etceterakoの勝手にエトセトラ

「生意気娘Kの勝手にエトセトラ」は改題いたしました。カテゴリ「ブログ改題について」をご覧ください。

堕天使の涙、タランテラを雑談する

2006年09月30日 | 宝塚歌劇
 じゃー、ざっくり雑談いきまーす。(行数オーバー表示が出てしまったので、記事さいごがブツ切れ・・・。思い出した順に書けたところまでということで。)

 芝居は、26日に見たらずいぶん良くなっていた・・・ような気がするの。えりちゃんvsひろみちゃんの緊迫シーンが、23日に比べてずいぶん求心力のある場になっていたような・・・気がする。まだまだ良くなるんじゃないかな。楽しみですね!

 ショーのほうはね。わたしのなかで「前衛だ!」と(あくまでワタシ的にだけど)結論を出したおかげで、すっきりさっぱり!初回の百倍楽しく見ましたよ。初回はとにかく「困った」からね。

 あのね、名古屋市内の某老舗カレー店に、「バナナカレー」っていうのがあるんですよ。(←突然たとえ話スタート)若いバナナが丸いカタマリでゴロゴロ入ってんですけどね。それを口に入れた瞬間、わたしは「こ、これってジャガイモ!!」と思ったんだよー。バナナっつっても、青いバナナだから甘さがなくて、食感もジャガイモなのね。丸いカタチもバナナには見えんし、「小さいジャガイモ」そのものなんだね。べつにフツーにおいしいバナナカレーなんですが、わたしの脳内は大混乱をきたしました。頭では「バナナ!!」って思っているのに、食べている最中の感覚は「ジャガイモ!!」なワケです。この理屈と感覚がズレているカンジがどうーーーしてもダメでね。ものすごく「困って」食べたワケなんですよ・・・。わたしにとって「タランテラ!」はその時に近い感覚だったな・・・。

 今回、わたし的に理屈のほうを修正しまして、「前衛!」って思いながら見たので、ちゃんとアタマと感覚が連動して、楽しく見られたという話です。

 しかしねー。ひとつ困ったことが!!
 前衛を見る感覚で「タランテラ!」を見る結果、「コム様きゃーきゃーアドレナリン」(←無茶なネーミング)が抑制されちゃうんだよぅぅーーーー!!
 何年か前に「ロシア・アヴァンギャルドの陶芸展」(岐阜県現代陶芸美術館)で見たスエーティンのね、食器なんですよ・・・。

 グーグルイメージ検索「スエーティン」→ココ

 このねえ・・・「アヴァンギャルド(前衛)」を構成する幾何学形・・・四角とか丸とか線とか・・・要素ですね。要素に見えるんですよ、スターの登場もダンスも歌も(泣)いやまぁ、そんな見方をしとるのはわたしだけでしょーが・・・すいません(なぜか謝る)

 スターを四角や丸扱いすんなー!とのお声もありましょう・・・。お叱りごもっとも(平身低頭)
 だってそう見えるんだもん(涙) なんか前衛のフォルムを見る感覚で見ちゃうんだもん(涙) またコム様ってどっちかといえばクール系スターで、ダンスがキッチリ端正でしょ。ますます幾何学なモノを眺める目線で見ちゃうんだよ。

 だいたい、わたしにとってこれまでもこれからも、宝塚ってのはあくまで「娯楽」でしてね。(「趣味」でもないな。娯楽だね。このブログや、関連書籍読むのは趣味だけど)

 わーい!あはははは!きゃー!ぎゃー!きゃーーーーーーー!
 (※こういうヒトに、石田昌也作品はうってつけなんです・・・)

 っていうのが、客席でのスタンスなんだよ。それがタランテラ!は

 ・・・・・・・・・・・・(鑑賞!)

 ってカンジなんですよねえー。「キャー」が入る余地がない。うーむ、わたしだけ?わたしだけですよね、すいません・・・(また謝る)

 いやー、スターさんや組子を愛でる視線てのもあるはあるんだけどね、「鑑賞モード」が先にたっちゃうんだよねー。それはそれで面白く見てるんだけどねえー。

 と、少数派ぶり(・・・・・・。)をいかんなく発揮したトコロで、やっとキャストの話です。

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 コム様。
 わたしは今公演を「コム様足上げ大会」と名づけました!キレイにパキッと上がる足。そしてキ~プっぷり!デュエットダンスで、コムちゃんの上がった足の下をまーちゃんがくぐる振りありましたね。「足上げ大会」のハイライトですね(?)
 芝居と歌さぁ・・・ホンットに上手くなったよね(感涙)特にお歌!(コム様比での)成長っぷりに、トップとしての年月に思いを馳せちゃったよ。

 まーちゃん。
 出番が少ないーーーーーーーーー!!コムちゃんとのラブラブシーンがないーーーーーー!!(涙)頼むよ、景子せんせぇーーー!!(涙)
 でも、ベッドに横たわって、(目が見えないので手探りで)堕天使の手からコップを受け取るところ、大熱演でホントに感動したよ。
 ショーでは、パンツスタイルとか銀橋で娘役にしては低い声で歌うところとか、かっこよかった!可愛くて清楚なのに、かっこいい!!まーちゃん大好きです。

 ちかちゃん。
 ちかちゃんは銀橋の使い方がとってもステキ!色気で空間が埋まるっていうの?なんか、銀橋で一曲うたうだけの姿が、めちゃくちゃかっこいいの!!
 芝居の役は、酒持ってふらふらしてるトコがものすごくツボだった(笑)
 ジャン=ポールは不幸な役だけど、不幸が色気に変換されて(?)、胸キュン度倍増!!壁にこぶしをたたきつけてガーンってやる後姿も、めちゃくちゃかっこよかったです。ああいう、感情が発露する場面いいよね!

 えりちゃん。
 雪組最後の公演だね。
 すごくイイ役でよかったよね!今回の芝居で、もっとも緊張感のあるイイ場面だもんね。まだどんどん進化する場面だと思うので楽しみ!
 ショーで、えりちゃんが芯になるとこ、すごく楽しい!!サワヤカえりちゃんの本領発揮だよね。

 キムちゃん。
 ・・・キムちゃんは実力派だなぁー!芝居めちゃくちゃ上手いし。キムちゃんがしゃべりだすと、パッと場がキムちゃん中心に「(わかりやすい)芝居らしい芝居」になるね。(雪組芝居ってことなのかな)
 キムちゃんて、ダンスの人ってワケじゃないんだけども、ダンスの芯でも、問答無用の求心力と華があるよね!
 わたし、一作ごとにどんどんキムちゃんの「舞台」を好きになっていってるんです。小柄だけどパワフルなのも見ていて気持ちいいv

 ひろみちゃん。
 ひろみちゃんって、月組で見ていたときには、そう「月組月組」したイメージじゃなかったんだけど、こうして雪組で芝居しているのをみると、やっぱり芝居の質が月組だね!うん、これから雪組でどんなふうに育っていくのか楽しみ!マルセルはイイ役だよね。今回の芝居の時代やパリの設定、ひろみちゃんにえらい似合ってたなー。

 ハマコさん。
 ハマコさんの歌には「生気」があるよ!わたしの前衛モードをも突き破るハマコさんの歌唱パワー!!
 ハマコさんって芝居もちゃんと上手いのよね。今回は下級生陣と4人ひと組の「地獄の舞踏会スタッフ」でしたけど、ほどよく抑制のきいたセリフ回しがさすが!

 かなめちゃん。
 いやーーーー、眼福でございました!
 コムちゃんとの並びは「耽美」以外の何者でもないっ。コムちゃんの従者(?)って設定を思いついた景子先生に拍手拍手!黒い服もめちゃ似合うしー。存在がもう、少女漫画だよ!景子先生ワールドにぴったりー!

 遠麻くん&コマちゃん&せしるくん。
 遠麻くんの優しい芝居がすごく好き!なの。遠麻くんのお芝居、もっと見てみたいな。せしるくんがササッと遠麻くんの背中に隠れるトコがあるんですが、遠麻くんのドーンとかまえた鷹揚な雰囲気がかっこいい!頼りになりそう!ああー、あんな彼氏ほしいよぅ(←また始まった)
 コマちゃん、だいぶオトナ(?)になったねー!立ち姿とか、すごくサマになってきたじゃないですか。もっとセリフつくようになるのが楽しみ!
 せしるくん・・・オカマ!?くねくね芝居に内股・・・!!さいしょドレスで登場したときゃ、ド肝抜かれましたよ!衝撃(笑撃ともいう)でした。布を引き裂くところとか、めちゃくちゃ可愛いんですけど!(笑)もう、おねーさんイチコロ(笑)・・・しかし、せしるくんてこのままイロモノ路線なんでしょーか(笑)ショーの群舞とかさぁー、けっこう真中のほうにいてビックリだよ!初回、いっしょうけんめい両端を探していて「いないなぁ」と思って、目に「せしるくん発見器」を組み込んでいるらしい友人Rにたずねたら、「意外と真中にいる!(びっくり)」って言われ、二回目まんなからへん探したら、いたよいたー!大きくなったねえ、せしるくん・・・(親ゴコロ)

 さゆちゃん。
 大役だったねえ!まだちょっとカタいところありますが、どんどん成長して素敵な娘役さんになってね!

 かおりちゃん。
 役ないから心配したよ(涙)ちゃんと出番もセリフもあってよかった!

 ラギちゃん。
 ショーの幕開きに、ひろみちゃんと対で使われていたのに感動しちゃったよ!かわいいラギちゃーん!あそこでわたし的に数十秒の「ラギちゃんガン見タイム」が設定されております!(笑)

 いづるん。
 さすが元男役!と思わせる力強い役割が多かったね、今回は。てゆーか、いづるん上手い!ちかちゃんの恋人の役、あれステキですね。衣装も役も、いづるんによく似合ってるー!

 ナガさん、悠さん、にわちゃん。
 この3人のお芝居が、わたしは大好物なのですよ!甘さと優しさのある、重心の低いどっしりしたお芝居がね。にわちゃん、上手いねー。ナガさん、大好きです(群舞でも探して見てますから!)悠さん、やさしそうな伯爵サマだなー!このヒトならパトロンになってもらっても安心っぽい(笑)

 カフェで踊ってる客の中心て、そらちゃん?はぁー!なんだかかっこいいじゃないの、そらちゃん!

 大西洋の場面は見るトコいっぱいで困っちゃう!
 上で歌ってる4人の娘役さんみんな、ひとりひとり見たいし!(あやりちゃんが入っているのがうれしい!)下で踊るさゆちゃんと愛奈ちゃんも見なきゃだし。愛奈ちゃん、キレのある魅力的なダンスだねえ!

 ひめちゃん、しなちゃん。
 しなちゃん、ショーも芝居も、なんて清楚で愛らしい・・・(胸きゅん)
 特に教会で絵本よむとこ!
 ひめちゃんが「いったぁーい!」って、さゆちゃんに意地悪するところがなぜかツボ(笑)

 美穂さん、あみちゃん、ゆめみさん。
 ショーでは歌姫さん大活躍でしたね。あみちゃんの毒のある(?)芝居と歌が見られなくなるのは残念。最後のハマアミコンビを堪能します!ゆめみさん、舞台いっぱいにひびく素敵歌声だなー。 

「松竹vs阪急!その戦いはマスコミの格好のネタだった・・・らしい」 92へえ!

