のり巻き のりのり

飾り巻き寿司や料理、己書、読書など日々のあれこれを書いています



懐かしい生家が・・・

2017年04月04日 | ファミリーヒストリー
4月1日から実家の取り壊しが始まりました。
お寿司教室はすぐ隣のマンションにあるので、部屋から壊すところが見えるんです。

初めは中に残っている古い家具類を出し、水をかけながら屋根の瓦をはがし、やがてガガッーと壊されていく・・・
今日で4日目

思い出いっぱいの家が無惨に壊されていくのを目の当たりにするのはほんとうにつらい。
「なるべく見ない方がいいよ」と言われても気になってしまうのです。







あの押し入れに入ってかくれんぼをしたっけ。
お盆やお正月には父の手作り料理がいっぱい並べられ、おいしかったなあ。

昔は周りにはマンションもビルもなかったよ。

リウマチで体が不自由になった母のために床も張り替え、トイレも浴室も廊下もバリアフリーにリフォームしてありました。
まだ十分新しくきれいに見える家でした。

母亡き後一人暮らしになっても、几帳面できれい好きだった父は、いつ行っても家の中にゴミ一つありませんでした。

晩年、週2日訪れるヘルパーさんも、85過ぎの男性の家でこんなにきれいな家は見たことがない。
掃除のお手伝いに来てもやることがない、と言っていました。

それどころか、家の前の道路に落ちているゴミや、隣家から入ってくる落ち葉、自動販売機の空容器などもこまめに片付ける人でした。
偉ぶることなく清貧の暮らしをし、近所の人からも敬愛されていた父の姿が次々と浮かんできます。

市街地にあるため、取り壊した跡地は駐車場になります。
形はなくなっても、心の中にくっきりと刻まれた思い出のひとつひとつは決してきえることはありません。

散りゆくもの、新たにいずるもの、時は流れていきます。