山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

育成会の事、関係ないことも勝手につぶやきます

グループホーム研修会(地域活性化事業)

2014年11月01日 | 研修会
10月30日(木)寒河江市ハートフルセンター視聴覚室において
山形県手をつなぐ育成会地域活性化事業
「グループホームの研修会」を行いました。

講師は、寒河江市手をつなぐ育成会の事務局もお引き受けいただいている
さくらんぼ共生園の木村久夫園長です。

今回は新庄養護学校から保護者の方だけではなく、
寄宿舎の先生と高等部の先生も参加して下さいました。
(私も懐かしかったです)(^-^)

GH研修会 (6)
木村園長の穏やかな語り口で、本当は大変なのであろうトラブルも
たいしたことが無いように聞こえてしまいます(^^ゞ

これまでグループホームの話を聞いてきたのは、
入所施設を運営している法人が入所者の地域移行ということで
作ってきたホームのお話しでしたが、
今回は、通所施設を運営している法人が作ったホームということで
利用している人も、知的・身体・精神と3障がいがそろっているそうです。

とても興味深く聞かせていただいたことは、
何かを決める時は、必ず利用者本人たちと話し合いをしたうえで決める、ということ。

どんなグループホームに住みたいのかという事はもちろんですが、
例えば、ホームの名前も本人さんたちが決めたのだそうです。
ちなみにホームの名前は「ORADANA」(おらだな)です。
山形県の方言で(村山地区かな?)【わたしたちの】という意味です。
おらだ→おれたち(わたしたち) な→の ということで
私たちのグループホームという意味になっています。

そして、今も利用者さんと職員とで月に1回は必ず「定例会」を開き
問題点を話し合うのだそうで、それがとても良いことで重要な事だとのことです。
利用者の人たちは3障がいの方々がいらっしゃいますので、
自分の障がい以外の障がいを理解するための勉強にもなっているとの
お話しに、なるほどなぁ~と感心してしまいました。
(それぞれに自己主張ができる方々ばかりなので、
いさかいが起こったりもするそうです)

そして驚いたことは、ホームには友人を招いて泊めたり、
家族が来て泊まったりしてもOKなのだそうです。
ホームで行う行事にも、友人や家族を招いて楽しんでいるスライドをみせていただきました。

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GH研修会 (5)
質疑応答の時間です。

「グループホームを作りたいのだが、どこから手を付けていいのか分からない、
どんなことから始めたのか教えて欲しい」
という質問が出た時、
「まずは、利用する人たちと話し合いをすることです。
利用する人たちはどんなホームを望んでいるのかを
何度も話し合いをして決めることではないでしょうか。
誰が利用するのか分からないが、とりあえずホームを作るというのでは
全てが中途半端になってしまうと思います。
私たちのホームでは、利用する本人さんたち皆さんが
夜間も職員がいるのは管理されているようで嫌だ、
という意見だったので夜間は人を置かないように決めました。」
とお答えになっていて、本当に利用者さんの意見を取り入れながら
作られたホームなのだと感心してしまいました。

個別支援計画も「わたしのゆめプラン」という呼び名にして
本人の意見を充分に聴く「傾聴」を最重要視しているとのお話しでした。
さくらんぼ共生園の利用者さんの中には、あまりお話しするのが
上手ではない方もいるそうですが、普段の会話からポロンポロンと出てくる本音を
どれだけ拾い上げる事ができるかが支援者にかかっている。
というお話に、本当に利用者の気持ちを大切にしていることが判りました。

利用料も驚くほど安く、家賃も1万円ということなのですが、
家賃補助が1万円あるので、基本タダ!ということになります。
就職しても残念ながら離職してしまう場合が多いそうで、
無職の時期にも障害年金だけで生活ができるように考えているのだ、との説明でした。
その説明には、みなさん本当に驚きながらも
ありがたい心遣いに感心しておられたようでした。
(経営的には赤字だそうです。 (・_・;)そうでしょうねぇ・・・)

そして・・・
せっかく遠くから行くのだから是非グループホームを見学させてもらえないだろうか?
と問合せをしてくれた方が数名いらっしゃいましたので、木村園長にお聞きしたところ
そんなに大勢でなければ良いですよ。といっていただきましたので
一部の方にはグループホームも見学していただきました。
私も観させていただきました。

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「ORADANA」です。

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この窪みのところで車いすのタイヤをきれいに洗う事ができるのだそうです!
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廊下は土足OKです。
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食堂です。
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ゴミもちゃんと分別します!
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食堂の台所です。オール電化です。
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ショートステイのお部屋を見せていただきました。
すべての部屋が同じ作りだそうです。
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自立型のホームという事で
アパートのように、すべての部屋に自炊もできるように
小さなキッチンが付いていますし、バス・トイレも完備されています。
安全を考えてオール電化になっており、各部屋に温水器もありました。

部屋は6畳ですが、洗濯機を置くスペースも別にあり、
洗濯物を干せるスペースもあります。
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ショートステイの部屋には、ソファーベッドが置いてありました。

そしてやっぱりアパートのように、各部屋のドアの所には
ドアチャイム(ピンポン)と、内から誰が来たのかを確認できる
覗き穴?もちゃんとついていました。

これまで見てきたホームとは違い、プライベートな時間や
空間が欲しいと思っている人達の意見を取り入れたホーム
なのだということがハッキリわかりました。
(ただ、音に敏感な人がいるので防音をもっとちゃんとすれば良かったとの事でした)

グループホームといっても、利用する人の障がい程度によって
さまざまなタイプのホームがありますので、やはり、どんな人が
利用するのかが決まってからホーム作りに取りかかるべきだとの
木村園長の言葉が改めて思い出されました。

ご訪問ありがとうございました(F)