今日から5月になった。初日は五月晴れでなく朝から曇り空だった。
今にも雨が降りそうなのに、休みの亭主は今はイチハツに凝っていて、先週は1本しか咲いて
いなかった平野神社のイチハツと上御霊神社(かみごりょうじんじゃ)のイチハツを
見に行くことになった。
レインコートを積んで自転車で出発した。
平野神社のイチハツは咲いていたが
一緒に植えてあるジャーマンアイリスの方が幅を利かせていてお粗末だった。
日本的で質素で楚々としたイチハツの周りに派手で豪華な西欧の匂いがプンプンする
ジャーマンアイリスを植える関係者に文句を言いたいくらいだ。
亭主も「台無しやなぁ」と怒っていた。
気を取り直して、次の上御霊神社へ行くため北野天満宮の北側の道路を走った。
1週間前に来たときは市のお店がたくさん出ていて人もたくさんいたのに今日はひっそりと
していた。
お店の出ていた歩道があまりに狭く、よくこんな場所にたくさんの商品が並んでいたものだと
思った。
そこからしばらく西陣と言われる界隈を走った。
寺の内通りの狭い道を走っていると、懐かしい「ガチャガチャ」という音があちこちから
聞こえてきた。
機織の音だ。昔はこのあたりはどの家も着尺や帯を織っている「織り屋」さんだった。
久ぶりに「はたおり」の音を聞き、まだ西陣の灯は消えていなかったとうれしく思った。
程なく歴史のある上御霊神社に着いた。
立派な御みこしも鎮座していた
そしてお目当てのイチハツは満開で見ごろだった。
去年も友達と見に来ているが、お手入れの賜物かすばらしい花で亭主も満足気だった。
心配した雨も降らず曇りというのは涼しくて、帰りは私の小学校に何十年ぶりかで通ってみた。
家に帰ったら、奈良の友達から手掘りの筍がたくさん送られてきて、他にも手作りのマーマレード
や飴などが入っていて実家からの荷物のようでうれしかった。
実家が近くて送ってもらうことなどなくて、他所から何かが送られてくるというのは
胸がときめくプレゼントだ。
さっそく湯がきながら、風でたくさん落ちている藤のはなびらを掃いた。
今年の藤はあっという間だった。