8月中旬に購入したリチウムイオンバッテリー“BL-50TX”だが、その能力を把握するためFTDX10Sで使用してみた。
謳い文句では、FT-857Dで144MHzFMを50Wで5時間(内、送信は1時間15分程度)使えるらしい。まぁ、これは満充電スタートで目いっぱい使い切る(自動でバッテリー側の電源が切れる)までの時間だと思う。
これに対し、「FT-857Dは2世代ほど前の、今となっては比較的電池を喰わないモデルだし、バッテリーの寿命を考えると使用範囲はもっと狭くなるよな~。」と思う次第だ。そこで、私の運用パターンだとどう出るのかを、実際に使用して確かめてみることにした。
■使用範囲と充電条件
・使用範囲:充電完了状態(注、満充電ではない)~ラックに常設の電圧計が受信時に12.0Vになるまで。
・充電条件:上記使用範囲まで使い切り、付属の充電用ACアダプターで充電完了状態まで充電。
→【注】充電完了状態とは、LEDが4個点滅開始後数分経過した状態。これを確認直後、手動で充電停止する。
■運用条件
・使用リグ :FTDX10S
・送信出力 :10W(HF帯で定格送信)
・運用パターン:CW(20WPMでこちらがCQを出し続け、599BK方式)
・アンテナ状態:低SWR(オートチューナー不使用、リグ内蔵のSWRメーターは僅かに触れる程度)
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■結果(充電時間)
上記条件の使用(放電)を経て充電。充電完了電圧は14.6V、充電時間は標準充電時間10時間に対して、9時間10~25分程度であった。これは、LEDの点滅状態を見逃さないように頻繁に目視チェックして把握した。ちなみに、更に1時間充電を続けることで満充電になるらしいが、それは本バッテリーの寿命短縮を招くので行っていない。
■結果(運用関連)
過去の測定により、10W送信(SW電源で13.8V供給)した時のFTDX10Sの消費電流は9.2Aであることが分かっている。今回このバッテリーから電源供給して送信したところ、電圧ドロップは最大で0.6Vで、受信時に12.0Vであれば送信時は11.4Vになることを確認した。そして、ここまでを使用限界として上記条件で5チャージ分の運用を行ってみた結果、運用時間は177分、148分、157分、208分、162分、これら5件の平均で170分であった。
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■所感と結論
う~ん、満充電~強制電源OFFという目いっぱいの使い方じゃないのと、どう考えても送信時間がベンチマークより長いから、使用時間が短くなるのは仕方が無いにしても消費電流値が最大出力の6割程度なので、「もう少し長く持っても罰は当たらないんじゃないの?」と思うんだけど、どうだろうか?
まぁでも、5回やって最大60分程度の差こそあれ、大半は3時間に到達してない訳で。これを踏まえるとこの結果は、FT-818 & PDモバイルバッテリーと同程度の運用時間をFTDX10Sで行えるバッテリーということになる。つまり「FTDX10Sだと10WのCWで2.5hrは使える!」と認識するのが妥当か。
という感じで、持ち時間的に費用対効果が微妙な感じはあるが、大きさが弁当箱サイズ&商用電源がショボめなお泊り先でも充電可能な条件を満たしている点は大きい。なので、例えば2個追加購入して3個体制にするなどしたいところだ。そうすれば遠征ハシゴ運用時の電源は、このバッテリーのみで賄える。でもコスパは悪いな…。
一方、最近はリン酸鉄リチウムイオンバッテリーでアマチュア無線に使えそうなものもポツポツ出て来ているので、その辺も様子を見ながら今後どうするか決めていきたいと思う。
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