2006年09月30日 | レヴューのトリビア


「松竹vs阪急!その戦いはマスコミの格好のネタだった・・・らしい」
 92へえ!

「朝日新聞縮刷版 昭和9年1月ほか」より

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 今回、なんで昭和9年を見たかっていうと、東京宝塚劇場の完成が昭和9年だからなんです。とにかく、東宝ができんことには、紙面に宝塚も登場せんじゃろ、と思いましてな。

 昭和9年1月9日2面。
 「出来上がった日比谷劇場」として、日比谷映画劇場完成の記事。(東京宝塚劇場は1/1開場だったと思うけど、記事は見当たりませんでした。たぶん、12月に載ったんじゃないかな)
 ちなみにこの日比谷劇場、一律50銭をうたい、コインをいれるとバーがあいて進める地下鉄みたいな改札(?)方式だったらしいよ。安さ、上演回数の多さ、それから配給とナシつけて、従来とはちがう興行形態(人気があればロングラン。入場者のパーセンテージで利益を分ける)で勝負した模様。・・・すごいな、一三!これ、失敗したら目もあてられんよ?

 同日の13面には「劇界危険線」として、
 切り込む小林 堅める大谷
 紳士協約は見事に破棄! 俳優争奪の乱戦

 素人小林一三と玄人竹次郎の一騎打、帝都の興行合戦は三六年を待たず春もはやばやと開始された。小林勢の宣言した専属俳優募集がそれだ。紳士的に握手してといつた仮面がこれで漸く剥がれたわけだが、立ちあがられてあわてる松竹、立ちあがつても自信のうすい宝塚ーーーちょっとこんなふうだ。


 一三は松竹の牙城に劇場をぶっ建てて乗り込んだものの、肝心のソフトがない。(人気俳優がいない) 表向きは紳士協定など結んでおきながら、「俳優募集」ってことにして、「松竹の俳優さんぜひ来てv」(応募してくるなら、引き抜きにはあたらないよね!ってハラ)
 まぁしかし、そうカンタンに人気俳優が応募してくるハズもなく、素人の履歴書ばかり東宝には溜まっていったそうな。それで、ウラではやっぱり「引き抜き交渉」ということに。
 引き抜きの多寡は別にしても、松竹側はいいメーワク。人気俳優が「給料上げないと東宝行くよ!」と交渉にきたり、とかく安さをうたう東宝に負けじと、松竹の劇場の食堂料金を値下げするハメになったり・・・。(この値下げについては「大谷玄人は小林素人の真似をすると堂々宣言している」のだそうですよ。)

 ・・・何か、「小林素人」「大谷玄人」とかさーあ、マスコミの「高みの見物」モードが思いっきりうかがえて面白いよね。

 この月だけでも、ほかに松竹vs阪急の記事は数点あります。
 1月20日には(ナゼか「家庭」欄に)大谷氏登場。インタビューに応じています。

「物情騒然ですがどうですか?戦意みなぎっていますか?」
「エライ人気ですナ。喧嘩もしとらんのに新聞は火花を散らしているように書いてくれます。人伝に聞いたんですが何でも小林さんはエラク怒りはって、こうなったら大谷くんと共同声明書でも発表せんと世間の誤解はとけんというてなはるそうですが、私もそれは毎朝新聞を見て不愉快です。然し夜寝るときよう考えて見ると、これは両方のために大変結構なことで、芝居や活動の人気が出ると思うています」

 そして、一三の日比谷アミューズメントセンターには、脅威を感じるどころか喜んでいる、と語ってみせる大谷氏。「私には名誉も意地もないから、よいことは(小林の)真似をしますよ(お客様のために)」と宣言する大谷氏。うーん、心中はいかがなもんだったんでしょうか・・・。

 ちなみに昭和十年8月24日の「映画と演芸 九月増大 新スター発見号」(朝日新聞社)の広告を見ますと、

 大谷松竹社長、小林東宝社長
 興行界攻防戦誌上一騎討
 東都に攻め入って丸の内一帯を風靡しさらに浅草新宿進出をも策して大波乱を捲き起しつつある問題の小林氏!これに対する大谷氏の秘策は?

 東宝の引抜戦術を占ふ…黒覆面
 (覆面座談会かなんかですかね?)


 ずいぶんマスコミの耳目を引くニュースだったんだな、一三の東京進出は。
 それだけ、それまでの興行界は、松竹の存在が大きくて、対抗馬(?)がなかったということなんでしょう。

 さて、次回のトリビアは今日のつづき。
 「松竹vs阪急!熾烈な戦いは広告にまで及んだ…らしい」ですよ。(なぜか予告)


「ターキー(水の江瀧子サマ)って、よっぽど人気あったんだね!」 47へえ!

2006年09月29日 | レヴューのトリビア


「ターキー(水の江瀧子サマ)って、よっぽど人気あったんだね!」
 47へえ!

「朝日新聞縮刷版 昭和9年3月ほか」より

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 や、何も驚くには価しない事実なんだけどね・・・。
 要は、今日はターキーの小ネタ集なんですよ。

 まずは写真の話ですが・・・。スキャナ取り込みじゃなくて、携帯でバシャッと撮っただけの写真なんで、見えますかねえ~?(スキャナあるんだけど、PCがしょぼいので、取り込みは難しいのですよ・・・。画像を扱えるようなPCじゃないんです・・・。じゃあ、なんでスキャナあるんだよ!って感じですね。知らんよ、妹のスキャナだかんね。)

 この広告に、わたしは大ウケしてしまったんです(笑)
 キャッチコピーがイカすでしょ(笑)

 ターキー型も ガルボ型も 簡単にO・K!
 レディ間に大評判の白光 クリーム白粉

 が、ガルボ!
 ガルボって、ふっるーい映画に出てくる大女優グレタ・ガルボよね!?
 少女歌劇のスターが、ハリウッド女優と並べてキャッチコピーにされるんだよ!?これ、すごくないですか? 

 鳳蘭型もジュリア・ロバーツ型も!

 って、言わないでしょうー。無理でしょうー。

 キムタク型もトム・クルーズ型も!

 これですら、無いっしょー。
 松竹少女歌劇 水の江瀧子なんて表記が一切なく、「ターキー」って書いてあるだけっていうのも、ターキーのずば抜けた知名度を感じます。

 ところで、これはクリームの広告にターキーが出ている、ということなんでしょうかー?この広告の写真て、ターキー??(そこんとこ自信がないので、お尋ねしようと思ってわざわざ写真とってみました)

 昭和9年1月13日の新聞に、少女画報社が広告出してましてね。

 新春の御読物として大評判の三大名著
 いづれも写真の沢山入った綺麗な本です
 宝塚物語(平井房人著)
  四季折々に描き出されるロマンス 奇想天外なスターの噂などを集めた秘密の手箱
 宝塚夜話(平井房人著)
  舞台と楽屋の秘密やスターをめぐる実話小話を沢山 宝塚フアンの見逃せぬもの
 ターキー自画像(水の江瀧子著)
  自叙伝と創作と写真とターキーが自分であなたに語る彼女の秘密をお聞き下さい

 ほら、ターキーだけ個人の本だよ!すごいよ!
 
 昭和10年8月1日の十一面、下方のちいさーい記事ですけれど、「ターキー卒倒」として、ターキーが倒れたことを報じています。

 ターキー卒倒【大阪電話】
 東京松竹少女歌劇のスター、ターキー水の江瀧子は三十一日午後一時半、千日前大劇場でレビュー「ローズ・マリー」に出演中、突然脳貧血を起して舞台の中央に卒倒したので、直ちに医師の手当てを受け南海沿線玉出のパンションで静養している。

 大阪に出張出演中だったんですかね。
 ターキー、大丈夫でしょうか・・・(って平成の世から心配してもね・・・)
  


「昭和9年頃、さくら音頭が大大大流行したっぽい!」86へえ!

2006年09月27日 | レヴューのトリビア

「昭和9年頃、さくら音頭が大大大流行したっぽい!」
86へえ!

「朝日新聞縮刷版 昭和9年3月ほか」より

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 ・・・とにかく昭和9年3月の広告を見ると、あっちにもこっちにも「さくら音頭」なんですよ。松竹少女歌劇の「東京踊り」の主題歌が「さくら音頭」・・・なんですけども、どうも「さくら音頭」はコレだけじゃないらしい。

 日活オールトーキー「ニッポンさくら音頭」の主題歌がポリドールから出ていて、その広告が3月3日に載ってますねー。日活映画で「さくら音頭」があったんだね。

 同じく3月3日、東京劇場の広告は新派大合同をうたう「宵節句さくら音頭」(この主題歌はコロンビアから出ているらしい)。

 3月5日になりますと、3/24~3/29の東京劇場の前売開始広告、松竹少女歌劇の「東京踊り」(主題歌:さくら音頭 コロンビアレコード)。

 3月7日の東京宝塚劇場の上演予定広告は「東宝ヴァラエティー さくら音頭」です。「巷にあふれるビクターの「さくら音頭」を皆様御存知でせう。これは「さくら音頭」のスペクタクル化です」と書いてありますんで、ビクターレコードから出た「さくら音頭」が流行だったんかな?(ビクターのさくら音頭が最初の流行なのかなぁ?)

 3月14日、小さな松竹座の囲み広告によれば、京橋新富座とゆー劇場では「新編成松竹 さくら音頭舞踊団」松組二十名出演。新宿松竹座では「新編成 松竹さくら音頭舞踊団」竹組二十名出演だって。・・・松組と竹組??これは松竹少女歌劇??組分けがあったんですかね。(単なる松竹お抱えの舞踊団?少女歌劇じゃないの?)

 3月20日、ビクターレコードの広告には「新小唄 さくら音頭」の文字が。その真下に、ライバル社のコロムビアレコードが広告を出していて、こっちには
 松竹少女歌劇「東京踊り」レヴュー歌
 松竹「春のおどり」レヴュー歌
 松竹蒲田オール・トーキー化
 の三つの肩書きつきで、4月新譜として「さくら音頭」が宣伝されとります。うぬぅー!松竹少女歌劇「東京踊り」と、松竹「春のおどり」、どう違うんだー?同じ主題歌を、松竹内のいろんな興行で使って売り出したということなのかっ!?

