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「燕尾服男装のスターが出演したレビューが、アメリカにもあったらしい!」 99へえ!

2006年09月08日 | レヴューのトリビア


「燕尾服男装のスターが出演したレビューが、アメリカにもあったらしい!」 
99へえ!

「ミュージカル入門」(野口久光編/荒地出版社)より
※1963年初版の本です。トーゼン絶版。ミュージカル関係の文章をまとめたアンソロジー?みたいな本。前半80頁が双葉十三郎という方による(アメリカが主の)レビュー、ミュージカル史で、わたしには知らんことばっかりでした。ほかに、ミュージカル映画、ミュージカル作家の紹介の項や、アラカルトと銘打った項では、寺山修司が宝塚を語っていたり・・・けっこう面白いよ。

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 フロレンツ・ジーグフェルド(1869生まれ)とゆー興行師がいたらしいんですよ。この人、ロンドンでアンナ・ヘルドとゆー女優に惚れて結婚したんですね。そんで、この(たぶん無名だった?)アンナという女優を「ぜひオレの手で売り出す!」と、ミュージカル・ショーのプロデュースを始めてしまったと。(もとは見世物の興行師)

 彼はアメリカの人でしたが、1906年にパリでレビューを見てきて、「フランス式レビューをアメリカ式にやってみよう!」と思ったらしいんですね。それがそこそこ人気を博して、毎年上演されるようになったらしい。(「ジーグフェルド・フォーリーズ」っちゅー名前らしい。フランスで見た「フォーリー・ベルジェール」から?)

 そのレビューの1909年版に、 「ベシイ・クレイトンがシルクハットに燕尾服という男装で、卓抜なコメディエンヌぶりをみせた」シーンがあったらしいのね。

 ・・・シルクハット、燕尾、男装。
 うわー、少女歌劇の男役レビューとかぶってる!よねえ、要素が。
 まさか、これを参考にしたワケではないだろうけど、1920年代にアメリカに渡った白井先生が、写真や資料ぐらいは手に入れた可能性はあるかもね。(この本にも、何年版か知らんが、ジーグフェルド・フォーリーズのナンバーワン・スターの写真が載ってるぐらいだから、ブロマイドはたくさん出てたことでしょう)

 この1909年の同レビューではほかに、スターがシャボンの泡の中に現れる、とか、歌いながら観客に花を撒く、とかの演出があったらしい。少女趣味だな、どことなく。(そういえばパリゼットには、すみれの花を客席にまく演出があったんだっけ?)

 ジーグフェルドは華やかさと、(スターの)女性が美しさを謳歌できることを考え、工夫をこらした演出をして、けっこうな数のスターを育てたそうです。うーん、ますます宝塚が見習ってトクになる要素は多かったのでは。

 それでまたもや疑問が沸いて出ましたよ。
 あのー。男役って、いつからあったんだろ。
 え?女性だけの劇団なんだから当初からに決まってるじゃんって?いや、そりゃそうなんだけどさぁ・・・。「ドンブラコ」とかの時代だと、単に女性が男性の役をするだけってことで、それじゃ単なる「男の役」だと思うのね。歌劇の男役っつったら、燕尾でレビューに出るのが象徴的スタイルでしょ。このスタイル、モンパリやパリゼットにはあったんでしょうかねえ??(これまたラインダンス同様、宝塚と松竹、どっちが導入したものなんだろ)

 初期の宝塚では、うつくしい娘役が花形だったみたいだし、レビューを導入した時点では、「女性美」としてのレビューをやってたんじゃないかと・・・まぁこれは単なる想像なんですがね。燕尾、リーゼントのレビューの男役像が定着するのはいつごろなのか・・・なんか、宝塚歌劇団内にはそーゆー資料ありそうだよね。

 まぁ、またいろいろ読んでるうちに、どっかの本に出てくるかもね。