写真は[トランプ大統領が日米関係を壊す] 日高義樹 徳間書店 1500円 税別。
眠れない夜、私は妄想する。
アメリカ合衆国大統領就任式を終えて3日後、トランプ大統領は沖縄普天間飛行場に軍用機で舞い降りた。あくまでも訪日ではなく軍の慰問という形が貫かれた。そして表敬の名の下に翁長知事との会談が行われ、今まさに共同会見が始まろうとしている。
たくさんのフラッシュがたかれる中、トランプ大統領が静かに語り始める。
わたしは知っている、70年前、この地で何が起きたのかを。
そしてわたしは知っている、この地に流れた70年の時を。
おそらくこの国の総理大臣よりも。
かつて世界は二つの大国が覇権を争っていた。
その時代、1つの大国にとってこの地は重要な拠点となった。
やがて時は流れ、1つの思想が自壊した。
これからは、民主主義と資本主義が世界を席巻するとわれわれは歓喜した。
われわれは思考を停止したままでも世界を手に入れられると思った。
だがその時は訪れず世界は混沌とするばかりだ。
われわれは転回を決意した。
この地からまず海兵隊を引き揚げグアムに移す。つまり辺野古は必要ない。
嫌がるレディーを無理やり押し倒したりわたしはしない。
これで美しい珊瑚は守られるはずだ。
3年をめどにこの島からアメリカ軍をすべて撤退させる。
そしてこの島に平和が訪れ、世界に広がっていくとわたしは確信している。
トランプ大統領が傍の翁長知事にウインクした。
翁長知事は凍りついたように立ち尽くしていた。
ここで私の妄想は終わり、浅い眠りにつく、今度は悪夢にうなされながら。