 3月21日、浅草松竹座に「東京踊り」上演予告です。東京劇場のあと、浅草松竹座に移って続演ってことかな。ひとつの土地の違う劇場で同じ演目やるっていうのが、なんか不思議ですなぁ。(いまの感覚だと)

 3月22日、リーガルレコードっちゅーところから、流行歌の肩書きつきで「さくら音頭」の広告。・・・これはなんか、便乗商売っぽいな(笑)

 3月23日、lコロムビアレコードが、さくら音頭のキャンペーン広告をデカデカと出してきましたよ。
 山口貯水池完成祝賀 松竹のさくら音頭踊り大会
 最近完成された東洋一の『山口貯水池』へ武蔵野電車「さくら音頭列車」臨発!
 二千五百名御招待
 だって。そういえば、NewOSKの秋のおどりのPRに、貸切電車が走ったんだっけ。列車で宣伝!は松竹系伝統のワザなんだねえ。
 ほかに、複数の「公園」でさくら音頭のイベントみたいなのやってたらしい。よっぽど流行ったのか、よっぽど力いれて売ったのか。

 どっちにしろ、松竹少女歌劇のレヴュー歌「さくら音頭」は、かなり知名度を得たみたいですよ。
 3月29日の、これは記事なんだけど、外国のえらい人(ナントカ特使・・・固有名詞の漢字が、つぶれてて読み取れないっ)の接待に、宮内庁雅楽部員とともに、松竹少女歌劇が呼ばれて、さくら音頭を披露したそうな。

 3月31日の東京宝塚劇場には、宝塚少女歌劇「春のをどり宝塚音頭」の文字。(こちらの発売元はポリドール) ・・・「松竹がさくら音頭なら、阪急は宝塚音頭だっ!」とゆー宝塚歌劇団の制作部の声が聞こえてくるような・・・気のせい?(笑)

 さて、すこし時は戻って3/21の記事に、おもしろいのがあります。

 「さくら音頭」に浮かれ娘
 今流行の「さくら音頭」を恨んで娘を留置して下さいと二十日朝九時頃日暮里署にその娘を連れて頼み込んで来た母親があるーー(中略)ーー母親の語るところによると、きくは昨年夏には流行した「東京音頭」に凝ってあちらこちらと踊り歩き遂には各所の競演会にも出演するほどの腕達者となり、その頃から不良性がはげしくなり不良少年と遊び歩き出し去る二月二十六日にはとうとう家出してしまった。
 やっと母親が去る十五日千住遊郭内の某喫茶店の女給をしているのを見つけて連れ帰ったがまたまた「さくら音頭」に熱中して家財を入質したりして、遊び歩き手がつけられぬので……といふのである、同署では娘を説諭の上帰宅させた。


 この娘さんは19歳だそうです。あははは(笑)これ、面白いよね!説諭!(笑)
 それにしても踊り歩きって、ドコで踊るんですかねえ。先に出た「さくら音頭大会」みたいなヤツですか??3月だから盆踊りってこたぁ、ないだろうし。
 

雪組「堕天使の涙/タランテラ!」感想要約&補足

2006年09月25日 | 宝塚歌劇

 いつものように作品の話、キャストの話に分けてます。
 今日は作品に関する話です。

 なんで本文と要約が別記事かというと、字数(一万字)オーバーだからです・・・。
 下の記事、長いですけどどうぞ。→いちおう、本文記事にリンク

 ネタバレ容赦なしで書くつもりでしたが、書きあがってみたら、概要の話が多くて、意外とネタバレというほどネタバレ記事じゃないな・・・。とはいえ、当然、エピソードに具体的に触れる箇所がありますので、ご承知おきくださいマセ。

 10000字もあるので、お気が向いたらどうぞ。(10000字って、原稿用紙25枚!?なんたるヒマ人・・・。つーか、もうすこし短くならんのか、自分よ・・・)
 ざっと要約しとくよ。

堕天使
・少女漫画のよみすぎ!
・設定過剰。
・景子先生はわりとモノの見方が紋切り型。
・ディテールを楽しむ作品だ。

タランテラ
・レビュー界の禁をやぶる(?)前衛じゃないか。
・「宝塚」と「前衛」って両立するの?
・抽象絵画を見るつもりで見ようと思う。
・荻田レビューの祝祭と「カーニヴァル化する社会」(これはさわりだけ)

出てくる本
 「ビギン・ザ・ビギン 日本ショウビジネス楽屋口」→ココ(ヤフーブックス)
 「カーニヴァル化する社会」→ココ(ヤフーブックス)



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 本文記事は昨日、イキオイで書き飛ばしたものなんでー、今日読み直してちょっと補足。字数オーバーで、修正して入れることができんかったのだよ・・・。

 ※むかーし、アパシネを「ポストモダン」として語ったときにも、「作品を通して自分と向き合うことに意義がある」んだと書いたことがあります。基本、おんなじようなこと書いてるんだけど、前衛とポストモダンではすこし違うと思うの。(なんか単語の使い方間違ってそうだなぁー。わたし、思想を専門に勉強したことはないからな。でもほかに表現する単語がないんで、「なんちゃって」で使わせていただきます。)ポストモダンでは、従来の物語に近い「ベクトル」はあって、そのベクトルに沿って投影が行われるから、投影を誘発しやすいんだと思うのね。だから、人気がある。
 前衛だと、真っ白なカンヴァスから読み出す作業だから、これは意外とめんどくさい。だから、前衛は通向け。っつーか、前衛はポストモダンより大衆性が低いんだと思うの。

 ※カンディンスキーの絵画、タイトルが教会の固有名詞なのはまだぬるいほうで、「コンポジション●」(●=番号)とか、(本当は意味あるんだろうけど少なくとも表面的には)無意味、無機質なタイトルをつけた、あまりにも前衛、いかにも前衛なヤツもあるじゃないですかー。
 荻田先生もそのうち、
「第1場 コンポジションⅠ」「第2場 コンポジションⅡ」とかの、超前衛レビュー作ったりしてね(笑) 荻田先生なら、やろうと思ったらできるんじゃない?(笑)
 まぁー、宝塚およびレビューに、はたして前衛がふさわしいのか、必要なのかっていうのは、また別の問題ですがねえー。

 はい、というわけで。
 生意気娘Kは、「タランテラは前衛だ!」って結論を(勝手に)出してみましたよ。

 今後、観劇を重ねるうちに「やっぱ違うわ!」って思ったらどうしよう・・・。
 大風呂敷な記事、あいすいません。


雪組「堕天使の涙/タランテラ!」

2006年09月25日 | 宝塚歌劇

【堕天使の涙】
●どえらい少女趣味(※「どえらい」:名古屋弁で「ものすごい」。)
 わかってたことだけど、とにかくどえらい少女趣味。
 そして少女漫画の読みすぎです、景子先生(笑)
 オープニングに、天使とは!云々、ムードを出すための字幕が流れるんだけど、これは少女漫画の扉ページの(または扉の一頁前に大ゴマ使って描く)モノローグだな。漫画の手法だよ、これ。友人Rが「あれ、字幕じゃなくても、ネオダンディズムの「ダンディとは!」みたいに、幕前のスターによる語りでイイんじゃないか。または歌にするとか、って言ってて、ナルホドと思った。舞台、ということを考えると、そっちのほうが適切な演出だったかもしれんねぇ。

 館に青いバラ咲いてたり、抜擢を受けたバレリーナがいじめられたり、堕天使(コムちゃん)がジャン=ポール(ちかちゃん)を選ぶ理由が「目に影があったから」 (少女漫画は、影のあるヒーロー好きだよね・笑 そして、こーゆーえらい抽象的な理由で心が通うことにウットリ効用があったりする・笑)だとか、とにかく出てくる意匠がいちいち少女漫画なんだな。少女漫画はわたしも相当読んでいるから、「ああ・・・」と思った(笑) うまくいえないけど「ああ・・・(知ってるこーゆーの!)」みたいな(笑)

 でもねー。ベルばらの時にも書いたけどねー。少女漫画、少女趣味を含む「少女文化」ってヤツは、意匠のことではないと思うのねー。青いバラが出てくるから、少女漫画として魅力なのかっていうと、そういう話でもないんだよ。青いバラを通して、何を表現するのか、ってトコロが大事でしょ。
 前からうっすら思っていましたが、景子先生は「(自分が好きな)少女趣味」に対して、けっこう無自覚なんだよね・・・。(=批評性がない。)景子先生の武器って、やっぱり「少女趣味」なところだと思うんだよ。その武器をもうすこし自覚的に使えば、もっと飛躍的に向上すると思うんだけど・・・惜しいなぁ、と思ってるんです。いや、景子先生の作品は好きだし、いまのままでも充分魅力はあるんですけども。さらに欲をいえば、ということね。

 今回、ムダな少女趣味が多いんです。設定過剰。
 単に景子先生が好きだから入れたんだなーっていう設定が多い。青いバラの存在も、本筋には関係ないし、もっというと「館」もなくても話進むもんね。(会場か道端で、直に話せばいいじゃんか)呼んで青バラ見せるためだけ!?みたいなね。

どーゆー話なの?
 話の大筋は「人間嫌いだった堕天使が、人の情に触れて改心し、天に帰る!」って話でございます。で、堕天使が眺める「人間ども」が、
・親子で憎み合ってたり(悪)
・仕事で行き詰まってズルをしてたり(悪)
・親に捨てられてもピュアなココロをもってたり(善)
・自分の仕事に挫折しても、挫折より戦争に心をいためてたり(善)
 いろいろ見て、最終的に堕天使も改心!めでたしめでたし、です。最初(悪)だった人たちも、エピソードごとに(悪)→(善)へ改心します。えっらいピュアな話なの。

 いろいろあるけど、人生捨てたもんじゃない!
 人間っていいよね!

 みたいな、人間賛歌に見えました。(わたしには。あってるかどうか自信なし)
 ラストがクリスマスイブってこともありますが、なんでか見終わったあとの感じが「クリスマス・キャロル」に似ていた・・・(あくまでわたしは、です)
 基本、性善説なんだよねー。わたしにはちょっと、キレイすぎたかな。この物語の登場人物みたいにピュアには、わたしはなれん・・・(反省)

●作劇のスキル
 前にも書きましたけど、わたしはそんなに「ストーリーのつじつま」「破綻」にこだわるほうじゃないです。ストーリーにアラがあろうとも、それを上回る魅力があれば、それで良し!と割り切ってます。
 だけどいちおう、今回も思ったことは突っ込んでおきましょうかね。
 今回、ストーリーテリングにアラが多いです。故意なのかマジなのかはわからんですが。

 まず、わたしがまーちゃんのファンだということは別にしても、ヒロインが幕あいて何十分も出てこないのはマズいでしょ。出てきたと思ったら、ベッドのうえで、ピュアに語るだけの役割。ちゃんと主人公と・・・いや、主人公じゃなくてもいいから、とにかくキャラクターに絡ませないとね。動きがないのもNo Good! ヒロインに限らず、全体的にキャラクターが受け身で、アクションが少ないね。これはあんまりよろしくないな。

 それから、見せ場がない。
 景子先生的には、病室での「赦し」シーンが見せ場なんだろうけど・・・ただでさえ、キャラクターが受け身で「アクション」が少ないんだから、「赦し」の結論シーンのほかに、ストーリーを盛り上げる派手な場面があったほうがいいと思うんだけど。
 フツーに考えたら、「地獄の舞踏会」って作品を完成させて、上演するシーンを入れるのが「基本」じゃないでしょーか。(地獄の舞踏会スタッフの決裂を、上演→不評 の結果で示す展開にもできるし)

 もうひとつ。
 展開、設定、結果、心情、セリフで説明処理が多いのはよろしくないね。
 具体的には、館にたどりついたとき、ちかちゃんが「もやに包まれて気がついたら・・・」って、不思議な館だと示すための「もや通過」なら、スモークたいて「もや」やればいいいじゃんかー。できないなら、別になくていい設定だから、カットでいいと思います。セリフで何でも説明して納得させるのは、ちょっちズルいと思うなー。時間が足りない、っていうのは言い訳にならないと思います。時間ありきの作劇なんだから、無理ならストーリーをスリム化しなきゃ。

●もう一歩先を希望!
 あのー。つとに評判のよかったThe Last Party。あれ、わたしも好きだし、「よかったよー」って記事を書きましたけど・・・。「景子先生はロマンティック・ラブのつもりで書いたものを、ゆうひくん&月組が芸術とは!なストーリーに変換したんだと思う」(半分は月組の手柄)という趣旨の文章を書いたのを覚えておいででしょうかー?(←覚えてないって。)
 景子先生は、芸術とは!のテーマ向いてないと思う・・・。今回、あらためて思いました。

 今回、エドモン(えりちゃん)っていう音楽家が、振付家の気に入る曲を作れなくて(=親の七光り音楽家で、スランプという設定)、弟子(ひろみちゃん)の曲を自分名義で発表してモメる、というエピソードがあるんです。
 あーーのーーー、ラスパでこのテーマ気に入っちゃったんでしょうかー、景子先生?(というのは意地悪な見方?)

