「第1回全日本手をつなぐ育成会 事業所協議会全国研修大会 事業報告集」(2012年3月31日発行)の内容をシリーズで紹介している。
その18回目。
第4分科会について。
東日本大震災の被害にあった障がい者が立ち直るのは、事業所を再開して今までの「日常」を取り戻す生活ができるようにするといった報告であった。
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【引用始め】
「第1回全日本手をつなぐ育成会 事業所協議会全国研修大会 事業報告集」(2012年3月31日発行)p.26
第4分科会 事業所が復興のセンターに!
復興のひとつ担い手に事業所が立ち上がるときです。障害者が中心にした地域づくりへの提案
事業所協議会 東北ブロック運営委員 飯嶋 茂
東日本大震災から11カ月を迎えて事業所協議会全国研修会。
《 ディスカッション 》
発言者:社会福祉法人 若竹会/宮古圏域障害者支援センター所長 湊 直司 氏
知的障害のメンバーが被災地の住民の一員として、近隣の被災家屋の後片付けや企業の復旧作業に協力した。
事業所を再開し「日常」を取り戻すことが何よりの障害メンバーへの支援になった。
いずれの皆さんもマニュアルがあったわけではなく、その場その場での必死の判断で次々に襲ってくる出来事に対応していった。
それを支えたのは普段からの事業所のスタッフや、地域の方たちとの関係の積み重ねでした。
便利なもの合理的なものの対極にあるもの(例えば、電気のいらない暖房器具、水洗でないトイレ、地域住民とのコミュニケーション)の大切さを感じた。
知的障害のメンバーが復興支援活動に一役買ったことなどを含め、新たな価値観を見出すチャンス。
【引用終わり】
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以上のように、東日本大震災に被災し、障がい者福祉が実践できたこと、今後実践すべきことの指摘である。
① 知的障がい者も被災地住民として、復旧作業に協力できる。
② できるだけ早い事業所再開によって、障がい者の日常を取り戻すこと。
③ 災害時の冷静で柔軟な判断。
④ 普段から事業所と地域との関係を密にしておく。
⑤ 災害に備えた装備。
(ケー)