たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

完全試合だったのに

2007-11-02 13:13:43 | Weblog
 プロ野球第58回日本シリーズの第5戦で中日は1-0で日本ハムを下し、通算4勝1敗で53年ぶり2度目の日本一に輝いた。
 この試合で中日先発の山井投手は毎回日本ハム打線を三者凡退に打ち取り、8回まで一人の走者も許さなかった。この回までの危なげないピッチングを見る限り誰しも完全試合を頭に浮かべ、9回も当然投げるものと信じていたのではないか。ところが9回表、落合監督がベンチから出てなにやら主審に告げている場面が映し出された。心なしか主審も意外そうな表情をしているように見えた。意外も意外、従来の勝ちパターンである岩瀬の登場であった。観客は一瞬どよめいたが、直ぐに切り替えて岩瀬コールが始まった。
 もし山井がこの日本シリーズで完全試合を達成していれば日本では勿論のことアメリカでも未だかってない大記録だ。あくまで「もし」だが、あの調子であればかなり高い確率で達成できたと思われる。ファンの気持ちとしては何が何でも投げてもらいたかった。9回に投げたとし、もしヒットを打たれたらその時点で降板させても遅くはないのではないか。しかし、「もしヒットでなくホームランでも出たらどうする」、「ホームランでなくとも塁に出したランナーがホームを踏むことがないとは限らないではないか」と反論されれば返す言葉がない。やはり選手の状態とゲームの運びを考えている監督の判断が最善なのか。それにしても山井にとって今後こんなチャンスに遭遇することは難しいだろう。でも試合終了後の山井の顔が晴れ晴れしていたのがせめてもの救いだった。