 ちょっとねー、その描き方がザックリしすぎ!だと思うの・・・。

 芸術っつーか、くりえ~てぃぶな事柄において・・・「能力がある」「素質がある」「才能がある」・・・これらは似ているようでも、まったく別のことだと思うんです。逆にいうと、「能力がない」「素質がない」「才能がない」は、意味がちがう。で、エドモンはどれなのか!ってことが、ようわからんのですよ。
 ・七光りだから才能がない。→才能がないから「スランプ」になる
 いくらなんでも、紋切り型にすぎるでしょ。
 世間によくある紋切り型「ゲージュツ」イメージそのまんまじゃん。
 景子先生、当のクリエ~タ~なんだからさー。もう一歩、踏み込んで書いてほしいですよ。それができないなら、このテーマは使うべきじゃないと思います。自分に向いているテーマ、向いていないテーマ、できることできないことを見極めるのも、クリエイターの能力のうちだと思うよ?(と、エラそうに素人娘がほざいております!)

 この件に限らず、わりと景子先生はモノの見方が「紋切り型」なところがあると思う・・・。いや、紋切り型を悪いとはいわないが、そういうオノレの性質は自覚して、それを生かすかたちで作品つくったほうが、景子先生のよさが引き立つと思うよ。(と、またエラそうに素人娘がわかったようなクチきいております!) 

雑感
 要するにね、話を進めたり動かしたりするより、「景子先生のやりたい場面、ディテール」を優先した結果だと思うんです。だから、ディテールはものすごく凝ってます。プロローグも、指揮者に仮面渡したり、凝ってますね。楽しいですね。
 まぁでもー、今回は「凝り過ぎ」かな。そのせいで、「設定過剰」で、ストーリーは半端な印象になってしまってます。
 「堕天使の涙」は、ディテールを鑑賞する楽しみが強い演目ですね。

【タランテラ!】
●「タカラヅカ」における「新しさ」って?
 宝塚の演目を語るのに「古いからダサイ」「古くさい」という表現は適当なのか、ということを、ずっと考えていたんです。たしかに、若いわたしから見ますと、「この衣装は古い!」「この感覚は古い!」と思うものもあります。でも、それを「古い!」と批評することは、はたして適当なことなのかどうか・・・。
 (ここからまたオレ流意見いきまーす!)
 ・・・そもそもさ、宝塚って、前時代的なノスタルジーをウリにしてるとこあるじゃないですか。最新じゃない、流行に対して慎重である、伝統の名のもとの保守性・・・それらの「なつかしい」気分が幅広い年代の固定ファンを集めてるんじゃないですか。そもそもわたし、「古い」といえば、レビューという形式自体、ひと昔前のモノで、最後に羽根背負うアレこそ、客観的には「古くてダサい」んじゃないかと思うんだよな。いや、わたしがそう思うって話じゃないよ。客観的にってことね。あれは伝統だからイイって??あー、うん。わかってるんですよ。そうなんだけどー、でも、羽根は「伝統だから古くても良し!」として、新しい特定演目については「古くさいー!」と批評する、というのは、(感情的にはありますが)理性的には(えらそうだけど批評者としては、ってこと)わたしにはできないんです。それは、ASIAN WINDS!を見たあたりからずっと頭にあって、じゃあ、宝塚にとって新しいってのはどういうことなんだろう、と。宝塚が進化するっていうのは、どういう方向になるのかなって。

 トリビアコーナーでも紹介した本に、以下のような文章があって、「あ、これ、わたしも考えてたことだ!」って思ったんです。

 日劇も昔はモダンなものが多かったんですが、劇場ってものはそう飛躍したものがあとからあとから出てくるってわけにいかないって言うのか、パリあたりのレビューもだんだんオールドファッションになってきた。それをラスヴェガスに持ってきてお金をかけてスペクタクルにしてるけど、決してモダンではない。音楽が変わってきてるでしょ。電気的なものに変わってきた。音の方が先行して、そいつにイメージがついていかない。あれを具象化してスペクタクルにするとなるとむずかしいわけです。モダンアートなら合うかっていうと、なかなかそうもいかない。どうしても照明にたよるようになる。ストロボを使うとかレーザー光線を使うとか。舞台装置もマテリアルが変わってきますね。今までのベニヤ板に泥絵具で描いた道具じゃ合わなくなってくる。金属性のものを使うとか合成樹脂のようなものとかガラスを使う。モダンジャズまではよかったんだけども、そのあとはむずかしくなってきましたね。
 しかし踊り子がキラキラした衣装で羽根をくっつけて出てこないとレヴューに見えないということになると、完全に今様なものではレヴューになかなかならないんじゃないかな。いつか誰かが新しいレヴューをやるんじゃないかなとも思いますけどね


 「ビギン・ザ・ビギンー日本ショウビジネス楽屋口ー」(和田誠/文春文庫)より引用。東宝の舞台美術家、真木小太郎氏の言葉です。下線は生意気娘Kによる。

 レビューには、バリエーションはあっても、そもそも進化などありえないんじゃないのか、衣装、曲のテンポ(ビジュブリのとき、酒井先生が曲のテンポのことは、座談会で触れておられましたね)に「変化」はあるかもしれないけど、「同時代性(コンテンポラリー)」はありえないんじゃないか、と思ったりしたわけです。そうなると、タカラヅカにおいて「新しい」「古い」を語ること自体がナンセンスなのか・・・。

 それでねえ。
 「タランテラ!」は、レビュー界の暗黙の禁を破った「前衛」なんじゃないか、とわたしは思ったんです。

●「タカラヅカ」と「前衛」は両立するのか?
 そんなわけで、タカラヅカであること(レビューであること)と、前衛であることは、両立しないんじゃないかと思ってたんです、わたしは。

 わたしがしばしば引き合いに出す、例の「ユリイカ」の演出家インタビュー。・・・たしか石田先生だったかなあ?(ごめん。引用したいけど、かなり前に買った本なので見当たらないの・・・。探したんだけどね。)
「ショーというのは、意味もなく楽しいものじゃないとダメだ」
「(ショーにおいて)設定っていうのは、作る側の打ち合わせで必要なだけで、観客にはあんまり関係ない。(なんとなく楽しければいいんだ)」
 みたいな話があったんですよ。
 ここでいう「意味もなく楽しい」っていうのは、深い意味はない、ってコトで、「意味がない」わけではないよね。(なにか、言葉遊びのようだなぁ)
 三角関係だとか、恋人の踊りだとか、アジアの草原だとか、鯨を追う船長だとか、パッと見て「あっ(なんとなく)こーゆー設定なんだな」とわかって、それに深い意味やニュアンスは考えずに、あとはダンスと音楽の快楽に身をまかせる、っていうことでしょう。パッと見て設定の意味はあるんだけど、実は深い意味はない。

 タランテラ!では、真逆なんですね。
 大西洋の場面にしても、パッと見「海!!!」ってカンジじゃない。(ワンダーランドのちかちゃんの場面のほうが、いかにも海!でしたね)パッと見て意味はないのに、実は(パンフレット)を見ると、深ーい意味があるわけです。
 従来の発想と逆なんですね。
 ちょっと、美術の素養はショボいのに、知ったかでモノ言うんで恐縮なんだけども、これは美術における「前衛」と重なりませんか。
 レンブラントとかルノアールとかの絵画は、パッと見て「あ、夜警だ!」とか、「--夫人だ!」とか意味わかるけど、対象に深い意味はない。(対象を選んだ状況はあるだろうけど)
 ところが、前衛といわれる絵画・・・いま手元にたまたまポストカードブックがあるから、前衛画家のカンディンスキーを例にとってみましょうか。カラフルに色ののった絵画です。線の境はあいまい。なにが書いてあるのか、みただけではわからない。風景だ、ということだけかろうじてわかります。それでタイトルを見ると「ムルナウの教会Ⅰ」。教会だったんですね。パッと見わかんないけど、実は意味がある。前衛、です。

●タイトルに意味なし!
 今回、友人Rとしみじみ語らったのは、「タイトルのタランテラの意味が、舞台見ただけじゃわからん!」ってことです。
 レビュー内容は、それこそ「パリゼット」の時代から超定番の、「世界めぐり」なワケです。蜘蛛を思わせる衣装は出てくるけれども、「ネオダンディズム!」みたいに、「これからダンディとは何かをご紹介しまーす」みたいな、親切な解説はないんです。歌詞をよくよくきけば「タランテラ」って出てきますけど、ワンダーランドとかダンディみたいに、キーワードを刷り込むように繰り返して歌う主題歌ではないから、とにかく「タランテラって蜘蛛が化けて世界めぐりしてるんだよ」ということが、観客に知らされない。タイトルが「華麗なる百拍子」とかでも、わたしは驚きませんぜ!
 わたしらヅカファン族は、歌詞もプログラムも予告あらすじも、なめるように読むし、歌劇誌にのる演出家も出席する座談会なんかの周辺情報もあるから、「タランテラって蜘蛛が恋をしてー」って、意味を事前にインプットして見ますけど、バスツアーなんかでくる団体さんのなかの非ヅカファンの方は、フツーに「世界めぐり」レビューとしてみるんじゃないかと思いますね。蜘蛛だなんて、(まぁ、タイトルはのぞいて)夢にも思わないと思いますよ。

 このレビュー、本当の意味で「意味がない」んですよ。
 いや、じつはある。荻田先生のなかには、意味はあります。でも、それを直接的、具体的に伝達していない。荻田先生の「テーマ」のフォルム(形)だけを抜いて、表現したものでしょう。抽象絵画と同じです。

 じゃあ、わたしたちは抽象絵画(なレビュー)をどう見ればいいのか。

●無意味に意味を探すこと。
 国立西洋美術館の常設展に、白い絵の具を塗りたくった絵画がありました。わたしが行った時は、「観客の目」みたいな企画で、一般の観客から館内の絵の感想を募集して、優秀(?)な感想をその絵の横に展示する、というのをやっていたんです。それで、感想が一番数多く展示してあったのが、その白いだけの絵でした。
 さもありなん、ですよねえ。
 パッと見て意味がない、ということは、感想を書くためには自分で意味をひねり出さねばならないということ。これは、難しいようで、じつはそう難しくないよね。だって、単に白いんだよ??ぶっちゃけ、なんでもアリでしょう。昨日落ち込んだこと、明日への不安、友達との不和、恋愛の幸福、「無意味」のうえには、どんな意味をものせることができます。
 そして、無意味と向き合って意味を探しだすとき、それはとりもなおさず、「自分と向き合う」作業になるワケです。感想、意味、といったって、けっきょくは自分の引出しにある要素からしか、出てこないわけですから。感想がある程度、語り手のオノレを投影した「自分語り」になるのは、自然なことでしょうね。(前衛なモノに限らず、文化を受容するときに、ある程度自分を投影するのは、もちろんあると承知しています。ただ、前衛になると、その幅がデカイというか、投影がすべて!何でも投影できる!ということになるんじゃないかと)
 無意味に意味を見出すことで、自分と向き合う。
 これがイイことなのか、見方として間違っているのか、(いつも言うことだけど)良否のジャッジは、わたしにはできません。わかりません。

