納得。表紙に 人生の貴重な時間を奪った病院を決して許しません・・なんてあるが このタイトル自体が 露骨にパクリなんで 東洋経済・・てあかんなと思うのと同時に大体中身の質が見えた気がした。元々 著者達はブンヤさんだし健常さんなんで期待する方が無理だし 週刊東洋経済が東洋経済オンラインの連載を書籍化したものらしいので期待できない。ご存じの通りあたしは精神の厚生障害の手帳持ちだ。何度も書いてるけど ソフト業界 昨今ではIT業界って精神科のお世話になりながら仕事してるのが多い。 実感としては1~2割くらいは精神科通院してるし 1割くらいはストレスでおかしくなってるから 精神疾患持ってる人が特別多い業界なのは間違いない。ただ知ってる限りではみんな通院して薬か休職くらいですんでて 入院 それも閉鎖に・・て人はいない。ただメンタルチャット主催してると 開放のみならず閉鎖経験者もいるし 保護室という名の独房や身体拘束 オムツに排泄 奇声をあげる大部屋やらの経験者が多いので 現場は知ってる。本書 健常さんから見た日本の精神医療についてルポされてるわけだが 内側にいるあたしから見るととこんなことも知らないの?というくらいの内容だ。措置入院・・て行政が こりゃ入院させなきゃあかんだろ?というのを強制的に閉鎖病棟に送り込むアレだが 今主流になってるのは医療保護入院てやつ。あたしは知らなかったんだけど 基本的には家族1名が同意すれば 医師1名が入院の必要があると認めたら問答無用で入院させられる制度だ。それも入院させるのに行政の許可なんかいらなくて 民間の移送業者が拉致して病院直行だそうだ。この移送業者って元警察OBとか多いらしくて 犯罪人を逮捕移送するような感じらしく普通はお手上げ。で 精神科医て医療なんだから そんな無茶苦茶はありえないと思うだろうが あたしに言わせれば日本の精神科医の多くがクソだ。街のクリニックしかかかったことないけど 何を言っても じゃお薬出しときますね・・で終わる医師が半分以上だし 話聞いてくれも じゃお薬出しときましょうね・・が3割くらい。ちゃんと向き合ってくれる医師はまあ2割いるかどうか・・おまけに精神科って治療の結果が数値化されずに ほぼ100%主観なんで医師次第。あたしは急性大動脈解離で大手術して助かったけど 内科でも外科でも誰が見てもわかる結果が出るので医師の技量が数値化されるが 精神科はそれ全くないのが現実。あたしがかかってた街の精神科医だけど あたしが追い詰められて そこで処方されてたベゲタミン(バルビツール系の睡眠薬で下手すると普通に死ぬのでもう生産中止)15シートを含む470錠のオーバードーズで自殺未遂して まあ発見が早くて1週間の入院で終わったのだけど 退院してきて最初の診察で 普通未遂までした人に 開口一番 よくも俺に恥をかかせてくれたな・・で30分怒鳴り散らして 金だけ取った。薬も無し。それが2回続いて そこに行くのをやめたが。精神科医はみんな寄り添って力を貸してくれるものではない・・と強く思った。まあその後どうしようもなくて別の医師にかかったんだが この人がすごくいい人で 本も何冊か出してて これ先生の本?と持っていたら あら読んだの?と言われて サインしてもらったのだけど 精神科医としては異質だったからか 地元医師会と色々あったそうで 伊豆に転居して開業した。奥さんが受付してて これもまたいい人で片道4時間近くかけて伊東まで通院してたんだが 去年の今頃突然倒れてお亡くなりになってしまって あたしはそれ以降精神科通院ができなくなってる。障害者手帳も来年切れるし障害年金も切れるんで 本来ならどこかの精神科にかかって診断書を書いてもらわなきゃいけないのだけど そういうトラウマがあるので半ば諦めてる。本書 まあ大体知ってる話ばかりなんだが 精神科の患者を金づるとしか見てない精神科医が まだ山ほどいるのだな・・と思うと 更に怖い。精神科単科の入院病床のあるところ・・って開放病棟のあるところは比較的マシだけど 閉鎖病棟が中心のところは 正直刑務所より酷いらしい。そもそも入院の基準が主治医の一存で決められ 精神科の症状て数値化されてないから はい統合 はい双極 はい発達障害・・て適当にカルテに書いて はい入院・・なわけ。そういうところは看護師も医師も少なく まあ北朝鮮か中国か・・みたいな感じらしい。医師の好きなように入院期間が決めれるので40年退院できない人とかいるし看護師も質が悪くて 暴行なんか日常茶飯事で これで死んだりすると カルテ上急性心不全とか書かれて終わりなのが現状だ。