たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

国益

2007-11-16 09:54:52 | Weblog
 国益とは国家としての利益をいう。従って世界に存在する国々それぞれに国益があるのは当然だ。この国益が複数の国で共通している場合もあり、逆に対立する場合もある。しかしこの国益が同盟国や友好国の間で対立する場合は厄介な問題となる。米国と日本は同盟国であり常に友好的外交を心がけている。ところが両国間には深刻な国益上の対立が生じている。
 北朝鮮の非核化に向けた六カ国協議が精力的になされている中で、核施設の無力化が実現できる見通しが立ってきた。核施設の無力化については北朝鮮からは多くの条件がつけられているが、中でも北朝鮮をテロ支援国家の指定からはずすことを米国に強く求めている。米国としては北朝鮮の非核化を成功させることがブッシュ政権の最重要課題であり、国益でもある。解決を急ぐ米国は早晩この要求を受け入れテロ支援国家の指定を解除することが予想されている。
 日本は北朝鮮による拉致問題の解決が最重要課題であるが、こう着状態にある日朝間での解決は難しいので、テロ支援国家指定解除の条件に拉致問題解決も含めたいと考えている。そのために米国に対しこの問題が解決するまでテロ支援国家の指定を解除しないよう強く要望している。しかし米国は同盟国である日本からの強い要望であっても、現時点における最重要課題である北朝鮮の非核化実現のためにはテロ支援国家の指定を解除する必要性に迫られている。
 国家間で国益が対立することになる場合、その友好関係が親密であればあるほど問題は更に複雑化する。