 タランテラ!はだから、そういうレビューじゃないかと。
 蜘蛛だの恋だの、既成のストーリーにこだわって見ると、わけわかんないんじゃないかと。
 それはそれ。
 蜘蛛も恋も海も、「何か」を表現するカタチにすぎないんですよ、わたしが思うに。前衛芸術をみるように、「タランテラ!」というスクリーンにうつるシルエットを見ながら、シルエットの元を想像するもよし、自分をスクリーンに映すもよし。

音楽が変わってきてるでしょ。電気的なものに変わってきた。音の方が先行して、そいつにイメージがついていかない。あれを具象化してスペクタクルにするとなるとむずかしいわけです。

 ・・・・・・タランテラ!こそ機械的で、電気的な現代の文化に近い前衛なのじゃありませんかね。音はアナログだけれども、やっているのはテクノミュージックと似たようなことなんじゃないかな、と。わかりやすい意味からの脱却、なんとなくの快楽、祝祭的熱狂、ね。

いつか誰かが新しいレヴューをやるんじゃないかなとも思いますけどね

 ついにその時代がきたのかもしれない、というのは、うがちすぎかな(笑)

●カーニヴァル化する社会
 
やばい!もう9000字を超えとるぞ!最後は手早くいきます。
 2005年の5月に出版された「カーニヴァル化する社会」(鈴木謙介/講談社現代新書)を書店の棚にみつけたとき、「ああ、こーゆー言論まってましたっ!!」とわたしは思ったんですよ。まぁ、実際読んでみると、どーーーも読みにくい本で、(文章もわかりにくいし、いくつかのトピックが混在してるから)3回読んでようやく「なんとなく理解した」かんじなんですけども。

 この本がいう「日常のカーニヴァル化」・・・現代に起こるそれらの現象の根底に流れるものと、荻田先生が発信するメッセージには、なにかつながりを感じます。タランテラ!の説明文には「祝祭空間が出現する」ってあったでしょ。
 現代日常の祝祭性を荻田先生は感じていて、(まあ無意識かもしんないけど)テーマのひとつとして書き込んでいるような気がするんだよ。

 あー・・・ほんとはこのカーニヴァル化のところを、もうちっと掘り下げようと思ってたのに、「前衛」に足をとられて、書ききれなかったよ。いいかげん一万字こえたからヤメときます。また気が向いたら、「カーニヴァル化する社会」の件は書くわ。(書かないかもしんないけど) とりあえず、わたしはそーゆーこと考えましたーってことで。

 自分が絶対に正しい、とは夢にも思ってないし、えらそうに書くわりには、自信は意外とないんですよ・・・。もし何かお気にさわること書いていたらすみません。
 長いのに読んでいただいてありがとうございました。
  


堕天使の涙、タランテラ初見!(語る前に)

2006年09月24日 | 宝塚歌劇
 いつものようにグダグダ長たらしく内容を語る前に、ざっとの所感を前振り代わりに書きます。長文記事のほうは、ネタバレ全開でいきますので、ネタバレしたくない方向け記事という意味もこめて。

 芝居もショーもねえ、見終わった瞬間の感想は「困った・・・」「弱った・・・」でした。まぁ、芝居はともかく、ショーは特にね、率直に告白しまして、初見では「まったくわからない!手も足も出ない!」状態でしたねー。

 だからといって、「駄作だったのっ!?」って言われると、そういうワケでも・・・。つまらないのかと聞かれれば、「そんなことはないよ」と答えますし、でも「すごく面白かったのか!」と言われると、「すごく面白い!オススメ!」とまでは言えないかなぁー、みたいな。だから「困った」なんです。

 ショーの話ですけども。
 初見の午前は、ほんっとに「???????」になっちゃいましてねー。
 わたしの周囲を、「幻想」がすごい勢いで通り過ぎていくのに、捕まえることができなくて、ポカーンと見送る、みたいなね。とにかく、端緒がつかめなかった!恥ずかしい話ですが、どう見たらいいのかわからなかったの!
 まぁ、何を見るにしてもそうですけど、けっきょくわたしは、わたしの我流の感覚と文法と見方で楽しむワケです。そのわたしの「いつものやり方(見方)」ではダメな作品だったっぽいんだよねー。とにかく徹底的に感性のチューニングが間に合わず、何ひとつわからないまま午前が終了。どれぐらいわかってなかったかというと、友人Rに「あそこのあの場面が」とか言われても、ほとんど記憶できてなかったぐらい「見えてなかった」!間違いなく客席に座っていたのに、ちゃんと見ていたはずなのに、まるで海辺の砂のように、すべてわたしの手元をすり抜けて、何ひとつ自分のなかに残っていなかった!!のねー。
 こういうこと、実は漫画や本を読んでいると、時々経験はある・・・。でも、宝塚でははじめてだったので戸惑いましたわー。

 午後のチケットも持ってましたので、午前公演を終えて休憩にタコ焼きを食べつつ、わたしは「とにかくこのままじゃダメだ!!」と思いました。

 語るとか楽しむ以前に、わたしにはこの作品が「見えていない」!完全に置いて行かれてる!!
 たぶん、ここんところ一本もの以外では「ネオダンディズム」とか「ビジュブリ」とか、わりとオーソドックスなレビューばかり見ていたせいで、自分のなかで「レビュー」を見る感覚が凝り固まっちゃってるんだ!と思ったのね。
 いちど心も頭も真っ白にして、ゼロから見てみよう!と決意して午後公演を見たら、ようやく内容が「見えて」きました。荻田先生の意図や、面白い部分、組子の個性の部分も、やっと自分のなかに落ちてきた感じ。(それでもまだまだ、見えてない部分多いと思う。これから観劇の回数を重ねて、何が見えてくるのか楽しみです)

 というわけで。
 今回は、非常に難しい作品ですねえ。

 わたしが思うに「凡作」ではないですよ。凡作にありがちな「可も不可もない =どうでもいい内容=つまんない」な感じはないです。

 「チケットいっぱい買って損した!」「二回は見られない!」な感じも、ないんですねえ。わたし今作、たぶん何十回でも見られるし見たいと思う。(そんなにチケット買えんけど)

 ただ、なんつーか難解とゆー意味じゃなくって難しい「扱いづらい」作品なんだよね。本当に「困った・・・」です。

 面白くないワケじゃないし、でも際立った「面白さ」(単純な興奮)はないし・・・・・・うーん、書いててホントに困った・・・。

 なんか、「娯楽」ではないな、アレは。サービス精神のすくない作品です。
 興奮を誘うようにできていない、という面からいえば、「つまんない」という意見も出てくるんじゃないでしょうか。

 とにかく、非常ーーーに「困った」作品です。
 でも、繰り返しになりますが、「駄作ー!つまんないー!」とブーイングを飛ばす気にはなれません、わたしは。でも、「面白い!!!」ってワケじゃない。つまんないか面白いかってゆー次元を超越した、なんともフシギなショーだ・・・。あー、困った!

 「(未見だけど)タランテラどうだったか知りたい」という気持ちでこのブログをのぞいてくださる方には、「これは感想を他人と語り合えるような作品じゃないので、とにかくご自分でごらんになって、自分にとってどうか、という尺度でのみ作品を記憶するのがイイと思います」と申し上げたいと思います。

 感想は個人的なモノだ、というのは、どの作品にもいえることでしょうけど、この作品は特に「他人の感想」では内容を想像・理解できないものかな、という気がします。

 荻田先生特有の幻想性は健在だし、いつもにまして観念的(物理的じゃない)ので、なんだか夢と悪夢が織り交ざった、見てはいけないモノを見てしまったような、後味の悪さ(不愉快、というのではないトコロがまた難しい・・・)というのは、たしかにありますねえ。しかし、それをもって「作品的にNG!」と言い切ってしまえるかどうか・・・考えあぐねているんですよ。あー、困った困った・・・。場面ひとつひとつは面白くないわけじゃないし、サヨナラ仕様はちゃんとしてるし・・・。あー、困った困った(以下「困った」エンドレスリピート)
 

宝塚グラフ10月号を読む

2006年09月22日 | 宝塚歌劇
 では、(いつもながら)おもいっきりアト追いの出版物感想、いってみましょー。

 表紙のとうこちゃん、オトコマエだなー。娘役に囲まれるのが似合うなー。しかも、囲んでる娘役さんがトップ娘役!なのがイイよね。かっこいいなー!

 ネオダンディズム!のデュエットダンスの写真、ナイスショット!わたるくんもとなみちゃんもイイ表情してるね。スカートが豪快にひるがえって、きれいな写真だねー。

 花組ベストショットセレクション、左下の男役がわらわら写ってる写真、すんげーかっこいい!!男役の美が、写真からもビシビシ伝わってくるよ!さすが男役の花組!

 きりやんファンタジスタ。
 そうか・・・運動神経抜群だったのか。そうだろうなぁ。舞夢のパンドラ写真、ひさびさに見たわ。あそこのきりやんは、わたし的きりやんベスト3に入るね!いいシーンだったなー。「きりやんin花組」を見るのも(わたしには)はじめてで面白かったしー。

 あやねちゃん、ドレス可愛い!!うたかたのドレス楽しみ!!

 あさこちゃん公開アンケート。
 ええー?好きな役一位は大海人なんだー?意外ー!わたしは断然、ジャジーのパトリックなんだがなぁー!(パトリック、7位以内にも入ってないじゃんー。わたしは少数派だったんだー?)

 熱烈対談。ゆうひくん→そのかちゃん

 桐:(ほめられすぎて)もう言葉がありません。
 大:言葉がないのはだめだよ(笑)

 ここのゆうひくんの、「言葉がないのはだめだよ」の切り返し、イイね!座布団一枚っ!「自分をちゃんと表現しなきゃ」ってことでしょ?個性的な切り返しだよなー。ゆうひくん、上級生らしい落ち着いた語りだねー。そのかちゃんがなんか弟にみえる(笑)

 言葉の力。
 キムちゃんがコムちゃんの言葉を選んでくれてるーーー!!
 「地が命」かぁ。ふむふむ、なかなか深そうなお言葉・・・と思いつつ読んだら、なんですと!!これは化粧の下地の話で、文字通り「(化粧の下)地が大事!」ってことだったのか!やられたー!(←何が?)最後にキムちゃんがキレイにまとめましたね。
「お化粧の地はもちろんのこと、自分の地である基礎、基本の部分を大切に成長していければ」
 や、コムちゃんがそーゆー意味で語った言葉かと思ったよ、わたしゃ。

 思い出かずかず。
 ・・・か、かなめちゃん!!犬のかぶりものをしてもなお、美形だーーーー!犬なのにハンサム!犬なのにかっこよくてドキドキしちゃったよぉー!!美形は何をしても美しいなっ。しかし、性格はマイペースなんだなぁ。(by音楽学校時代エピソード)
 涼華ちゃんもパンダだけど美形っ。今月は美形の並びだなーv

 おっ。今月の名作劇場はウエストサイドストーリーね。
 ともちん似合うじゃーん!中の赤いシャツが特にイイ!