これ健常さんから見たら 驚天動地の話か 嘘だろ?と思われるだろうけど 内側にいるとあるあるだ。本書にもいいところはある。子供の薬漬けや行政の対応なんかを取材してるところだが 子供の場合 多少異常行動があった・・それも協調性が・・というレベルで安易に発達障害やADHD(注意欠陥多動性障害)の烙印を押して向精神薬漬けにしてしまう。こんな恐ろしい現実があることを知る意味では本書はいいかもしれない。子供なんて小さいうちは奇行が多いのは当たりまえだし 成長につれてそれはなくなるものなんだが。生活保護を食い物にしてる話とか行政が精神病院に丸投げして やっかいものは排除して閉じ込めて死ぬまで待つ・・みたいな話も近いところにいると見える。更には 行政の福祉は社会の中で弱者を支える・・ではなくて めんどくさいから排除の傾向が顕著なことである。本書がそこまで取材してるのは一定の評価はできるものの 精神科医療・・と銘打つからには 生保や最近の主流である認知症患者の精神病院への丸投げとかは また別の問題なんで次作にお願いしたいところだ。本書 健常さんから見るとある種の告発本だけど 当事者側からみると 何を今さら・・で書評にとりあげたひとも健常さんだと思うから仕方ないんだろうけど あたしから見れば1600円+税の価値はない。図書館にあれば借りてみて欲しい・・と思う。正直買う必要はゼロだ。東洋経済てまあ目の付け所は悪くないけどそこから先が話にならんのでアカンなぁ・・と思う。こういう言い方をすると批判もあるだろうが 病気の苦しさははある程度推し量ることはできるだろうが 本人の気持ちを理解するのは難しいだろうな・・ということだ。病気にかかわらず 身体障害でも老人問題でも同じ。全部は理解できなくて当たり前だし 当事者も全部理解してくれとは思ってない。ある程度考えて動いてくれたらいいな・・なのだ。この話を若い健常の女子と話してたら 車いす介助付きの障害者と多目的トイレで嫌な思いをしたことがあるらしい。もっとも相手は介助者のほうらしいが。あたしは精神障害者である。だから言えるんだろうけど 障害者も健常者ももっと他人を思いやろうよ・・と。できないことはあるけど それを受容する気持ちが健常さんにあってほしいし 障害があるから・・と障害に逃げ込む障害者もやっぱりダメだろう。血反吐はいても やれるだけやって あとはごめんなさい・・になれば社会も認めてくると思うんだけどねぇ
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京都本1

2022-06-26 01:20:48 | メンタルヘルス
関東も伊勢崎で40度超える暑さだ。普段いる通路側の部屋は昔懐かしい窓用クーラーがついてるので 今年初めて稼働してみたが ちゃんと冷えるので友人と呑んでたw さて元京都市民 今は都民だけど この時期になると気になるのが祇園祭。今年は3年ぶりに巡行があるらしいのだが 個人的には山鉾巡行よりも粽だ。玄関に3年ものの長刀の粽がぶらさがってるので これを返してきて今年は新しい粽・・と思って 高速バスをとってある。さて表題の京都本だけど 京都の思想みたいなもの まあ杉本秀太郎や寿岳章子あたりの話ではなく 今京都に行くのにどんな本がいいのか?っていう 元市民の話だと思ってほしい。一番いいのは 京都の大路小路 平安建都1200年記念出版 監修 千宗室 森谷尅久 小学館刊 1994年初版 今は絶版 2900円 森谷氏は武庫川大の人 千宗室氏は裏の家元 ちなみにあたしのおかーちゃんは表だが。これ観光ガイドでもなんでもない。京都洛中の通りの解説書だ。なんで インスタ映えするような情報もグルメ情報も何もない。なんで これが一番か?というと 京都で暮らしてて 大事な情報が満載だからだ。京都以外だと**市**町てなんかの呪詛の言葉みたいなもんだが 京都洛中の住所は 面してる通り+交差する一番近い通り+町名で示されるからだ。若いころあたしは西陣にいたのだけど まあ雑に言えば立本寺の隣 行政上の地番は七本松中立売下ル一番町。京都の人はこの地番だけで位置関係がわかるので 京都をうろつくなら通りの名前が頭に入ってるとすこぶる都合がいい。なのでこの本を推すわけだが 既に絶版。amazonやメルカリあたりで古書は千円前後で買えるのでぜひ・・とお薦めしたい。後に森谷氏監修でビジュアルワイド版が出てるがこれも持ってるけど あんまりお薦めはしない。