山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

育成会の事、関係ないことも勝手につぶやきます

「ステージ」では二重否定は用いない

2013年05月29日 | 本人活動
 知的障がい本人向け新聞「ステージ」は全日本手をつなぐ育成会が発行している。
 全ページカラー刷り。
 本人向け新聞として、これだけ本格的なものは日本唯一といっていい。
 「ゆき・えにしネット」=福祉と医療、現場と政策をつなぐホームページ=
 http://www.yuki-enishi.com/index.html
 で、野沢和弘氏の「ステージ」にかかる発言が以下のとおり掲載されている。
 その発言を取り上げ、分割して順次紹介している。
 
 その第22回目である。
 「ステージ」では二重否定は用いない。
 そのことについて、以下に述べられている。
  
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【引用始め】

http://www.yuki-enishi.com/media_shougai/media_shougai-01.html#01

メディアと障害

知的障害者と新聞~『ステージ』の編集から
毎日新聞科学環境部次長(現・社会部次長) 野沢 和弘さん

(3)分かりやすいとは何か

 「二重否定」は使わないというのがステージでの取り決めだが、
 この二重否定は新聞記事だけでなく
 一般の文章や日常会話の中でも頻繁に登場する。
 ストレートなものの言い方を避け、
 自分の主張をぼやかしたり、
 相手の気持をうかがいながら
 慎重なものの言い方をするときなどによく使われているといっていい。
 ところが、これが知的障害者には苦手なのである。
 「私は東京ドームに行きたくないわけではない。
 楽しくないとは言ってない。
 だから、どうしても行かないと言ってるわけじゃない」などと言われると、
 いったい相手は何を言いたいのか障害のない人にもにわかにはわからないだろう。
 もっとも、流行歌にもこんな歌詞があるから、
 二重否定は現代の日本人の鬱屈した心情を表すのに
 必須の表現なのかもしれない。
 「もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対…」

【引用終わり】

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 日本人はストレートな表現を避ける傾向がある。
 そのために、二重否定といった表現を使う。
 知的障がいのある人にとって、こうした表現が何を意味するか理解するのが難しい。
 そうなると、微妙なニュアンスが伝わらない。
 わかりやすさを追求すれば、どうしても伝えることのできないところが出てくる。
 これは限界と言って良い。
 大まかな全体像を伝えることを優先するしかない。
 やむを得ない。
 その限界を承知の上で、わかりやすい情報が求められている。
 それも地域の生活情報も含めて、関心のあるものについて適宜・適切な情報提供がなされる体制ができるともっといい。
 年4回の「ステージ」だけでは限られている。
 地域内で知的障がいのある人向け情報提供がなされる必要がある。
 (ケー)


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