 本音でチョイス。
 ちえちゃん!好きな土地が全部南国ーー!(笑)わかりやすい(笑)
 いやー、前から思ってたけど、ゆうひくんとはなんか感性が合う(?)なっ。そーなんだよー!村上春樹は短編より長編だよね!でもって、フィッツジェラルドは短編のほうがいいとわたしも思う。フィッツジェラルドのさー、「崩壊」っていうわずか数ページのエッセイがすごい好きでさー!孤独と感傷と自省のないまざった、すごい魅力的な文章なんだよねー。ゆうひくんもきっと読んだよね??あれイイよねー??(←雑誌の向こうのスターさんに話し掛けないように)

 リボンの騎士が載ってる!!うわー!モー娘だー!(どういう感想?)

 全ツレポーーーーー!!ベルばらーーーーーーー!!!きゃーーーーー!!!(テンションMAX)
 あひゃー!ちかちゃん、オフショットもカッコエエなぁ!サングラスちょー似合う!! まーちゃん可愛い(爆)全ショット可愛い!西郷どんに顔ハメしてても可愛い!!
 わ!ナガさんが写ってるのがうれしい!(ひそかに組長さんファン)
 あー、ベルばらの感動を思い出すよ。ベルばらはイイなぁ。思い出すだけで幸せになれます!もー、ベルばら大好き!
 フランス人形のロケット衣装、しみじみとすごい・・・。派手・・・。特にアタマのかぶりモノ。

 さて来月はー!コムまーファン(の生意気娘Kが)待望!!コンビポートデュエットにコムまー登場っ!!うれし~い!!たのしみーーー!!早くみたーい!!  

「小林一三は新婚早々、新妻or愛人の二者択一を迫られた!」69へえ!

2006年09月21日 | レヴューのトリビア

「小林一三は新婚早々、新妻or愛人の二者択一を迫られた!」
69へえ!

「日本財界人物全集第5巻 小林一三」(三宅晴輝/東洋書館)より

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 一三の「絶対結婚大作戦」(←?)は、おおむねうまく運んだようです。ひとつ番狂わせがあったとしたら、東京での見合いは二人と会う予定が、都合でひとりになってしまったこと。はい、そーです。選択の余地なし!!ってことです。一三、もうひとりにも未練があって、「二人と会う予定が、ひとりしか会えないのは軽蔑されているようで腹がたった」そうですよ。・・・一三、やっぱりちょっとワガママ・・・。

 ともあれ、美人ではないけれど「感じのよい下町娘」の見合いの女性と、一三は結婚することになりましたとさ、めでたしめでたし・・・だったら、何も記事を2本に分けるこたぁないわけで、はい、ここからが見ドコロ。

 結婚は、しました。
 新婚旅行を経て、結婚生活がいざスタート!「身をかため、これでいっぱし。さぁこれから立身出世じゃ!」と、ようやく落ち着いた一三の家に、たずねてきた人がありましたのじゃ。(日本昔ばなし風)

 ある夜、一三が夜おそく帰宅すると、家のお手伝いさんが「今日、(例の大阪→名古屋時代を熱烈恋愛してた)愛人さんが来てたよ」と言うワケ。お手伝いさんは一三が結婚したことを告げ、愛人さんはションボリと帰っていったと。一三、どうしたと思う??わたしは読みながら我が目を疑ったね!

 なんと一三、ソッコーで残っていた有給休暇を使い、新妻には「銀行の友人たちとの約束があってー」うんぬん嘘ついて、愛人と有馬温泉に行っちゃったんだよー!えええー!?大ヒンシュクー!!

 それで有馬温泉で、口をきいてくれない愛人を前に「私がわるかった、わるかった」と謝っていたらしい・・・。(新妻の立場は・・・?)

 この愛人さんですけど、母親が「おまえが大阪天満の実家の表で遊んでいる時、行者風の白装束の男が通って、おまえが結婚する男性は出世する!百万人にひとりしかない幸福な男のお嫁さんになれる人相だ!と言った。そんなことが二、三度もあった」と聞かせて育てたらしーんですね。彼女はそれを信じている。そんな彼女の信念の風情にうたれて、一三はさらに慄然としたらしい。

 さて、二泊の外泊を終えて一三が帰ってみると、新妻から「実家に帰らせていただきます!」の手紙が!!(←愛人のことがバレたらしい)

 東京の親戚からは、
「嫁はもう大阪には帰らないと言っているが、一三が謝ってくるならとりなしてやろう!」
 ってゆー手紙が来たんですけど、これに対する一三の返信がまたヒドい。
「私がどんなに不行儀であったにしても、逃げていくという如きは男の顔に泥を塗ったもので、意地からにも帰ってもらわなくてもよい。それよりも、見合いのできなかった方の写真のお嬢さんと見合いをしたいからお願いする」

 後年、このときのことを「ずうずうしい厚顔だった」と振り返ってはいたらしいけど・・・ずうずうしいっていうか、ちょっと思いやりがないよねえ。ワガママだよねえ。
 銀行員として、なぁんか体裁が大事だったみたいね。
 新妻に逃げられたとは言いにくかったらしく、「妻はちょっと里帰り中。そのうち帰ってきたら披露するから」と、ごまかしー。(じゃあ謝って戻ってもらえばいいのに・・・)

 まあしかし、隠しきれませんわね。
 やがて「小林は新妻を追い出したひどいやつだ」と評判に!

 平賀支店長もシブい顔をするし、もう銀行ヤメようかと思ったんだけど、ヤメる決断もなく、そのまま銀行づとめ続行。

 けっきょく、明治33年にその愛人さんとめでたく結婚しましたとさ。
 一三は、早め出勤で出世した先輩行員にならい、30分早く出勤を実行しましたが、これは(出世のためもあるけど)やんちゃな私生活への銀行内の非難の空気をすこしでも挽回しようとしたものらしい。

「小林一三は左遷!で名古屋に赴任したらしい。」51へえ!

2006年09月20日 | レヴューのトリビア

「小林一三は左遷!で名古屋に赴任したらしい。」
51へえ!

「日本財界人物全集第5巻 小林一三
」(三宅晴輝/東洋書館)より

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 そーか、一三先生、名古屋にいたことがあるのねえ。
 えー、この本によりますと、大阪で、まぁかわいがってくれる上司もいたけれども、どーも当時の支店長に嫌われたらしくって、明治30年(一三25歳)、名古屋に左遷されることになりましたとサ。
 
 左遷にあたって、よくしてくれた上司は、一三に、

「あんたはワガママだとの評判もある。名古屋で同じ過ちを繰り返さないよーに!」(←生意気娘Kによるスーパー意訳でお送りしました)

 と、忠告の手紙をくれたらしい。この本では、一三がこの手紙を終生大切にした、とゆー美談に書いてますが、とにかく当時の一三の社内の評判は、すこぶる悪かったことがうかがわれますねぇー。

 さて、名古屋にやってきた一三。
 じつは、大阪で一三は「文学青年的恋愛」・・・まぁなんだ、要は恋愛にのめりこんでいたらしくってね。名古屋へ行くのはいい機会だから、これで清算だ!と思ってたらしーんですね。この「16歳の愛人」さん、この本にはハッキリかかれていないんだけど、たぶん花街の方だったんじゃないですか??(清算を決意する理由が「堅気の女を嫁にもらおう、このままいけば身の破滅だ」なんですよ。花街入りびたり生活をしてたことを考えると、舞妓さんか芸妓さんかなと思って)それで、清算できたのかというと・・・

 綿々たる恋文を書きまくる!
 毎週土曜日夕方の汽車で大阪に帰って愛人のもとへゴー!
 月曜日の朝にやっと名古屋に帰って出勤!
 そのうえ愛人が名古屋についてきちゃったり!!

 社内ではどこからともなく「小林、大阪の女を連れてきとるぞ!」とうわさが広まる!
 ・・・懲りてない!懲りてないよ、一三!!

 仕事はまぁ順調だったみたいです。
 のち、阪急を起こすときに有用なコネクションも得たみたいだし。
 名古屋の平賀敏とゆー支店長に、だいぶ可愛がられたみたいですね。平賀氏も、花柳界に名のとどろく、花街の遊び大好き!座敷外交大得意!な、粋なヒトだったみたいですねえ。あー・・・一三が可愛がられるの、わかるねー。

 しかし、そんな平賀氏も、一三の遊びっぷりは心配だったらしい。
 平賀が大阪支店長にきまって、一三も「私もゼヒ大阪勤務にしてください!」と頼んだとき、平賀が出した条件が「妻をもらって連れて行くべし!!」だったとのこと。

 一三は見合いをします。
 ところが、見合いするたびに振られるんだな、これが。

 そうこうしているうちに、明治32年、一三の大阪転勤が決まります。
 なんとしても結婚しなければならない!!
 一三は決意とともに上京し、親戚の世話で東京で最後の見合いにのぞみます。二人と会う予定で、とにかくどっちかに決めていったん帰り、ソッコーで結納したら東京で挙式。新婚旅行をかねて大阪へ花嫁をつれて凱旋、の予定とゆー、「何がなんでも結婚!」のスケジューリング。

 さて、計画通りうまく運ぶモノなんでしょーか。番狂わせはあるんでしょーか。
 一三結婚編、明日につづく。

「モンパリ東京公演の前夜、モンパリより西洋的なダンスで喝采を浴びた一団があったらしい!」 67へえ!

2006年09月19日 | レヴューのトリビア

「モンパリ東京公演の前夜、モンパリより西洋的なダンスで喝采を浴びた一団があったらしい!」
 67へえ!