あたしはamazonやらメルカリでよさそうなのを見つけると買って友人に押し付けてるんだが amazonだけでも10冊以上買ってる。先日amazonで安いのがあったんで買ったら 茶色く変色したやつが来たw がカバーの裏表紙に金押しでMK株式会社と 社のロゴと社名が入ってる。ご存じの方もいると思うが MKてハートのマークの京都の大手タクシー会社。だからなんだ?と言うわけでは無いけど 地元のタクシー会社が 教育用にまとまった部数を買うような本なのでこれは地元で認められた本。あんまりにも茶色いんでウェットティッシュで拭いたら 茶色くなったw タバコのヤニだ。結構綺麗になったんで手元に置いてある。紙は厚い上質紙だし 情報は 読み方によってはてんこもりだ。旅行本も悪くは無いけど こういう地味な京都本がもっと評価されてもいいのにな・・と元市民は思うわけ。
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ベリングキャット

2022-06-17 06:42:34 | メンタルヘルス
エリオット・ヒギンズ 筑摩書房刊 2020年3月初版 1900円+税 これも雑誌の書評から拾った本だが うちの図書館は偉い。検索したらあったので早々に借りだしてきた。タイトルをみただけでは 何の本なのかさっぱりわかんないのだけど 取ってきて表紙を見たらわかった。オリジナルのタイトルは We are bellingcat で サブタイトルがan intelligence agency for the peopleとなってる。仕事がIT屋というかシステム屋なので こういう分野に興味がある。カバーの内側に著者をオープンソース調査団てあるので ググってみたら 41歳のイギリス人で、前半生はサラリーマンとして様々な職を転々としていて同時に、趣味のオンラインゲームの達人として、その世界では名が知られることもあったらしい。じゃどういう本かと言えばネットに公開されてるデータ これをオープンソースというそうだが まず特定ー見過ごされている問題・発見されていない問題をネット上で特定し 検証ーあらゆる証拠を検証し 決して憶測に頼らない 拡散ーわかったことを拡散し同時にこの分野を全体として広く知らしめる・・という 現場に出ないでネット上で取材するジャーナリストというか 別の言い方では安楽椅子探偵ともいうそうだがw 必ずしも現場に出れば全てわかるわけではないので これは賢いやり方だと思うし 一人では無くて多くのネット上の協力者の力を借りて検証するので いろんな切り口から真実にたどりつけるので これはアリだろう。ネット上の情報から民間機の撃墜やら化学兵器の使用 テロ 情報機関の暗躍なんかを暴く内容だ。それにしても 筑摩書房のタイトルのつけかたはお粗末だ。オリジナルタイトルを見れば どういう本なのかわかるのだけど これのサブタイトルがデジタルハンター。国家の嘘を暴く・・て ますますわけがわからんと思う。タイトルのベリングキャット・・もカタカナだとわけがわからんが 原文だと猫に鈴をつける・・有名な昔話でネズミが猫を怖がる話 ネズミたちが集会を開いて 猫が怖いので 身を守る手段として 猫に鈴をつければいい  問題は誰が猫に鈴をつけるか?ということからきてて このプロジェクトがベリングキャットなんだそうだ。面白いんだが 彼は作家やエッセイストではないので同じネタを手を変え品を変えで 書いているのだが 手法を詳しく書くのはいいんだが いろんな案件で それをどうやって検証したかを書くので とてもだるい本になってる。更に訳者が何でもやる翻訳者なので デジタルの世界にあまり詳しくないようで あたしみたいな仕事してるものから見ると読みにくい翻訳になってるのが残念。まーしかしこういう分野を確立したのはすごいと思う.NHKのBSでスペシャルで放映されたみたいだが 既にオンデマンドでは観れないようで 英語版はhttps://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/ondemand/video/3016070/で観れるらしい。この業界で仕事してると面白い本なのだけれど オリジナルは本的にはだらだら同じことを繰り返し書いてる気がしてちょっと残念だ。個人的には買えば2090円だが 図書館で借りれたらそれでいいと思う。次に待ってる人がいるので早々に返してくるとしよう。
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