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No Music No Life

ディスカバークイーン その11

2022年02月05日 | 音楽
1月度のディスカバークイーンまとめ

クイーンズクロニクル
西脇さんによる楽曲解説。
アルバム「ホット・スペース」から。

「スティング・パワー」
フレディ作。
聴きどころはうなるシンセベースとプラスセクション。
フレディの最高音は今までよりも半音上げている。
ドラムはドラムマシンを使っているが、アナログA面の曲は全てドラムマシンが使われている。
ファンクとしては珍しく、メインリフと歌のバックは別となっている。

「ダンサー」
ブライアン作。
ドラムマシンにロジャーの生ドラムを重ねている。
ブライアンによるシンセベースは、ギタリストらしくピッチベンドを使って、ギターのチョーキングやアーミングのような効果を出している。
前曲と違い、ファンクらしくメインリフの上にボーカルを乗せている。

「コーリング・オール・ガールズ」
ロジャー作で、ロジャーの曲としては初のシングル曲だが、後年になってブライアンやロジャーは酷評している。
当時としては珍しくスクラッチが使われている。

「クール・キャット」
ジョンとフレディ作。
全編ファルセットで歌っている。

「アンダー・プレッシャー」
デビッド・ボウイとの共作。
元々はフィールライクという曲で、デモ音源が残されている。
ジャムセッションをしながら即興で演奏していくうちに、印象的なベースリフが生まれた。

クイーンズクロニクル
西脇さんによる楽曲解説。
アルバム「ザ・ワークス」から。

「レディオ・ガガ」
作詞作曲はロジャー。
この曲にはドラムマシンのほか、ボコーダーやオートアルペジオが使われている。
ボコーダーとは声を鍵盤でシンセ音として出すことが出来る装置。
オートアルペジオとは、和音を自動で分散化して出すことが出来る装置。
こういった80年代的な要素が多く使われている楽曲となっている。

「ティア・イット・アップ」
作詞作曲はブライアン。
いつにも増して迫力あるドラムサウンドになっているのは、ゲートリバーブが使われているから。
空間の響きを生かしたドラムサウンドが作られていて、80年代には多くのアーティストが使っていた。
コーラスワークは原点に帰ったような3人同時録音の感じになっている。

「イッツ・ア・ハード・ライフ」
作詞作曲はフレディ。
ドラマチックにはじまるが、オペラの「道化師のアリア」から引用されている。
ブライアンのギターソロは長くよく考えられていてギターファンファーレのようになっている。

「マシーン・ワールド」
作詞作曲はブライアンとロジャー。
聴きどころらエレクトロとハードロックの対比。
ここてもボコーダーが使われている。
また、シーケンサーのクォンタイズという技法が使われている。

「自由への旅立ち」
作詞作曲はジョン。
ドラムマシンを使ってるけど、ノリノリに聴こえるのは、ジョンのベースによるところ。
キーボードソロはフレット・マンデルという人で、ピッチベンドで音を揺らしている。

女王様よろず相談室
パッパラー川合がリスナーの悩みに答えるよろず相談室。
「クイーンが大好きで夢に出てほしいのに出てこない。見るのは隣のおじさんが粉々になったえびせんをくれた夢とかしかない。なぜクイーンは私の夢に出てこないのでしょうか?」
夢は自分でコントロールすることは出来ない。
枕の下にクイーンの写真を敷いて寝ても出るわけではない。
私(パッパラー川合)だって、ずっと松田聖子に夢に出てきて欲しかったけど、55歳のときに一回出てきただけである。
中森明菜も好きだけど夢に出てきたのは1回だけである。
60年生きてきてそれである。
いくら好きでもいつ出るかわからないし、コントロールも出来ない。
なので、相談者さんはまだ20代なので、60歳までには1回くらいは出てくるかもしれないので、それを待ちましょう。
あと40年というと長いように感じるかもしれないが、もしかすると今日の夢で出るかもしれないのだ。
粉々になったえびせんの夢は、もしかするとフレディがエビの衣装を着ていたことに由来するかもしれないので、引き続き努力は必要。
というわけで選んだ曲は「神々の業」。
この曲は、人の運命なんてよくわからないよという意味なのでこれを送ります。

朝日順子さんのクイーン歌詞解説
まずはホットスペースから「バック・チャット」。
アルバムタイトルは隙間のあるサウンドを意識したもの。
とくに「バックチャット」は打楽器的な言葉の響き、ブラックミュージックを意識したリズムなど、ホットスペースの方向性を代表する曲になっている。
男女の痴話喧嘩がテーマ
フレディが一人二役で歌っている。
完成したサウンドが自分の望むものになっているかの確認で、普段自分が聴いてる環境下で聴いてみることが多いが、クルマのカーステレオから流してみたりする。
ブライアンはギターソロを入れることを主張して、クイーンらしさも出している。
マイケルジャクソンはこの「ホットスペース」にとても影響を受けたという。

次は「イニュエンドゥ」から「イニュエンドゥ」。
だだっ広いスタジオで録音された。
歌詞はロジャーが中心でフレディが少し。
レッド・ツェッペリンの「カシミール」と「サンキュー」を意識した曲で、どうにも出来ない自然のなか戦い続けることを歌っている。
途中スティーブ・ハウによるフラメンコギターが出てくるが、歌詞はとても英国的なもの。
当時クイーンのメンバーはパパラッチから追いかけられることが多かったので、そういったところからこういう歌詞が出てきたという。
このアルバム制作時、フレディは死を意識していた。
メンバーもそれを意識していて、今後のことも考えていたらしい。

クイーンズコミュニティ
ゲストはジ・アルフィーの高見沢俊彦氏。
クイーンとアルフィーのデビューは一年違い(日本でのデビューは本国より遅かった)。
当時はハードロックも好きだったけど、実はグラムロックが大好きだった。
クイーンもグラムだと思って聴いたら音がハードで驚いた。
クイーンのコーラスワークはアルフィーにも影響されている。
メンバーの坂崎幸之助はビートルズや吉田拓郎が好きだったけど、高見沢がクイーンやユーライアヒープとかを聴かせていた。
昔はお金がなかったから仲間内でレコードを買って、それをみんなで聞いていた。
ブライアンのギターについて。
レッドスペシャルで作った音、とくにギターオーケストレーションの発明は素晴らしい。
高見沢はとてもたくさんギターを持ってるが、レッドスペシャルの音は絶対出せない。
作曲家としての視点では、もともとはフレディとブライアンが作っていたが、後からロジャーとジョンが作るようになり、二人に追いつき、そして凌駕するほどになるのはおもしろい。
常に進化している。
クイーンのアルバムには駄作がない。
どれを聴いてもいいので、その日の体調によって聴きたいアルバムを聴くことが出来る。
そういうハンドは珍しい。
高見沢俊彦にとってのクイーンはエターナル。
不滅のバンド、神である。