「日本芸能史7 近代現代」(芸能史研究会編/財団法人法政大学出版局)より
 ※タイトル通り、芸能史の本です。

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 大阪ミナミに「河合ダンス」って一団があったらしい。
 たぶん、花街の置屋さんだったのかな?河合幸七郎とゆーお方が、

「芸妓が在来の三味線と舞扇だけに執着していては時代に遅れます。」

 と、なんと大正11年の新聞で語り(進んでるよねー。大正時代にねー。)、お抱えの芸妓さんたちを訓練して、バリバリの西洋直輸入ダンス舞台を見せたらしい。大正13年1月に帝国ホテル演芸場でデビューして好評で、7月には大阪松竹座でも公演。翌年から毎年、帝国劇場で上演したそうな。デビューの演目は「コサックダンス」 「タランテラ」 。

 ・・・タランテラ!?
 まもなく始まるコム様の退団公演とおなじ、タランテラー!?この時期に、たまたま読んだ本に「タランテラ」って演目が出てくるとわ・・・縁を感じるなぁー。

 出演する芸妓さん自らが欧米に出向いて、本場のショウを見てきたらしいよ。(踊り子自体を洋行させるってのは珍しいよね。)で、ダンスだけじゃなくって、アコーディオンとか、珍しい楽器、音楽も持ち帰って、芸能界に西洋の息吹ふきこんだんだそうな。

 引用してみます。

 宝塚とは一味違った舞姿を掲げる雑誌『河合グラヒック』を見ていくと、現代でもけっこう通用するシーンが目に付くであろう。

 だって。よほど斬新だったんだねー。
 
 昭和3年1月、帝国劇場では「クレオパトラ」「アメリカで見た日本の踊り」「ミヤーチカ」など、13種類のプログラムを上演。(小品集なのかな)好評を得たと。それが「モンパリ」東京公演の前夜だったんだそうです。

 そうか・・・とにかくこの時期、西洋の文化が一気に流入してくる時期だったんだね。その流入品のひとつが、レビューだったと、そういうことなんでしょうね。

「秋のおどり MOVE ON!!」松竹座

2006年09月18日 | OSK日本歌劇団

 昨日、17日にNewOSKの「秋のおどり」見てきました。
 OSKレビューを見るのがもちろん一番の目的ですけども、じつは「松竹座っていうトコロに入ってみた~い!」って気持ちも1割ばかりあったんですよねえー・・・。松竹座、なんか名前がカッコイイじゃないですか。いかにも伝統ありげじゃないですか。中もカッコイイのかなーと思って~(←イメージでモノ言ってます!)
 先月、アピオへ出かけた折に、ついでに松竹座に寄って予約してあったチケットを窓口引取してきたんですけども・・・文明の利器インターネットで難波にあることを確認し、出口番号だけ頭に入れて出かけてみたらびっくりー!松竹座って・・・道頓堀のアレですか!むかーしむかし、観光で道頓堀あたりをぷらぷらしたときに、「こんなとこに劇場があるんだねー」とか思いつつ、向かいでエッグタルトを食べた・・・あそこか!(知らなかった・・・)

 三連休中の道頓堀はすごい人でした。はぁー!阪神が優勝すると、こんな人だらけの場所で堀に飛び込むのかぁ~。(←話、それてます)
 えーと、そんで今回は、ヅカ友の友人Rも同行だ!ふたりで「へえー」「ほうー」「これが松竹座ー」「すごーい!」「わーい!」と言いながら、松竹座と道頓堀を真っ先に携帯のカメラで撮影する、シロウト丸出しのふたり・・・。

 中に入ってもまたすべてが珍しくって、きょろきょろしながらエスカレーターで上へ。松竹座って、タテに高い建物なのね。一階席が3階からなんだね。客席に入って、花道、赤提灯で飾られた壁面、天井の格子を見た瞬間、「あれぇー!コレは都をどりやってる、祇園の歌舞練場にそっくりだー!」と思いました。まぁ、花街は歌舞伎と縁が深いみたいだから、歌舞練場が「松竹の劇場」を意識してデザインしたのかもしれませんね。(あくまで想像)

 とにかく、難波にあるってのは、近いッ!
 わたし、関西行きは(安いから)近鉄アーバンライナーなんですよ。アーバンライナーは名古屋⇔難波でしょ。近鉄降りたら、乗り換えナシでスグ松竹座だもん。近いよねえ。昼のチケットだけ用意して出かけたのですが、当日券で夜も見て、19時すぎに終演し、19時20分ぐらいにはもう、近鉄窓口にいましたからねえ。乗換えがないって、イイもんだなー。

 はい、前置きが長すぎですね。(何書かせても長いわたし・・・)
 じゃー、見てきた感想いってみましょー。

※桜花さんの話ばっかりになるのを先に宣言しときます・・・。
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 わたしはレッキとした宝塚FANですけども、OSKを見に行くのが楽しいんです。OSKレビュー、面白いの。宝塚もたいがい、人を選ぶ趣味だなと思いますが(ハマる人はハマるけど、ダメな人はダメだよね)、その宝塚FANのなかでも、OSKを見て面白いかどうかは、人によるんじゃないでしょうか。ここがヅカブログなので、これ読んでいただいて「ひさしぶりにOSK見ようかな」「はじめてOSK見ようかな」と思いつかれる方が、ひょっとしたらいらっしゃるかもしれないので、敢えて明記しますけれど、OSKレビューは宝塚と同じ感覚で見ると「???」になるんじゃないかな、とわたしは思ってるんです。まぁ、あくまでわたしはという話なんですが、宝塚見るのとは、違う感情回路でOSKは楽しんでますってコトをね、書いておこうと思って。なんつーか、鑑賞のツボが違うのね。

 OSKのねー、何が好きかっていうとねー。
・宝塚と違うトコロが好き!
・宝塚との共通点でも、やっぱりテイストが違うトコロが好き!
 まぁー、わたしにOSKの何たるかがわかっているとは到底思えませんが、わたしなりに「OSKらしさ」を見つけて楽しんでいるワケなんですよ。

 さて、秋のおどりです。
 日舞と洋舞のレビュー二本立て!ショー、レビュー好きにはたまりませんっ。宝塚では、和風演目は「日本モノ」っていいますけど、OSKの和レビューはずばり「日舞」だ!そしてホントに「日舞」だ・・・。いやまぁ、OSKのダンス全般にいえることだけど、タップはタップだし、ジャズダンスはジャズダンスだし、日舞は日舞だし、踊りがすげー「ちゃんと基礎できてます!(そして何でも踊れます!)」な感じなんだよ・・・。OSK流じゃなくって、ちゃんとダンスがダンスだ!(ってなんかヘンな表現だね・・・)

 今回は日舞は天神祭だの住吉祭だの、大阪の伝統的な祭りダンスでした。大阪ではきっと有名な祭りなんだろうけど、関西文化にも祭り文化にもとんと縁がないわたしには元ネタはさっぱりわからず・・・。大貴さんが布袋様?(七福神の誰かだと思うんだけど)の面をつけて「よっとっと」な縁起のよさそうーな踊りを踊ったり、盆踊りみたいなのがあったり(ものすごく上手い盆踊りだ・・・)、なんてゆーか、民俗色というかね、非常に庶民的な踊りをやってて、またこういうテイストがわたしはとっても好きなんだわねえ。(雑草だもんで、庶民文化のテイスト好きなのよ)
 途中、お手を拝借!って、客席も大貴さんの音頭で手を叩いたり、それが終わるとパンパーンと花火が上がって、また日本の祭り!な大人数の踊りになったりっていう演出も面白かったね。

 後半はズバリ道頓堀のセットが出てきて、その前で「買い物ブギ」「大阪ブギ」「大阪ラプソディ」「大阪で生まれた女」「雨の御堂筋」がメドレーで歌われるんですねー。買い物ブギとか大阪ブギとか、「あー!本物っ!」って思った・・・。いや、何をもって本物というのかってカンジなんだけどさ~!やはし笠置シヅ子さんといえばOSKだからさ~。で、ココで買い物ブギをコミカルに歌う桐生さんが最高!!なんですね。あの彫りの深ーい濃ーいお顔(失礼)で、ハンカチ片手に「わしゃホンマによう言わんわ♪」って歌うあそこ、最高ですよ!誰が考えたんですか、あの配役!ナイス配曲っっ!(あそこだけ巻き戻しで10回ぐらい見たい!)
 そんで、「雨の御堂筋」では、歌う娘役、北原さんの相手役(とゆーか、ちょっとした振りの相手役)で桜花さん!!桜花さん王子だ・・・!!くぎ付け)

 いわゆるトップコンビデュエットみたいなシーンは、「道行き」です。おおぅ、心中モノ!でねー、ここでねー桜花さんがバックで歌うワケですよ。わたしは桜花さんのダンスに惚れてファンになったんだけど、歌もフツーに上手いのだった!(惚れ惚れ)で、わたしは桜花さんばっかり見ていたという・・・。(歌ってるだけだとゆーのに・・・)ここ、前振りで子役男女コンビが出てくるんだけど、子役さん可愛かったなー。ほんとに子供に見えた。無邪気な動作が。

 日本の祭りの曲で群舞が踊られるトコロは盛り上がりますねー。OSKの群舞って、すごくチカラがあるんだよー。問答無用の盛り上がり感がありますね。

 さて、日舞も楽しいですけど、なんといっても洋舞洋舞v 桜花さんのバリバリダンスー!(←桜花さんしか見えとらんのかっ!)

 幕開きに少女の役の人が紙ヒコーキ折ってて、それを「ブーン!」って飛ばす格好で走り去るところで、照明を使って「飛行機でいざ!世界の祭りへ!」っていう演出、おもしろいね。

 OSKレビューは、トップトップトップ・・・じゃなくって、スター級がまんべんなく芯を取ります。で、1景がけっこう長い。幕があくと、ノーテンキな音楽で南国っぽいダンスがおもむろにスタート。最初っからもう、娘役さんのスカートがビラビラに舞って、脚線美全開!(OSKのスカート翻しまくり、イイよねー!すごい好きなのー!)や、みんなスタイルいいねえ・・・。

 このあと、ニューオリンズカーニバルっつって、アメリカ~ンで西海岸~なダンスを高世さん(と、後半大貴さんも出てくる)が中心にステップ踏むんですが・・・ココの洒脱なカンジがねー!!イイのよねー!!最初に高世さんが男役3人連れてステップ踏みはじめるトコロ、すごくかっこいいんです。そのあと、娘役さんたちが大量に、つばの広い帽子に手をやりながら軽い足取りで出てくるダンスも印象的。

 海辺のカリビアンカーニバルは桜花さんが芯だ!わーいわーいわーい!!桜花さーーーーん!!(感想、それだけ?・・・すいません、桜花さんばっかり見てました・・・)

 ポスターにもなっていた、ヴェネツィアの場面は、芝居になっとりましたね。大貴さんと若木さんが恋人で、死神が桜花さん!この桜花さんがまた、長髪の黒い王子で、キャーーーー!なワケですよ!(力説)春のおどりで、大貴さんの義経の芝居のセリフがとても印象に残っていたので、レビューとはいえセリフ聞けてうれしかったなー。大貴さん、声がキレイよね!この場面、死神の手先とゆーか仲間とゆーか、黒い王子サイドの数名が、恋人を取り巻いてちょっとした振りで踊るんだけど、ちょっとした振りなのに上手い・・・。バックダンスなのに視線をとられるの・・・!ここ、ピエロさん可愛かったですねー。身が軽い軽い!

 そんで、ラインダンスでフィナーレね。
 フィナーレでピンクの衣装を着ていらした桜花さんがまたまたキャー!ええっとー、フィナーレは8割桜花さん見てました・・・。だってどうしても目が目がっ!!

