第24回山形県知的しょうがい者福祉大会(平成24年7月29日・日曜日・村山市民会館)開催まであと7日とせまった。
大会テーマは「みんなで地域生活を充実させよう」である。
大会の趣旨
大会にかかる「趣旨」は次のとおり。
『障害者総合支援法の施行に向けて、しょうがい者福祉もめまぐるしく変化しています。
その中にあって、知的しょうがいのある本人並びに家族の生活がより良い方向を目指す必要があります。求められるのは、理念やスローガンではなく、社会にはりめぐらされたサービスの実態であり、しょうがいがあっても感じられる幸せの実感です。
障害者自立支援法は、度重なる見直しがくわえられましたが、法が示した「障害があっても、地域で安心して暮らせる社会の実現」のためには、社会全体の議論と実現に向けた継続した努力が必要です。
さらに、育成会運動も世代交代がせまられていますが、思うように進まないのが現状です。
こうした課題をふまえ、「みんなで地域生活を充実させよう」を大会テーマとして、知的しょうがいのある本人が豊かな未来を実現する契機となることを願い第24回目となる本大会を開催します。』
以上が、大会の趣旨である。
育成会に頼らないのはいい時代か
本人や家族が地域で生活するにあたって、毎日が豊かで満足するものであるか。
個々によって問題が異なるに違いない。
問題がそれぞれ違うにしてもある程度集約できるはず。
ところが、現状ではなかなかその集約ができてない。
集約ができたとしても、それが運動にまでつながらない。
育成会の組織に頼らなくても、その代わりになる頼りがいのある組織ができている。
例えば、毎日通所している事業所や学校である。プロの職員たちは頼りになる。また、相談支援センターの相談員という親身になって聴いてくれる人たちもいる。
それはそれでとてもいい時代に近づいていることは確かである。
当事者の切実感に対応できるのは当事者
でも、障がいを持つ当事者団体としての育成会の意義をここで改めて問い直す必要がある。
障がいという共通した悩みや問題を抱えた人たちの集まりは、第三者からのアドバイスと異なる切実感がある。
その切実感を集約して、運動にまで高めることができれば沈滞気味の育成会が、さらなる発展につなげることができる。
(ケー)
山形県に住んでいます。以前、育成会に入会もしていました。今までも、地域での取り組みについてお話を伺う事がありました。
一人ひとりの要望は、行政に言っても取り上げてもらえません。育成会ほどの団体ならば、みんなの声を集めて要望してもらえないでしょうかとお願いしました。
圧力団体ではないから、市に要望を出すようなことは育成会では出来ないとの回答でした。
???
だとすると、この記事にある、「運動」とは何を指すのでしょうか?
育成会には頼らない、のではなく、育成会には頼れない。のです。代わりになる頼れる組織があるわけでもないのです。
山形県の市町村育成会支部活動をかつて行っていた方のコメントですね。
育成会の問題点を指摘いただきました。
確かに不十分なことも多いのです。
それにずっと甘んじてきた付けが現在きています。
それは会員数の減少になってあらわれてきています。
活動も満足に行われなくなっているところもあります。
こんなことを正直に書くとなおさら育成会の弱点だけが目立ってきますね。
育成会の会員としてがんばったが、みんな協力してくれなかった。
だから、育成会を止めたのですね。
とても残念です。
市への要望を出そうとしたが、育成会がやることでないといったというのですか。
せっかく課題をもって取り組んだのに、出鼻くじかれた。
そうなると活動意欲が著しく減退したんでしょうねえ。
地域の育成会活動は、社会啓発・親睦・相談・研修といった内容を地道に取り組んでいく必要があります。
ところが、社会啓発に関することは、人任せになっている部分が多いかもしれません。
その対策として、第24回山形県知的しょうがい者福祉大会(7月29日、村山市民会館)を開催しました。
その中では、知的しょうがい者福祉施策の課題について「大会決議」として公表し参加者の賛同を得ました。
「しょうがいがあっても地域で安心して暮らせる社会の実現」のために、ぜひ関係者が一体となって世の中に訴えていきたい。
その訴えを言い続けてゆくことで、世の中の人たちより理解を少しずつ得てゆく。
手間もかかる。時間もかかる。根気のいる仕事です。
でも、育成会60年の歴史を振り返ってみてください。
たった3人の母親たちが、知的しょうがい者に対する無理解をなんとかしようと始まった組織なのです。
古くなりすぎて時代に合っていないところもあるかもしれません。
しかし、そうであれば今いる会員たちによって修復して、活発な育成会にしていくしかありません。
人がいない、金がない、やることがないといったところで、当事者でない人たちが積極的に支援してくれるでしょうか。
自ら動きまわって、汗をかいている姿をみて、あんなにがんばっているんだと、世間の人は思うのです。
それで初めて支援の手がさしのべられるのです。
まず、育成会にとって重要なことは会員増です。
そして、活動が魅力あるものにしていきたい。
さしあたって、「家族支援プロジェクト」といったワークショップに参加することをお勧めします。
ホームページや本ブログでも今後案内いたします。
ぜひ、注目ください。
確かに出鼻をくじかれ、期待を裏切られたと思いました。その当時は、誰かに何とかして欲しい、と思っていましたので。
今は動き続けることが大事と思って、保護者の会を作って、勉強会を開いたりして情報交換し、みんなの声を行政に届ける活動をしています。
子は、どんどん成長しています。地道な活動はいつかきっと成果が出る。と私も思いますが、自分の子の将来のために、早急に考えるべき事もあります。
どちらも難しいことと思いつつ、期待を持ってがんばっています。
ご苦労も多いでしょう。
難しい問題に突き当たっているとしたら、ぜひ育成会の人にも相談してみてください。
なにかアドバイスしてくれるかもしれません。
解決なんてできないかもしれません。
でも、ねばり強く解決の糸口を探りながら、人とのネットワークを構築するといいと思います。
一人に相談したら、次の人に相談する。
そこですこしヒント得られたら、次の人に相談。
新たな糸口をさぐるといった感じです。
ある種、ネットサーフィンによってより良い解決策を探し出す要領です。
そんな簡単に完全解決にはなり得ない。
でも、次々たどることで一歩ずつ策が見え始める可能性があると信じて動くことだろうと思います。
育成会なんて、そんな形でこの60年間活動してきた組織です。
即効性はあまりなくて、なにやっているだろうと思うに違いありません。
それでも、着々と福祉サービスは進んできています。
育成会だけの力だとは言えません。
でも、育成会がなかったら、これほどサービスが進んだろうかと思います。
育成会の人々が言い続けたからこそ、知的しょうがい者の地域生活が当たり前になってきています。
もちろん、育成会会員でも課題解決に熱心に取り組んでいる人もいます。
反対に、会費だけで活動にほとんど協力しない人もいます。
会員だけども、批判ばっかりで協力姿勢がない人もいます。
さらに、反対も、賛成も、態勢に流される人もいます。
口先だけで人任せの人もいます。
こうした人たちが集まった育成会です。
それでも、福祉サービス進展に寄与してきたことは確かです。
それは、組織が大きかったからです。
スケールメリットを活用することで、今後も少しずつですが、福祉サービスを向上する必要があります。
すなわち、地域生活の質の向上をめざす運動を推進することです。