冒頭から衝撃的な映像でした。
キーウ市近郊のボロディアンカ動物シェルター内で、たくさんの犬が倒れています。
女性が悲痛な思いで1匹1匹の名前を呼びますが、犬は起き上がることはありません。
ロシア軍の侵攻で500匹近い犬が放置され、1ヶ月以上餌も水もない状況で、222匹が衰弱死しました。
一輪車で運ばれ、犬の死骸は捨てられます。
中盤と終盤にも出てくるこの映像、予告編で一部を見ることができますが、胸が締め付けられます。
人間の犯した悪事によって多くの犬の命が奪われた、という事実は、たぶん新聞でもテレビのニュースでも報道されなかったと思います。
本作の最後に「小さな命を犠牲にしないという覚悟こそが、戦争という大きな暴力に対するゆるぎない意義のあるレジスタンスかもしれない」という言葉がありました。
この映画の価値は、戦争によって亡くなっているのは人間だけでなく、何の罪もない多くの動物たちもそうであるということを私たちに伝え、無慈悲な侵略戦争に対して、自分は何ができるだろうかと考えさせることかなと思いました。
後半、やや話が発散気味の所もあったように思いますが、動物嫌いな人にも是非見てほしい映画です。
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