 今回、全編を通していちばん好きだったのは、自分でも意外だったんですけども、フィナーレの黒燕尾の群舞でした。わたしは宝塚ではコムちゃんのファンで、コムちゃんは思いっきり宝塚花組燕尾なダンスなので、燕尾はキザキザ慣れしてるハズなんですけど・・・燕尾のダンスというより、ダンスが燕尾を着ているようなOSK燕尾に、ものすごい色気を感じちゃったんですよ。OSK燕尾の、背中が好き!なの。(また細かい・・・)
 とにかくねー、基本的に踊るスキルが高い方たちが踊っているから、OSKの洋舞は、びっくりするぐらい必死感がないんですよね。いや、ウラでは必死なのかもしんないけど、それを表に出さないクールさがありますよねえ。リフトや難易度の高いステップも、「どうだっ!」って感じがぜんぜんなくて、さらっとクールな表情で進めていくんですね。これ、宝塚と対称的。宝塚は、「どうだっ!」「わー!パチパチ」と、必死なとこは必死感をちゃんと客が受け止めて、盛り上げて楽しむトコありますからね。
 個人的なコトになりますが、わたしは自分が基本的に何やらせても能力低ーい人間なもので、スキルが高いとか能力が高いモノの前では、無条件にひれ伏しちゃうトコロがあるんですよー。だもんで、OSKの燕尾の背中に、スキルがある人間の余裕、スキルの高さを誇らないストイックなクールさを感じて、じーんとしびれてしまったのでありました。

 ロビーに飾られていたカレンダーの見本も、しみじみ見ちゃったね。デザイン、構図、男役のありかたが、モダンで都会的。少女歌劇、レビュー劇団と共通項はあっても、やっぱり文化がぜんぜん違うんですね。

 話がそれたね。
 えーと。水無月さんのきれいなエトワールで階段おりがあって、大貴さんの挨拶が終わると、はい、お待ちかね「桜咲く国」で傘回し。・・・どうも友人Rは、OSKの傘回しとゆーものを知らなかったらしく、えらいウケて(びっくりして)ましたよ。やー、傘回し&桜咲く国、いいよねー。これ見ると、「OSKを見にきた」って感じがするー!

 わたし的秋のおどりベスト3
・大貴さんのめでたい踊り
・桐生さんの買い物ブギ
・ニューオリンズのダンス

 わたし的桜花さんベスト3
・傘を回す桜花さん(←なぜに?)
・娘役さんに額をくっつけるっぽい振りの桜花さん
・ピンクの衣装の桜花さん

 桜花さんの何がイイって、甘い雰囲気も、バリバリダンスも好きなんだけど、一番好きなのは立ち姿!!頭のてっぺんからつまさきまでビシッと筋肉が伸ばされたちょー美しい立ち姿!!また足が長い!!その長い足がびしっと伸びて、それでダンスを踊られた日には、ノックアウトカーン!ですよ。(←意味わからない文章)

 帰り際の会話。

 友人R:「うん!結論、桜花さんだね!」
 わたし:「そうなの!結論、桜花さんなの!」

 なんだよ結論って・・・。意味わかんねーよ!

 はい、とにかく楽しかったです。幕があいた瞬間、舞台の雰囲気に「あーーー、オーエスケーだーーーっ!」って思った。先月アピオで見たばっかりだからってコトはありますけど、わたしなりにだんだん、OSKを見る感覚が体に入ってきたかな??


最近のトピックスいろいろ

2006年09月14日 | 宝塚歌劇
 雪組の新人公演、ぜんぶ出たね。
 今回はヒロインがさゆちゃんなのよねー。かなめちゃんと、美男美女コンビだね!
 そらちゃん、専科さんの役ーっ。どんなふうになるんだろうね。がんばってね!
 遠麻くんがちかちゃんの役・・・なのはまぁ、想定の範囲内かな。
 あやりちゃん、マコさんの役。あやりちゃーん!将来はマコさんみたいな、優秀な上級生女役さんになってくれると信じてたのにー(泣)やめちゃうの、さびしい!
 みずせくんがハマコさんの役かー。みずせくんっ!パワー出してがんばってっ!
 いづるんの役がせーこちゃん。おお!ふたりとも転向組だ!
 えりちゃんの役をコマちゃんね。コマちゃん、背筋のばしてがんばってねっ。
 あ、せしるくんがキムちゃんの役だ!明るいキャラは通じるものがあるから、これ楽しみだね。(つっても見られるわけじゃないんだが・・・。)芸達者なキムちゃんから、がっつり学べるといいね、せしるくん!
 そしてせしるくんの役をぐっちょん!!・・・さりげなくぐっちょん応援中なんです。ぐっちょん頑張れー。
 かおりちゃんは、今回あみちゃんの役ね。お歌を生かしてがんばってね!まぁ、ヒロインはひとりしかできないから、今回はしょうがないね・・・。可愛いかおりちゃんの活躍を、これからも楽しみにしてます。本公演はどんな出番かなー!

 花組マインド・トラベラーのポスター見たけど・・・ゆうくん、お痩せになった!?

 竜馬の特別サイト、おもしろいね。
 人物相関図の写真、みんなかっこいい!タニちゃん、日本モノも似合うじゃないの。
 わたしは石田昌也作品の大FANなので、特別サイト見てテンション上がりましたわー。早くみたいな、竜馬ー。友の会もばっちりエントリー済みだし!

 もう愛短も終わりですね。わたるくんのサヨナラショー、どんな演目が出てくるんでしょうねー。で、愛短が終わるといよいよ雪組だぁー!ドキドキ 楽しみだなー!ワクワク

「小林一三は大阪で花柳界に夢中になったらしい!」 56へえ!

2006年09月14日 | レヴューのトリビア

「小林一三は大阪で花柳界に夢中になったらしい!」
 56へえ!

「日本財界人物
全集第5巻 小林一三」(三宅晴輝/東洋書館)より

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 ※なんか字がデカい・・・。(理由がわからない・・・)なぜ一三先生シリーズになると、字体やサイズが変わってしまうんでしょーか・・・。読みにくかったらすいません。

 まぁ、あんまり意外でもないよな・・・。
 わたし、どうも「タカラヅカ」のシステムって、花柳界の影響受けまくってる気がしてて、「一三みたいな事業家のおヒトなら、座敷通いぐらいしてたんじゃないの。それをモデルにして、タカラヅカを整えたんじゃないのかなぁ」とずっと思ってたんですね。ほら、八坂女紅場学園と宝塚音楽学校(と劇団員=生徒システム)とかさぁ。(考えすぎ?)

 八坂女紅場学園(ウィキペディア)→ココ

 でも、一三が(事業家として成功してから)花柳界を見下げる発言をしてヒンシュクをかったエピソードを読んだことがあって、じゃー違うのかなぁって思ってたんだけど、なんだ、若いころはバリバリ(←遊びが)だったんだね。

 なんか、三井銀行では入社して4、5ヶ月すると、全国の支店に出されるんだそうだ。ものすごい辺鄙なところに飛ばされることももちろんあるワケで、それが理由でヤメちゃう社員もいたらしい。で、一三は「(どうせ行くなら)京都か大阪の、上方情緒豊かなトコがいいなv」と思い、ちょーど大阪にポストがあるときに、支店長に働きかけて、大阪行きの椅子をゲット!同輩にはうらやまれたそうな。(てゆーか・・・コネ!?コネですか!?新入社員が支店長に働きかけるチカラがあるって・・・コネだよね。イイとこの坊ちゃんだったんだなー、一三・・・。)

 で、めでたく大阪に行くこととなった一三。秘書課長から「大阪に行く連中は最初は北野の某下宿で暮らすけど、その間にみんな悪いことを覚える!(それじゃマズいから)菊本君(超マジメ銀行員。のち三井銀行社長)とこに行け!」って言われて、堅物の菊本家に下宿したと。・・・しかし秘書課長の努力むなしく、一三はガンガンに遊び、茶屋遊びはもちろん、芝居を見たり、新聞社の文学仲間と文学雑誌に小説書いたり、楽しく暮らしたらしい。

 芝居はともかく、花街で舞妓さんや芸妓さんと遊ぶには金がかかりまくる!彼の当時の月収は、(賞与もいれて)だいたい月二十円。下宿代は八円で、食費は月一円あればOK。20-(8+1)=11円も余裕があるんだけど、それでも足りなかった!と。(そうだよねー。相場はわからんけど、そりゃ高いでしょうねー、そーゆー遊びはー)それでどうしたかというと・・・なんと実家から半期に五百円ぐらい(理由をつけて)仕送りしてもらった!んだってよ!(ええぇーーっ!?一三の年収の倍以上じゃんっ!)

 ちなみに仕事には宿直があって、宿直すると手当てで10銭出たんだけど、宿直手当てで稼ぎたい同僚が替わってくれるもんだから、一三はついに一回も宿直をしなかったそうな。(ええぇーーっ!?いいのか、それでっ!?)

 ・・・なんか、ヒンシュクな会社員だなぁ。(と思うのは、わたしが庶民だからでしょーか。いや、そりゃー、当時のエリート会社員なら、花柳界への出入りはフツーにあったんだろうけどさ~!程度ってものがあるでしょ!)

 ま、とにかく一三がイイ家の出だということはよ~くわかったっす。
 

植田しんじ先生イベント

2006年09月13日 | 宝塚歌劇
 今日、宝塚友の会の冊子と、携帯電話使用料の明細が届きました。

 携帯電話使用料金。
 ぱ、パケット代かかりすぎだぁーーー!(←モバイルタカラヅカの見すぎ)あああぁ、しみじみとWINにしとくんだった。なんでWINにしなかったんだ!二年前(←携帯買い換えた時)のわたしのバカバカバカー!(泣)

 友の会の冊子で、あらためて植田しんじ先生記念イベントの詳細を見たんですよ。公式HPで見たときは、「へえー、やるんだ」程度だったんだけど。
 なかなか面白そうじゃないの!(真顔)

 まず、タイトルがイカしてるじゃないの!
 「魂の軌跡!!」魂と書いてココロと読むなんて、詩人だなぁー(笑)これ、誰が考えたタイトルなんですかね(笑)おもしろーい!

 それから内容ね(笑)
①植田作品の主題歌を織り込んだ祝賛歌の歌唱
  しゅ、祝賛歌!!(笑)
 ただの歌い継ぎじゃなくて、主題歌を織り込んだ祝賛歌!いやー、すごいですねー。記念祭じゃなくって、祝祭なんですか、コレ。

②植田作品100本の概要解説
 あはははは(笑)すごいよ、すごいすごい!
 「オールアバウト植田しんじ先生!」
 これはまさに、「植田しんじのすべて決定版」と呼ぶにふさわしい出し物だ!代表作をやるんじゃなくって、100本だからね。歴史に埋もれ気味なマイナー作品をも新しいFANに紹介してくださるのですね!ピックアップ再現じゃなくって、概要解説っていうのが新しいね(笑)しかしどうやるんだろう。おもしろそうー!

③第一回演出作品「舞い込んだ神様」の再現ほか
 ここで代表作のベルばらや風共でなく、第一回演出作品とは!
 うんうん、なるほど。たしかにデビュー作には作者の資質が濃く出るものですからね。どんなのか興味あるなぁー。植田しんじ先生の原点体験イベントだね。

④100名の黒燕尾の紳士のダンス等現役生によるショー
 これはイベントを記念して、特別レビューを演出してくださるということ?
 100本解説といい、なぜか100にコダワリがあるようですね。宝塚100周年にはまだ気が早いですよ~!でも、こういうイベントか、それこそ100周年でもなければ、100人のエンビなんて見られないでしょうね。おもしろそうー。

⑤卒業生による歌とトークなど
 あ、これはイベントの王道企画だね。
 植田先生も舞台に上がって、OGと座談会してくれないかなぁ(笑)

 宝塚歌劇団で理事までつとめた、出世した演出家様ならではの、趣向をこらした豪華イベントじゃないですか。いいなぁ。面白そうー。見に行きたーい!でも、平日だからなぁ。(大劇場が近所だったら絶対行くのにー。)