モンシェル流オフテク奥義書
乗車前(編)その3
バランス領域の原理を知ろう!3-1
<バイクの重心マス(集中)の原理を知ろう>
バイク(=マシン)の重心とは重量の事であるが
4輪と違い2輪車ってのは
サイドスタンド等一切なしで単に立ち止まった状態でそのままマシンを離れると
100パー倒れてしまうという決定的な違いがある!
まぁ当然の事ではあるが(笑)
そして世界中の各メーカーが年々競いつつニューマシンの開発に精を出し
年々少しづつマシンが進化している状況にライダーとしても毎年楽しみや夢があるのだ!
快適性・運動性等を追及するにあたり4輪に比べて非常に限られたパーツ配置空間の中で
如何に新たなパーツを活かす為の設計変更をするか・・・
そしてその進化の過程においてこの重心の配分というのは不動の重要テーマになっている
言わば中心軸になっているといっても過言ではないのだ!
もっと分かりやすく言えば
例えばエンジンの左側に僅か1kg程のパーツをつけたとしたら
当然ながらその1kg分の右側バランスが崩れて
ライダーも常に右側に1kgの荷重をかけつつ走行しなければ真っ直ぐは走らないのである!!
1kgほどなら実際は大抵サスが踏ん張り耐えるであろうが
それが悪路等を行くある瞬間においてサスの踏ん張り能力を超えた時には
確実にその症状がでる事になる!!
そしてオフを走る際には常にライダー自身において
この重心バランスの持っていき方が常に全ての操作の中心軸となる事を理解して頂きたい
今回まずはそのマシンの重心がどうなっているのかを主軸に記述と致す!
①オフ車の重心の基準構造
まずはオフ車の重心はどうなっているのかを以下の画像で大まかに記すと
大まかに分けて3等分になる感じであり
1番重いのがエンジン部(赤枠①)・2番目がリア周り(青枠②)・で1番軽いのがフロント周り(黄色枠③)だ!
して例えば走行中に下り坂やフロントブレーキ時等にフォークが縮んだ時にはこの様に重心が前に移動して
逆に発進時・登り坂やフロントアップ時等にフォークが伸びてリアサスが縮んだ時にはこの様に重心が後方に移動する
あらかじめ構造上マシン自体はフロントが軽く出来ているのは何故か?
これはライダーが乗った時に自然にハンドルの付け根部のステム周りに荷重がかかった状態で
初めて前後タイヤにかかる「マシン+ライダー全荷重」が路面に均等にかかる様設計されているからだ!
↑赤線(顔付き・笑)がライダー本体で黄色線がステムを通ってフロント側路面に伝わる「ライダー+エンジン部」荷重の方向
赤黄色線がリア方向に伝わるライダー本体荷重であり
そして赤線+赤黄色線をステム側からリアハブ周りまで結んで伸びている青線がそれぞれ
平均して青枠内範囲方向へ荷重を伝えている状態になっている
更にマシンの重心は前後だけではなく左右もこの様にハンドル幅を切り口として
ライダーが足で支える事のできると言われている範囲は
フロントタイヤ軸までの赤線三角形枠内であり
その範囲を超えると急激にエンジン重量を受ける事になりそのまま倒れる
因みに黄色線から黄色↑方向へ荷重が移動すると
リアに荷重がかかる事になりフロントとしての荷重バランスが崩れる状態に当然なる
して化学技術的に神業ともいえる偉業がまた一つここに存在していて
前後荷重耐久力の限界はあれどその範囲内においては
どんな体重のライダーが乗ったとしても最終的に路面に伝わる荷重配分が前後とも均等にかかる様に
設計されている事だ!!
これは実はモーターサイクルが高性能最先端技術の結晶の塊である事を意味する動かぬ証拠の一つといえる!
そうです、我々が普段何気に乗っているオートバイってのは
例え50ccスクーターに草履ガニ股で乗ってるおっさんであれスーパーカブに長靴で出前する板前であれ
スーパーカブといえば(マシン整備工場長達人はむさんであれ・笑)
実は物凄いテクノロジー結晶のマシンに乗っていたんですなぁ~!
2輪車は構造上この特殊な重心配分が4輪以上にシビアに求められるからこそ
その製造技術工程分各パーツも以外に高価になってくるのでしょう・・・
そしてこれらの自然状態における荷重配分バランス範囲内を超える時に
ライダー自らの操作テクというものが必要になってくるという事だ!
②重心マス(集中)について
上記前述してきた素晴らしいマシンの重心配分について
今度はそれをライダー自ら操作してコントロールする為の主軸になる
マス集中を上手くコントロールする為の基本について記述する!
マス=重心であり
集中=それを1点1箇所に集中させる事である
集中点=マスが集中する中心軸であり
集中範囲=その集中点を崩さないバランス範囲内の事である
そしてそれは各種ライディング状況・地形によってその時その都度集中点・範囲が千変万化するのだが
まずは今回オフ走破においてその全ての基準値となる真っ直ぐ走る時のマス集中点について以下の様に記す
図面幼稚な感じで申し訳ないが・(笑)
オフを走る全ての基準としてはこの様に(赤←)のステム部にライダーの全神経を集中させる事が重要である!
かといって肩に力を入れてフォークを押し込むとかじゃなくあくまで自然体で立ち乗りつつ意識を集中させるのがコツ
体重は普通にステップに平均的にかけて乗り
この様にステム部に意識を集中させるとまずリアが滑った時に安定性が向上し
地形に対してマシンを立てる感じに自然と繋がる事で
左右バランスのコントロール操作幅がかなり広がるというメリットがある
ライダーが行うボディーアクション+マス集中コントロール操作は全てここから始まるのである!
オフ走破攻略の鍵は3Dライディング!!
言わばただマシンに乗ってアクセル・クラッチのみでブオーン!と走ってハイ終わり(笑)を繰り返すだけじゃなく
各種悪路地形・障害物等を乗り越え走破していくには
このマシン重心(マス集中)の変化する状態を常にリアルタイムで感知しつつ
立体的(3D)にマシンを操れる様にならねばならないのだ!
次回からはいよいよ具体的に各状況例をあげて記述していくと致す!