写真は、江戸六地蔵 3番 眞性寺。京都六地蔵に模して建立された丈六の銅造地蔵菩薩坐像は、中山道の往来を見つめるように鎮座している。なにやら地蔵様は物憂げで悲しそうだ。
御朱印。
そんな地蔵様を拝む者がひきも切らさずで線香の煙が絶えることがない。
境内には石像群がひっそりと佇んでいる。
芭蕉の句碑もある。
白露もこほれぬ萩のうねりかな 芭蕉
裏
萩植えてひとり見習う山路かな 杉風
実は私、生まれてすぐ暮らしたのはこのお寺の裏のアパートだったの事。もちろん私の記憶には一切なく母から聞いた話。
私の記憶にあるのは、八つ目やにしむら。もちろん改装する前、もしかしたら二代前の店舗で、当時は焼き台が店の前にあり、短尺やら肝やらカブトなどを焼いていて、けむりモクモクの中親父たちがコップ酒を呑みながら、鰻を食べていた。小学校に上がる前だったか、コップ酒をあおる父の横で短尺を1本買ってもらい食べた記憶がある。
私の鰻好きはここに始まったのかもしれない。それにしても煙が目に沁みたな。
そうだ、今夜あたり鰻鐡の焼き台の前のカウンターで、父の面影を肴にコップ酒でもやりますか。